DALAB情報発信用ブログ:OpenCAE+GPGPU+Peridynamics編

DALABで行っている研究活動の中で、OpenCAEやGPGPUや破壊解析の取り組みについてまとめてゆきます。

製品の安全性について

2006年08月28日 01時05分24秒 | Weblog
最近、工業製品の欠陥が問題となり、事故が起きたり、交換が必要になったりと、安心できない状況が続いている。自分は、直接の製造業に携わっていないのであるが、共同研究などで企業さんとも連携しているので、他人事ではない。
と心配になったので、もしかと思い、手元にあるノートパソコンのバッテリを調べてみると、何と当たりで交換と言うことになった。数年前に購入したもので、運良く見つかったので良かったけど、忘れている例も多いと思う。
人間は神様ではないので、完全なものは出来ない。でも、努力と工夫で、問題の発生を極力0に近づけるようにしている。これまでは、技術者のこのような直向な努力の成果で、日本製品の安全性や信頼性が確保されてきたのだと思う。
しかし、技術者を大事にしない社会、自分の仕事に誇りを持たない人間、全てを動かしているのは経済原理という銭、これらが重なると、これらの日本製品の神話は、簡単に壊れてしまっている。一度壊れた神話を復活するのは、また長い時間が必要だ。
個々の問題に対する対策は色々とあると思うが、柴田が考えると本質的な解決には、以下のような手順が必要だと思っている。
1:日本の製造業を担う技術者を、社会で大事にして、尊敬する
2:期待を担う技術者は、誇りを持った完成度の高い仕事を行う
3:時間や経費よりも、完成度の高さを一番と考える価値観を持つ
どうだろうか?

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1 コメント

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具体的な方策はいかに? (偽先生)
2006-08-31 08:23:42
祝リニューアル再開.

ダンボールハウスなどご活躍の様子が良くわかりました.共同研究の成果が確実に形になっていることに敬服いたします.



私も製造業にかかわるエンジニアとして,ご提案の3項目は共感するところがあります.昨今の特許権費用訴訟がエンジニアの地位を高めるのに役立っているのかもしれませんが・・・



さて,私が身をおくのは,研究現場であり,製造現場の第1線ではないのですが,最近,ちょっと気になることがあります.



MOT(技術のマネージメント)という概念があります.ポートフォリオや製造>消費のチェーンを考慮して,技術を管理してゆこうとする経営的な戦略思考の方法論です.



エンジニアであっても,技術音痴は許されず,企業経営も考慮しながら技術を管理しようとする考え方だと思っています.



そこでよく話題になるのが,コンピュータメーカのD社です.彼らは,自分たちでコンピュータを作っておらず,他社部品を集めて,アセンブリし,自社ブランドで販売するのです.いわゆる,従来のコンピュータメーカのような製造工場はないと聞いています.この独特な経営は,MOT上ではひとつの製造業のあり方であると考えられています.



私の友人にD社のエンジニアもどき?がいるのですが,先日,「コンピュータは,ケミコンの信頼性が大事だよね」と話しても,きょとんとしているのです.コンピュータを仕様書のみで語っているので,そのマザーボードに載っている電子部品としてのケミコン(電解コンデンサ)を知らないのです.



私は,別にケミコンを知っているか,否かを問題にしているのではなく,“もの”(この場合は,マザーボード)にかかわる知識を持とうとし,“もの”を身近に感じながら仕事をしているのかが問題だと認識しています.

また,その“もの”を理解している深さです.



MOT議論の必要条件であると思っています.しかし,その現場知識(基本的な”もの”の知識)が置き去りにされて,戦略的思考が優先しているかのように見える昨今の状況には,危惧を抱いています.

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