新しいカテゴリーで「感動したー!」シリーズをはじめようと思います。ここでは、柴田が生まれてきて、見たり聞いたり体験したりして、とにかく感動したものを記録に残しておこうと思うのです。
その1として「パパへのレッスン」を紹介します。これは、柴田が学生の頃にやっていたドラマで、非常にマイナーな存在だったので、誰に聞いても覚えていない幻のドラマです。でも、柴田には非常に印象に残って、最高傑作ではないかと思っています。
話の筋は、二十歳ぐらいの若い夫婦の物語で、安アパートが舞台です。駆け落ち同然で結婚した二人は、貧しいながらも楽しい生活をしていました。彼は若い頃からバンドをやっていて、いずれデビューしたいと練習をしながら、ライブホールでアルバイトをしていました。彼女は音楽に打ち込む彼が好きで、彼を支えるために色々な仕事で家計を守っています。
二人は愛し合っていたので、当然の結果として、彼女がおめでたになりました。妊娠した結果、彼女はこれまでのように働けなくなり、彼女の収入で成り立っていた家計は火の車になってしまいます。そこで、彼は考えました。子供が出来て自分がパパになる、家を守るからには収入を得なければならない、音楽の道を諦めようと思いました。
実家に助けを求めれば何とかなるかもしれないのですが、勘当されて出てきた以上、頼るわけにもゆきません。実は彼の両親は教師をしており、学校では優秀な先生でしたが、家庭では自分の子供に構う余裕が無かったのです。これに反発した彼は両親は自分の存在を無視していると思い、相手にしてもらえないと思っていたのです。ですので、妊娠については秘密にしていました。
彼は定職を見つけるために、彼女に内緒で就職面接を受けるのですが、何も手に職が無い彼にはなかなか見つかりません。音楽を諦めた悔しさ、定職にも就けないあせり、これらが彼を苛立たせ、彼女に八つ当たりすることもありました。彼が音楽を諦めたことを知ったとき、彼女は「音楽に打ち込む貴方を好きで信じてきたのよ」と言うのですが、生活の糧を得ることも大きな問題でした。
彼女が母子健康手帳を貰ったとき、今から生まれようとする子供に対する思いを考えると、彼の両親にも妊娠して孫が出来たことを伝えようとしました。しかし、彼はこれまでの自分に対する対応から、両親は自分のことを全く無視しているから、孫の存在も認めないだろうと諦めています。でも、彼女は、彼の母親だけには伝えようと思い、内緒で妊娠したことを伝えたのでした。
これまで、男として夫としてそれなりに頑張ってきた彼ですが、定職も決まらないのに、子供が出来て家庭を守る父(パパ)になることは、とても不安でした。彼女は励まそうとするとのですが、彼はこう言うのです。「女は妊娠出産でママになる。でも男は自分でパパになろうと努力しないとなれないんだ!」彼女は、彼の子供に対する真剣な思いに胸を打たれたのでした。
そんな時、彼の実家から大きな荷物が届きました。中には、彼の母親つまりおばあちゃんからのプレゼントで、赤ちゃんに着せる服などが入っていましたが、その中に彼の母子手帳が入っていたのでした。そこには、彼の父親の几帳面な小さな文字で書かれた、生まれ来るわが子に対する期待と熱い思いが記されていたのです。
これを読んで、彼は自分の父親が自分に対して、どれだけ大きな思いを持っていたのかを知るのでした。様々なわだかまりがあるものの、これから生まれ来る子供におじいちゃんの存在を認めてあげること、自分の父親を許すことで、自分も父親になれるのではないか、そう思った彼は、父親に連絡を取るのでした。
柴田が記すと、ちっとも感動が伝わらないのですが、本当のドラマはとてもとても感動するものでした。今思い出しても、目がウルウルになります。涙で文字が見えなくなったので、この辺でおしまいにします。
なお、上記のドラマの情報は、
JTドラマBOX「泣きたいよるもある」情報 を参考にしてください。