多摩の神社準備室

偽神道家「掃部助」と申します。
旧武蔵国多摩郡の神社を紹介していきます。
一日一社紹介予定!

武蔵野市「八枝神社」

2010年06月30日 | 神社
八枝神社 

鎮座地 吉祥寺本町2-29

祭神 須佐之男命(すさのおのみこと)
    狛狗大神(こまのおおかみ)

例大祭 4月第4日曜

解説 
大正8年(1919)平心講という地元の信仰組織が、
悪疫退散を祈願して埼玉県上尾市平方の八枝神社のご神体を祀った。
八枝神社は江戸時代牛頭天王社といわれ、
御獅子を祀る悪疫退散の神様である。

狛江市の神社概略

2010年06月29日 | 神社
狛江市の神社概略

狛江は古くから開けた地区である。
戦国時代には世田谷の吉良氏、喜多見氏らの支配下にあった。
江戸開府と同時に大名井伊氏や旗本石谷氏・松下氏の所領となった地域が多く、
彼等によって村の開発が奨励され寺社も保護されていた。


これにて狛江市は終了!
明日からは武蔵野市の神社を紹介予定。

狛江市「十幹森稲荷神社」

2010年06月29日 | 神社
十幹森稲荷神社  

鎮座地 東和泉2-16

祭神 倉稲魂命(うかのみたまのみこと)

解説 
文化年間(1818~30)当地の住民が京都伏見稲荷のご分霊を小丘上に勧進した。
かつてこのあたりには当社の他、諏訪神社・熊野神社があり、三山の神として祀られていた。

明治時代、諏訪・熊野は伊豆美神社に合祀され、当社は大正年間に多摩川の堤防工事のため丘の土を使用する事となり、熊野神社の故地に遷された。

なお「十幹森」の読みは「とうかもり」であろうと思われる。
杉並区・品川区などに同じ読みで「東関森」と書く稲荷社もある。
意味は不明のため調査中!

狛江市「水神社」

2010年06月28日 | 神社
水神社 

鎮座地 元和泉2-3180

祭神 水波能売神(みずはのめのかみ)
    小泉次太夫

解説 
もと伊豆美神社のあった位置にある。
天文19年(1550)の多摩川の洪水により伊豆美神社が移転ののち、
慶長2年 (1597)跡地に水神社を祀った。

江戸時代六郷用水を開いた小泉次太夫を合祀している。

狛江市「箕輪田八幡神社」

2010年06月27日 | 神社
箕輪田八幡神社 

鎮座地 西野川2-26

祭神 応神天皇(おうじんてんのう)

旧格式 村社  

別当寺 深大寺

例大祭 10月13日

解説 
小足立村の鎮守。
小足立村は寛永6年(1629)以来伊賀者給地であった。
当社もそのころの成立か?

八幡神社の狛犬

・奉納年 明治22年(1889)
・石工
・願主
・右 阿形 子取り
・左 吽形 子取り
・記事

狛江市「子之三島神社」

2010年06月26日 | 神社
子之三島神社 

鎮座地 西野川1-18

祭神 大己貴大神(おおあなむちのおおかみ) 
    大山祇大神(おおやまつみのおおかみ)

旧格式 村社  

別当寺 千手院

例大祭 9月18・19日

解説 
旧覚東村の鎮守。
かつて覚東村には三島神社と千手院の境内にある子之権現の2つの鎮守があった。
子之権現は北辰妙見(北極星・北斗七星)を祀る社で、文安4年(1447)に創建された。
明治政府の指導により明治4年(1871)三島神社の境内に子の権現を合祀し現在の姿になった。

狛江市「日枝神社」

2010年06月25日 | 神社
日枝神社 

鎮座地 駒井1-1

祭神 大山祇神(おおやまつみのかみ)

旧格式 村社  

別当寺 円住院

例大祭 10月2日

解説 
駒井村の鎮守。
天台宗円往院が鎮守として山王権現社を祀ったのにはじまる。
天台宗の総本山、比叡山延暦寺の守護神は日吉山王権現であることからか?

