あやし小児科医院 第2ホームページ

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はしかの流行

2024-03-15 00:05:32 | ワクチン

 欧州を中心に世界各地ではしか(麻疹)の感染が拡大している。

日本でも、3月8日東京都内で、20代女性の感染が報告された。

はしかは集団の95%に免疫がなければ流行してしまう。

 

空気感染するため、バス、新幹線、建物の中に1人感染者がいれば全員が感染する。

マスクを楽々通過するため、マスクで予防することもできない。

インフルエンザに比べ6〜9倍の感染力がある。

ワクチンをしていなければ100%感染する。

2000年4月2日以降に生まれた人は2回接種をしている可能性が高い。

1972年10月1日から2000年4月1日までに生まれた人は1回接種の世代となる。

1972年9月30日以前に生まれた(今年52歳以上となる)人は、1回もワクチン接種をしていない可能性が高い。

 

■特効薬がない。治療は対症療法だけ

はしかは10日ほど潜伏期間があり、初期症状は普通の風邪と同じで、せきや鼻水、発熱などが出る。

発症3日目くらいから症状が強まり、40度を超す熱が出たり、結膜炎を起こしたり、全身にぶつぶつと赤い発疹が出てきて、1週間ほど続く。

特効薬はないため、治療は高熱が出れば解熱剤を服用するなどの対症療法となる。

国立感染症研究所の資料によると、約30%の患者が合併症を発症し、その半数が肺炎である。肺炎は死亡することがある。

脳炎を起こせば、錯乱したり意識レベルが低下したり、最悪、死に至る。命は助かっても失明することがある。

はしかは全員が重症であり、全員が入院して点滴すべき状態となるが、感染力が強いためどこの病院も引き受けをためらう。(院内感染を起こさないためには、はしか専用病棟を作らなければならない!)

運良く治ったと思っても、はしかに感染して7〜10年ほどで亜急性硬化性全脳炎を発症することがある。これも治療薬はなく、発症後は知能障害や運動障害が進行し、数カ月から数年で死亡する。

妊婦が感染すると、重症化しやすく、30〜40%の確率で早産や流産、死産となる。

 

さらにまずいことに、現在はしかワクチンが全国的に不足している。注文しても入荷しない。

  不足の理由は⇒ 001191165.pdf (mhlw.go.jp)

そこにはしかの流行が重なればコロナ禍の比でない状況になる。