

長襦袢の裾切れした部分(表から見て)が2カ所
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袷の着物なら裾回しのフキ部分、長襦袢も同じ場所は、歩くたびに足首や足袋に当たって擦れるので、擦り切れます
着物の裾を守るために、長襦袢も長めにして着るので、なおさら
解いて、擦り切れた部分を縫い込むことにしました
と言えば、とても簡単そうなのですが
裾を表側から見ると、こんな感じです↓

1 たて衿部分を裾から20cmほど、裏からくけてある部分を解きます
黒い矢印部分

2 解いたあと、たて衿を中表になるように返すと、衿先布の縫い代部分が折り返してあり、さらに余分な部分が折って、しつけでとじてあります
このしつけを取ります

ここまでして、やっと前身頃とたて衿を縫い合わせてある部分を解けるようになります
3 縫い糸を取ると、やっとたて衿と前身頃裾が別れました(裾から20㎝ほど)

4 身頃の裾の折り返し部分のくけを解いて、裏返します

5 最初の縫い目より2cmほど深い部分を、縫い直し(前身頃〜後身頃〜背中心を過ぎて、後身頃〜前身頃)
縫い目に軽くアイロンを当て、キセをかけて折り、表に返します
6 キセ分を裾上げ分から出して、幅を整えて、表側からしつけで押さえます
7 裏側の裾の揚げ部分をくけます
ここまでして、やっとたて衿と身頃分を縫い合わせ
8 片方は裾側から、もう片方は解いた方から縫ったいきます

9 裾から縫ってきたら、解いた部分を通り越して、4㎝ほど重ね縫い

10 衿先止めをして

11 止めた後の糸は撚り合わせて2cmほどにカット

12 衿先より少し上のたて衿の縫い代を幅一杯縫います

13 たて衿の裏部分に重なるように折り返して、衿幅を整えて

14 折り込んだ部分をしつけで止めます

15 表に返して、衿先を整えてから、本くけ

16 裾からくけていった時は、解いた糸と結んで

17 糸を撚り合わせて、たて衿の中に引き込みます

18 片方の出来上がり

19 反対側は、解いた部分から縫い合わせていきますが、最初の4㎝ほどは重ね縫いでスタート

あとは同じようにして、表に返して、本くけして、やっと出来上がり
20 裾のお直しの完成です
表側から

中(裏)は

この長襦袢は二部式です
過去のブログを探していたら、5年ほど前にも裾のやり直しをしていました
今回で2回目の裾切れのお直しだったようです
洋服も和服もメンテナンスが出来ると、工夫して長い間着ることが出来ます
もし手におえなくて、お直しを頼むとしたら
裾を直すのに、何段階も工程があり手間のかかる針仕事だと思ってください
お直しの料金は高めですが、和裁師さんからしたら割りの合わない面倒な仕立てだと思います
お茶の稽古の社中の方で、長襦袢の背縫いが引けたから直したい、どうしたらいいか?と聞かれました
一言では説明出来ないので、半日お付き合いしました
でも半日かけても、2割りほども進まない
とても素晴らしい生地でしたが、仕立てはミシン仕立てと併用
ミシン仕立てだと糸が布に勝って、布が引けるのです
薄い接着芯で補強しながら背縫いのやり直し
それ以上は先に進めずに時間切れ
ご本人もこんなに大変だとは思わなかったと
もうひとりの方は、長襦袢の丈が長いので短くしたい
と、和裁教室に通い始めたものの、簡単ではなくて諦めたと
見よう見まねで出来る人もいれば、手取り足取りしても出来ない人も
針仕事は向き不向きがありますが、やらざるをえない‼️と頑張る価値はあるはず
今回は画像をたくさん使って工程を追っていきました
参考になればいいですが
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昨日から2日続けて針仕事
ベス🐕🦺は私が針仕事していると、出かけないとわかっているらしい

安心して同じ部屋で過ごします
今日も寝たり、外を眺めたり
窓の下からトトさんが声をかけると、いつもだと降りて行きたがるのに、昨日も今日もスルー
(笑)
可愛いベス🐕🦺です