明治になって日枝神社と改められる。

他の狛江市内の神社同様伊豆美神社の管理。

狛江市「伊豆美神社」

2010年06月24日 | 神社
伊豆美神社 

鎮座地 中和泉3-21

祭神 大国魂大神(おおくにたまのおおかみ)

旧格式 郷社  

別当寺 行宝院

例大祭 9月15日

解説 
旧社名を六所明神といい寛平元年(889)府中の六所神社(大国魂神社)のご分霊を祀る。
天文21年(1552)多摩川の洪水のため当地に移る。
江戸時代領主の井伊氏・石谷氏・松下氏の保護をうける。

別当寺は修験道の行宝院であったが、
明治の神仏分離のおり行宝院慶元は還俗して小町大膳と神職風の名に改め、
(後に大和と称する)当社の祭祀を引き続き行なった。

明治2年(1869)社名を伊豆美神社に変更、
当初村社のちに郷社に列せられた。

小町氏は現在でも宮司を継承し狛江市内の他の神社も兼務している。

境内に石谷貞清寄進の小型鳥居や井伊直弼顕彰碑、お百度標などもある。


石谷貞清寄進の鳥居


慶安4年(1651)造立の市内最古の鳥居。
石谷貞清は島原の乱で功績をあげ、
慶安事件(由比正雪の乱)の当時江戸町奉行の職にあり事件の鎮圧に当たった。


伊豆美神社の狛犬

・奉納年 大正13年(1924)
・石工 溝ノ口石匠 内藤慶雲
・願主 社司小町
・右 阿形 玉取り
・左 吽形 子取り
・記事 内藤慶雲は昨日紹介した岩戸八幡神社狛犬の作者「内藤留五郎」の後継者。
     明治末から大正にかけて作品が見られる。
     多摩市「春日神社」にも作品が残る。
http://blog.goo.ne.jp/admin/editentry?eid=61ec210bc94e3f4f6142ba538563708f

用語説明1「祭神」

2010年06月23日 | 神社
祭神
神社で祭られている神様の事を祭神という。
祭神は神社によって以下の表のように決まっている。
(あるいは祭神によって神社名が決まる)

祭神は一社に一柱という決まりは無く、複数の神様が祭られていたり、
多数の祭神が摂社・末社に祀られていたりする。

神様はそれぞれ微妙にご利益が異なるので、
新田開発などで新たに神社を創建する場合、
どの神様を選ぶか大きな問題になったとも考えられる。

もっとも新田開発の場合は、
祭神の専門性というより「親村の鎮守のご分霊なので祀った」というケースが多い。

また、江戸時代以前は祭神が不明な神社や、仏様を祭神としていたところも多かった。
それらは明治の神仏分離と国家神道成立の過程で整理され、
現在の祭神が定まった。

その中には主祭神が入れ替わったケースもある。
天神様といえば、菅原道真が一般的だが、
調布市の布多天神社や稲城市の穴澤天神社など、
式内社のような古社では、かつては少彦名命が主祭神であった。
それが、明治以降一般的に知られた菅原道真が祭神として加えられる様になった。

また、明治の神仏分離によって厳島神社は弁財天から市杵島姫命へ、
八坂神社は牛頭天王から素盞嗚命へと、
仏教神から記紀神話の神へ祭神が変更されたりした

詳しくは各祭神の説明を参考の事。

多摩地区の神社 祭神の例

神社名  祭神   読み

神明神社・天祖神社・伊勢神社  天照皇大神   あまてらすおおみかみ
八幡神社  応神天皇  おうじんてんのう
稲荷神社  倉稲魂命  うかのみたまのみこと
天神社・天満宮  菅原道真  すがわらのみちざね
八坂神社・津島神社・八雲神社  素盞嗚命  すさのおのみこと
日吉神社・日枝神社  大山咋命  おおやまくいのみこと
浅間神社  木花咲耶媛命  このはなのさくやひめのみこと
白山神社  白山菊理媛命  しらやまのくくりひめのみこと
諏訪神社  武御名方命  たけみなかたのみこと
春日神社  天児屋根命  あめのこやねのみこと
氷川神社  素盞嗚命  すさのおのみこと
住吉神社  底筒男命など  そこつつのおのみこと
熊野神社  伊弉諾命など  いざなぎのみこと
御嶽神社  日本武尊命  やまとたけるのみこと
厳島神社  市杵島媛命  いちきしまひめのみこと
愛宕神社  迦具槌命  かぐつちのみこと
金毘羅神社  大物主命  おおものぬしのみこと

