墨映画(BOKUEIGA)

映画を墨彩画とコメントで紹介する。
映画好き・絵好き・書道好きなどなど。好きなこと寄せ集めのブログ。

12人の怒れる男

2008-09-28 20:24:22 | 映画(英・数)
「留まるか、飛び立つか。自分で決めないと、誰も決めてくれない。」

冬空へ飛び立つかどうかを迷っている、すずめ。
外へ繋がる窓辺で、彼は何を感じているのだろうか。

自分自身で決めて進まなければ、いけない。
飛び立つにしろ、留まるにしろ。
いずれにしても、誰も決めてくれないし、正解が何かもわからない。
決めること。そして決めてことに責任を持ち前に進むこと。
そんな事あたりまえだけど難しい。

チェチェンに対する差別感情。
それぞれの生活に早く戻ろうとするがゆえに結論を急ぐ感情。
そんなこんなの空気が、徐々に変化をしてゆく。
人の思いの変化を感じることに、この話しの醍醐味があるように思う。

日本でも、陪審員制度が導入される。
そんな折、この映画でいろいろと考えてみるのもまた良いのではない。

しっかり、見ごたえのある映画であった。

とにもかくにも、決めて、信じて進むことが大切と思わせる映画に出会ってしまった。
だから映画好きはやめられない。

【STORY】
シドニー・ルメット監督の名作「十二人の怒れる男」(57)を、「機械じかけのピアノのための未完成の戯曲」「太陽に灼かれて」「シベリアの理髪師」などで知られるロシア映画界の巨匠ニキータ・ミハルコフがリメイク。
ロシア軍将校だった養父を殺害したチェチェン人少年の裁判を通して、現代ロシア社会が抱える問題や多民族国家ならではの偏見を浮き彫りにしていく。
養父殺しの罪で起訴された少年の審理が終わって12人の陪審員が別室に移る。
彼らの意見が11対1で圧倒的に有罪に傾いている
しかし、一人がしっかりと意見を交換し吟味をしないままの判断は、気がとがめる。と言い出す。
それがきっかけで、議論は白熱。それぞれの思惑が飛び交う。
果たして、審議の結果はいかに。

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ウォンテッド

2008-09-25 21:38:02 | 映画(あ行)
「信じられるか! 弾、曲がるんだぜ。」

アンジー、こわっ
本作のヒロインなのに、前々かわいげが無い。
弾を曲げることのできる暗殺集団。自分の後の的を、弾を曲げて打ち抜く。
それができる様になったかどうかを確認するために、銃の前に立つ。
女性はそんなことしてはいけない。本当にかわいげが無い。
そんな怖いアンジーを描いてみたのですが。
あまり似ていないのは置いといて、雰囲気を感じてください。

ジェームズ・マカヴォイは、「つぐない」以来でしょうか。
いい俳優さんですね。
「つぐない」とは全く違い、アクションもまたいい。
今後も、応援したい。

派手なアクションは「ありえねー」って感じだけど、すごいです。見所満載。
特にカーアクションは見ものです。予告編でもその辺の期待度は十分感じられたのですが、裏切られませんでした。
設定も「ありえねー」
だけど、そのありえなさがまた面白い。
ストーリーも、私にとっては意外な方向に進んで「ありえねー」。
真の悪役は、意外な人でした。
しっかり楽しめました。
あまり、深く考えないで楽しんでください。そんな映画です。

とにもかくにも、派手なアクションと「ありえねー」設定が楽しい映画に出会ってしまった。
だから、映画好きはやめられない。

【STORY】
マーク・ミラーのグラフィックノベルを、「ナイト・ウォッチ」のロシア人監督ティムール・ベクマンベトフが映画化したアクション大作。
冴えない日常を送っていたウェスリー。彼の前に突然現れた美女フォックス。
謎の暗殺組織“フラタニティ”の一員という彼女が現れたドラックストアで、ウェスリーとフォックスは狙われ銃撃戦になる。
彼女によれば組織の優秀な暗殺者だったウェスリーの父が、数日前に裏切り者に殺された。その魔の手がウェスリーにも迫っているという……。
主演は「つぐない」のジェームズ・マカヴォイ。共演にアンジェリーナ・ジョリー、モーガン・フリーマンら。

