DALAB情報発信用ブログ:OpenCAE+GPGPU+Peridynamics編

DALABで行っている研究活動の中で、OpenCAEやGPGPUや破壊解析の取り組みについてまとめてゆきます。

DEXCS2012-Salomeの有効活用:CFD/Code_Saturneの導入手順(3)

2013年06月23日 12時47分11秒 | OpenCAE活用
この検証では、DEXCS2012-Salome-D1-B1-64を用いていますが、要はUbuntu12.04LTS-64bitと言うわけです。高性能を追求するために、様々なツールを組み合わせて、手動でコンパイルすることも有用ですが、極力手間を省いて単にツールとして使いたい要望もあります。

そこで、Ubuntuのベースであるdebianの特徴である、優れたパッケージマネージャーSynapticを用いて、目的を達成する方法を検討します。

■ SynapticによるCode_Saturneの導入手順

・アプリケーション→システムツール→システム管理→Synapticパッケージマネージャを起動します。

・左上の再読込を押して、パッケージ情報を最新にして、右上の検索より「code_saturne」を検索します。

・検索の結果は、code_saturne ver.2.1.0の関連パッケージが5個+syrthesの1個が見つかります。

※バージョンが2.1.0で少し古いのが気になりますが、まあ簡単に導入できますし、公式サイトにはドキュメントなどもあるので、現役システムとして利用することにします。

・導入は、まずcode_saturneパッケージを選択して、インストール指定にします。
 これにより、6つすべてのパッケージがインストール指定になります。
 同時に、gfortranなど非常に多数のツールが連携して導入されます。

・適用を押してインストールを進めます。結果として46個を追加し3個を更新します。
 多数のファイルを処理するので、しばらく待ちます。

・適用が完了したメッセージが出たら、ツールを閉じて終了です。非常に簡単ですね。

■ パッケージ導入したCode_Saturneの検証

・さて本当に導入されているか、確かめてみます。端末を起動して、code_saturneと打ち込むと、
 何と、以前にコンパイルした時と同じようなメッセージが表示されます。バージョンも2.1.0でした。
$ code_saturne
dexcs@dexcs-edf:~$ code_saturne
Usage: /usr/bin/code_saturne <topic>
Topics:
help
autovnv
compile
config
create
gui
info
run
salome
Options:
-h, --help show this help message and exit
$ code_saturne info --version
code_saturne version: 2.1.0

・次にどこに何が導入されたか、調べてみます。次のコマンドで調べてみます。
 なお、最後の 2>/dev/null は、検索できない部分のエラー表示を省略するおまじないです。
$ find / -name code_saturne -print 2>/dev/null
/usr/lib/code_saturne
/usr/lib/python2.7/dist-packages/code_saturne
/usr/share/code_saturne
/usr/share/pyshared/code_saturne
/usr/share/doc/code_saturne
/usr/bin/code_saturne
/usr/include/code_saturne
/etc/bash_completion.d/code_saturne

・残念ながら例題:examplesはありませんが、文書:docsは/usr/share/doc/code_saturneにあるようです。
$ cd /usr/share/doc/code_saturne; ls
autovnv.pdf install.pdf theory.pdf user.pdf
developper.pdf refcard.pdf tutorial.pdf

■ おまけ

最後に、導入が簡単にできたのですが、そもそもCode_Saturneがどんなシステムなのか、Synapticの説明を翻訳することで調べてみます。

=====【Synaptic説明表示より引用】=====
General purpose Computational Fluid Dynamics (CFD) software
汎用数値流体力学(CFD)ソフトウエア「Code_Saturne」

The basic capabilities of Code_Saturne enable the handling of either incompressible or expandable flows with or without heat transfer and turbulence.
Code_Saturneの基本的な機能としては、非圧縮性または膨張性を持つ流体の流れが解析可能であり、この場合には熱伝達や乱流などの考慮の有無に対応しています。

Dedicated modules are available for specific physics such as radiative heat transfer, combustion (gas, coal, heavy fuel oil, ...), magneto-hydrodynamics, compressible flows, two-phase flows (Euler-Lagrange approach with two-way coupling), extensions to specific applications (e.g. Mercure_Saturne for atmospheric environment).
専用の解析モジュールは特定の物理現象に対応しています。例えば、放射熱伝達、燃焼現象(ガス、石炭、重油…)、磁気流体力学、圧縮性流体、二層流現象(2種類の連携に対するオイラーーラグランジェ手法)、特定応用への拡張(例えば、大気環境を対象とするMercure_Saturneなど)

It runs in parallel with MPI on distributed memory machines.
本システムは、分散メモリ並列計算機上でMPIを用いて並列処理で解析します。

Developed since 1997 at EDF R&D, it is based on a co-located Finite Volume approach that accepts meshes with any type of cell (tetrahedral, hexahedral, prismatic, pyramidal, polyhedral...) and any type of grid structure (unstructured, block structured, hybrid, conforming or with hanging nodes, ...).
開発はEDF R&Dにおいて1997より行われ、有限体積法を基本原理におき、様々な要素(四面体、六面体、三角柱、四角錐、多面体…)や、様々な格子構造(非構造格子、構造格子、混合格子、適合また節点依存…)によるメッシュが利用できます。
=====【Synaptic説明表示より引用】=====

■ Salomeとの連携

これまでに説明した方法では、code_saturneにcreateオプションをつけて実行し、流体解析のケースファイルを作ってから、その中に作られたSaturneGUIを実行することで、Code_Saturneを実行していました。なお直接にCode_SaturneのGUIを起動するには、以下の様にオプションguiをつければ起動します。
$ code_saturne gui

次に、構造解析システムSalome-Mecaで利用したCode_AsterのプリポストシステムSalomeを、流体解析Code_Saturneで利用する方法を検討したところ、どうも、本解説で述べたような、Installerを用いる導入、Synapticを用いる導入では、Code_Saturneの導入時にSalomeとの連携が考慮されていないため、そもそも出来ない事のようです。

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