多分昨年の秋に一度着て、裾の傷みにびっくりして、TO DO リストに挙げていた(懸案事項だった)のは、男物結城紬で仕立てた胴抜き袷の着物です
どのようにして お直ししようかと、散々悩んで出した方法は、全部裏を解いて縫い直すという方法です
全部といっても、胴抜き仕立てなので、本当の袷より楽です
手順を後々の為にまとめてみました
① 衿先を15センチほど解く
② 胴裏を見頃にくけてある部分を解く
③ 褄下のくけを解く
④ 背縫い、脇縫い、衽の縫い合わせの5か所の中綴じを取る
⑤ 裾綴じを解く
⑤ 裾芯を外す
これで表と裏が二つに分かれる
コテを当てて八掛けの裾の折などを取った後、痛んだ部分を切り離しました
今回は8分ほど取り除きました
擦り切れてあちこち穴が空いている😱
裏は8分短くなりましたが、表に当ててみると、腰紐を締める位置より上までは丈があるので、この状態で縫い合わせて行くことにしました
もし、ここで腰紐を締める位置より低い位置になる場合は、八掛け(裾回し)と胴裏を縫い合わせてある胴はぎを解くつもりでした
この工程が一番嫌な部分なので、胴はぎをいじらずに済んでホットしました
後は袷の仕立ての順に縫っていきます
日中の細かな時間を拾うようにしてした針仕事なので、三日かかってしまいました
最後に全体にアイロンをかけて完成
来月早速着れるようになりました😊
この胴抜き仕立ての袷は、衣替えした後、まだまだ汗ばむ10月と、袷を着るにはすでに暑い4月によく着ました
この胴抜き袷は、2007年9月に仕立て上がっています
10年はたっぷり着たことになります
紬で多少の雨も気にせずに着ていられるので、京都や奈良もこの紬で歩き回ったし
紬用の八掛けは、表の反物とソリのいい平織りの両駒を必ず選んでいますが、難点は、裾のフキが擦り切れやすいこと
今では移動手段は車となりましたが、川崎に住んでいた頃は、移動は電車か飛行機、駅も空港もかなり歩くので、それだけで裾のフキが足袋と擦れ、摩耗も激しくなります
ここまで擦り切れるほど着た着物は、初めてでした
ほかに対丈コートや長襦袢の裾も同じように擦り切れて、お直ししてきました
着物のメンテナンスは本当に大変だとつくづく思います
残念なことですが、この大変さが着物離れに繋がっていると思います
さて、お直しが終わったこの着物、もう数年着て、次は丸洗いして最初から仕立て直しでしょうか
次は八掛けの色は、同色にするか、好きな赤にするか、八掛けの色を選ぶのも着物の楽しみの一つです