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パコと魔法の絵本

2008-09-21 19:15:03 | 映画(は行)
「ザリガニ魔神、許せない!」

公開前、本作の予告編で多少の「ウル(涙)」感があり非常に期待していました。
期待通り、泣きました。
人は、社会の中で生き抜くため闘っている。その強さや生き抜いたことへのプライドがいつしか人を傲慢にさせてしまったり、自分本位で人のためにといったやさしさに欠落したり。
そんな、強き傲慢さの固まりのような男大貫。役所広司が好演している。
しかし、他の皆様もくせもの揃い。負け時とすばらしい演技。
これだけ、個性強くてそれでもまとまるこの作品のすごさ。
皆がいろいろと悩みを持ち、それが次第に明らかになるにつれ、皆を応援してあげたくなる。
実写とグラフィックの関連も違和感無く、突如として絵本の世界になっても気になりませんでした。

日本人の手による素敵なファンタジーに拍手!

とにもかくにも、やさしさと強さを感じ涙する映画に出会ってしまった。
だから、映画好きはやめられない。

【STORY】
後藤ひろひと原作の舞台「MIDSUMMER CAROL ガマ王子vsザリガニ魔人」を、「下妻物語」「嫌われ松子の一生」の中島哲也監督が映画化。
役所広司、妻夫木聡ら豪華キャスト。
奇妙な人ばかりが集まるとある病院に、偏屈な大富豪・大貫が入院している。
「おまえが、俺のことを知っていると思うだけで腹が立つ!」
嫌われ者の大貫は決まってこの言葉で、皆とぶつかっていた。
ある日、交通事故で両親を失い後遺症で1日しか記憶が持たなくなってしまった少女パコと出会う。パコとの出会いで自分の人生を見つめ直す大貫は、彼女の記憶に残りたいと願うようになる。
何かしてあげたいと思う様になった大貫は、彼女の絵本を題材にお芝居をしようと考え、皆に提案をした。


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イントゥ・ザ・ワイルド

2008-09-18 18:20:21 | 映画(あ行)
「そして僕は歩いてゆく。変わるため、違う人生を生きるため。」

エンドロールを観ている間中、ずっと涙が止まりませんでした。
すごく泣かせるシーンがあったわけではないのですが、話し全体のことが悲しく思い出されて仕方ありませんでした。
家族や社会への不満から、荒野での生活をはじめる主人公クリス。いや、アレックス-スーパートランプ。
結局のところ、社会や人間関係の大切さが理解できたのだと思う。
身勝手で経験不足。しかし、自分はこうありたいという強い信念。
そんな若さゆえの勝手な強さ。
それを打ち砕く自然と、触れ合った人々の温かさ。
きっと家族の元に戻れば素直に相手を許せたし、打ち溶け合えた。
荒野の旅を続けることで勉強できたように思う。
しかし、彼に訪れたのは自然の厳しさ。
さすがに、そこに勝つことはできなかった。

とても、悲しい…。

とにもかくにも、悲しい自分探しの映画に出会ってしまった。
だから映画好きはやめられない。

ところで、今回の絵は、クリスを黒く。
彼の悲運を表現で来たらと、思い描いてみました。


【STORY】
「インディアン・ランナー」「クロッシング・ガード」のショーン・ペン監督が実話に基づくジョン・クラカワーのノンフィクション「荒野へ」を映画化。
恵まれた環境で育ちながらも、家族と人生に不満を抱えていた青年。
普通の生活を抜け出し、旅にでる。
その果てにたどり着いたアラスカの荒野。そこで、荒野の中になぜかたたずむ「不思議なバス」を見つける。そこを拠点として荒野での生活が始まった。
思い出されるのは、これまで出会った人々のこと。
そして彼に待ち受ける運命は…。心の軌跡を描く感動作。
主演は「ロード・オブ・ドッグタウン」「スピード・レーサー」のエミール・ハーシュ。
共演にマーシャ・ゲイ・ハーデン、ウィリアム・ハート、キャスリーン・キーナー、ビンス・ボーンら。

幸せの1ページ

2008-09-15 23:42:45 | 映画(さ行)
「一歩、踏み出す。繋がる幸せの一ページ」

夢のある話しで、好きだなー。
対人恐怖症で、ひきこもりで、極度の潔癖症。そして、自分の作品のキャラクターと会話する多重人格者。
そんな、ベストセラー冒険小説家をジョディ・フォスターがコミカルに演じている。
さすが、アカデミーショー女優といった演技を見せてくれる。
彼女、あまりコメディー的な作品少ないよね。そこも見所のひとつかな。

そんなに難しい話しでもないので、ぜひ子供たちにも観てもらいたい。
トライすることのすばらしさ。きっと夢かなうという前向きで、いい映画です。

とにもかくにも、行動に出る事の大切さを思わせてくれる映画に出会ってしまった。
だから、映画好きはやめられない。

今回の絵は、物語の軸になる遠方にそびえる孤島の火山。
そんな自然の中で、壁を乗り越えた幸せな3人。そんな感じに見えますか?
【STORY】
海洋生物学者の父ジャックと共に孤島で暮らす少女ニムは、冒険小説の主人公アレックス・ローバーの大ファン。ある時、ジャックが、研究のため、島を離れるが嵐に合い行方不明になってしまった。
ニムは、アレックス・ローバーの作者アレクサンドラに助けを求める。しかし、彼女は極度の対人恐怖症で、ひきこもり。ニムを助けたいが、お外は怖い。果たして……。
児童文学作家ウェンディ・オルーの小説を映画化。
ニム役は「リトル・ミス・サンシャイン」のアビゲイル・ブレスリン。
作家アレクサンドラをジョディ・フォスターがコミカルに演じる


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画家と庭師とカンパーニュ

2008-09-12 21:46:32 | 映画(か行)
「好きな事、好きな物、好きな人に囲まれている。なんて素敵な事なのだろう。」

古い友人。
二人の間にどれほどの時間の差があっても再会の瞬間に、あっという間にその溝も埋まり、打ち溶け合えるものである様に思う。
二人の初老の男は、仕事に家庭にうん蓄のある言葉を交わしつつも、まだまだ失敗してみたり、いろいろ…。
そんな友情がまた、人を育てる。

文章で書くと重苦しいですが、こんなことを自然に描いています。
自分の大好きな事・もの・人に囲まれていると、たとえどんな状況下であっても幸せに感じられる。
そんな人生おくれるかなー。おくれるようになりたいなー。
うらやましい。

画家、キャンバス役は、先日観たばかりの「ぼくの大切なともだち」に出演のダニエル・オートゥイユ。彼、味ありますね。日本だと高倉健といった感じでしょうか。

ヒューマン物を好きな方は、十分楽しめると思いますよ。
すごく素敵な映画でした。

とにもかくにも、友情と人生を語る映画に出会ってしまった。
だから、映画好きはやめられない。

絵は、ジャルダンが育てた大きなかぼちゃ。
大きな庭の中で育った、ジャルダンの大好きな物のひとつを私も描いてみました。


【STORY】
都会での家族との生活に疲れ、生まれ故郷に戻ってきた画家のキャンバス。
故郷のカンパーニュに戻った初老の画家が庭師として雇った男は、かつての幼なじみであるジャルダン。
すぐに昔のように打ち解けた2人は、豊かな自然の中で様々なことを語り合いながら幸せで穏やかな日々時間を過ごすが……。
「クリクリのいた夏」のジャン・ベッケル監督によるヒューマン・ドラマ。
画家役に「ぼくの大切なともだち」のダニエル・オートゥイユ、庭師役に「サン・ジャックへの道」のジャン=ピエール・ダルッサン。

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ハンコック

2008-09-09 22:56:45 | 映画(は行)
「ありがとう。ヒーローも、この一言に支えられている」

嫌われ者のスーパーヒーロー。
なんだか、スーパーヒーロー訴えられる、「Mr.インクレディブル」を思わせるような設定に興味津々だった。家族の絆を描いたそれとは全く異なる。
アニメ映画だけど「Mr.インクレディブル」もお勧めですよ。(私、泣きました。)

感謝され誰かの役に立っていることが実感できる。人にとってどれほど励みになることか。
危険をかえりみず助けたのに、感謝どころかブーイング。
やる気も失せてしまいます。
信じてくれる人が現れることで、気持ちも変わります。
助け方も迷惑かけないように工夫して、行動が変わります。
そんな、レイとハンコックの関係に、ジンときてしまいますよ。

しかし、物語はこれだけでは終わらない。
後半には、ハンコックがなぜ強大なる力を持つのか。そしてシャーリーズ・セロン演じる、レイの奥さんメアリー。
彼女とハンコックの関係が明らかに。意外な展開にびっくり!

ぜひ、映画館でご確認下さい。

とにもかくにも、ありがとうを伝えよう!映画に出会ってしまった。
だから、映画好きはやめられない。

今回の絵も、色を使わず。
墨のかすれで、力強さが表現できてればなー。


【STORY】
ウィル・スミスが嫌われ者のヒーローに扮したアクションコメディ。
圧倒的なパワーで人々を救うスーパーヒーローのハンコック。暴走しすぎて市民から大ブーイングを受けている。
そんなある日、ハンコックは列車事故に遭遇しそうなPRマンのレイを救う。
周りからは救助の方法に大ブーイング。しかし、当人のレイは命の恩人と感謝する。
レイの提案で“皆から愛されるヒーロー”を目指すことになるが……。
監督は「キングダム/見えざる敵」のピーター・バーグ。共演にシャーリーズ・セロン、ジェイソン・ベイトマンほか。

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デトロイト・メタル・シティ

2008-09-06 22:30:20 | 映画(た行)
「夢を与えられる人は少ない」

松山ケンイチはすごいね。
デス・ノートのエル役のときも思ったんだけれど、そのものの役になってしまうからすごい。
松雪泰子もまた、なりきり役で「これまた入ってる。」って感じです。
お話は、面白かったですよ。
主人公のギャップの楽しさと、メタルロックのFANたちの勝手な解釈。
随所にお笑いたっぷりです。

人は、外見じゃないこと。
自分の夢を追い求めることも大切だけど、夢を与える側にはなかなかなれるものではない。
ヒーローにはおいそれとなれないし、何らかの「資格」のようなものがいるのではないかなー。
残念ながら、私にはその「資格」のようなものは無い様で・・・。
だけど、誰かのために何かしてあげることがそれに繋がるのかな。

とにもかくにも、夢を与えられた映画に出会ってしまった。
だから映画好きはやめられない。

今回の絵は、色を使いませんでした。モノトーンで迫力が出てないですかね。
ヨハネ・クラウザーII世の狂乱ぶりが感じていただければ、幸いです。

【STORY】
若杉公徳の同名人気コミックを映画化。
オシャレな渋谷系ポップミュージシャンを夢見て上京してきた根岸崇一。
しかし、ふとしたことから奇抜なメイクと演奏で人気を博す悪魔系デスメタルバンド「デトロイト・メタル・シティ」のギターボーカル「ヨハネ・クラウザーII世」として活躍する羽目に……。
崇一からクラウザーII世に豹変する松山ケンイチのなりきりぶりが話題に。
クラウザーのライバル役でKISSのジーン・シモンズも出演。

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20世紀少年

2008-09-03 21:13:05 | 映画(英・数)
「人は負けると分かっていても、たちあがらねばならないこともある。」

2時間半の少々長丁場の映画ですが、長時間をまったく感じませんでした。
3部構成の予定での導入作品としては、非常に良かったと思います。

私は、原作を全く読んでいません。
原作を知る知人は「物足りない」と言っていました。
映画を観てから、原作をその知人から借りるつもりでしたが、やめました。
このまま、3部とも知らないまま観ようと思っています。
読んでしまうことで期待が膨らみすぎては、せっかくの映画としての楽しみが薄れるかも、なんて思っています。

主人公たちとほぼ同世代の私。
小さい頃、こういった秘密基地ごっこのようなことしたよねー。
そんなところに、多少のリアリティーを感じます。

やらねばならない、あきらめられないことそれに対して突き進むこと。
いろいろと「ぐっと」来るところがあります。
ジェネレーションの近い方はとても楽しめるし、次回作への期待も持てると思いますよ。

とにもかくにも、「大作の予感」感じるに出会ってしまった。
だから映画好きはやめられない。

絵は「ともだち」を描いたのにー。文章の書いた内容とが「ウラハラ」じゃない。
と妻に言われてしまいました。(確かに・・・)
まあ、ゴアイキョウということで。
墨だけで仕上げてみました。ダークな感じでてるかな。


【STORY】
浦沢直樹の同名人気コミックを全3部作で映画化する第1部。
監督は「トリック」「明日の記憶」の堤幸彦。
世は20世紀末。
ロッカー上がりで、コンビ二エンスストアを経営するケンヂ。
小学生の頃に遊びで書いた“よげんの書”の内容通りに、世界滅亡の危機が現実に起こりつつあることを知る。
当時の友人を集め世界を救うために立ち上がる。
事件の裏には“ともだち”と呼ばれる謎の存在が……。
彼は、いったい誰なのか?どうして“よげんの書”の内容を知っているのか?
その目的は?
唐沢寿明、豊川悦司、常盤貴子ほか、主演クラスの俳優が多数出演する豪華キャストも話題。

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