※以上は主な例です。様々な事情により、必ずしも神社と祭神が一致するとは限りません。詳しくは各神社の項を見て下さい。

狛江市「岩戸八幡神社」

2010年06月23日 | 神社
岩戸八幡神社 

鎮座地 岩戸南2-9

祭神 応神天皇(おうじんてんのう)

旧格式 村社  

別当寺 明静院

例大祭 10月4日

解説 
岩戸村の鎮守。
永禄元年(1558)古河公方、足利義氏は鎌倉の鶴岡八幡宮に参拝し社前で大相撲を催し八幡神体を懸賞とした。
岩戸の住人秋元仁左衛門は、主君である世田谷の吉良頼康に従い相撲に参加、
見事優勝してご神体を持ち帰り当社を創建した。
社前に神池があり鯉などが泳ぐ。


岩戸八幡神社の狛犬

・奉納年 明治15年(1882)
・石工 溝ノ口石工 内藤留五郎
・願主
・右 子取り
・左 子取り
・記事 内籐留五郎の作は小金井市「小金井神社」調布市「青渭神社」にもある。

狛江市「白幡菅原神社」

2010年06月21日 | 神社
白幡菅原神社 

鎮座地 猪方2-4

祭神 菅原道真(すがわらのみちざね)
    源頼朝(みなもとのよりとも)
    徳川光圀(とくがわみつくに)
    井伊直弼(いいなおすけ)

旧格式 村社  

別当寺 玉泉寺

例大祭 10月13日

解説 
もと白幡明神といい和泉村小森田に鎮座。
氏子は和泉村、猪方村に分布していた。
明治3年(1870)神仏分離により管轄が別当寺の玉泉寺から伊豆美神社に移動。
それに伴い、当地に遷り猪方村のみの鎮守となった。

菅原道真以外の祭神の由来は不明だが、
井伊直弼はこの地が彦根藩の領地であったためか?

多摩市の神社概略

2010年06月20日 | 神社
多摩市の神社概略

多摩市は丘陵地帯で湧水豊富な谷戸が多く早くから人が住み村を形成した。
そのため式内社小野神社を始め、徳川将軍から朱印地を賜った落合白山神社など、
創建が江戸時代以前にさかのぼる古社も多い。

江戸時代にも新田開発はそう活発には行われず。
大半が幕府開府以来、曽我氏・桑嶋氏などの旗本領であった。

高度経済成長期に大規模な開発と区画整理によって地形が大幅に変わり、
社地を遷さざるおえなくなった神社が多数ある。

なお、多摩市の神社の例大祭は、市の指導でほとんどが9月の第2日曜に変更されている。


これにて多摩市終了。
明日からは狛江市記載予定。

多摩市「八坂神社」

2010年06月20日 | 神社
八坂神社 

鎮座地 連光寺6-18

祭神 須佐之男命(すさのおのみこと)

例大祭 9月第2日曜

解説 
もと当地の萩原家の裏山にあった牛頭天王社だが、
祈祷師の見立てで村内のもっと高い所への遷座を希望するご託宣があり現在地へ遷った。
氏子は連光寺白山神社とほぼ同じで例大祭も同時に行われる。
境内には、明治15年(1882)明治天皇が狩をした際、当地で野立てを行った記念碑がある。
当社は神様も希望したとおり見晴らしの良い高台にあり、
元日には初日の出を拝む参拝者で賑う。

八坂神社の御神木「スダジイ」

目通り3.2メートル
樹高17メートル
多摩市指定天然記念物
幹の穴に白蛇が住んでいるという伝説がある。

多摩市「山神社」

2010年06月19日 | 神社
山神社 

鎮座地 桜ヶ丘4-26

祭神 大山祇命(おおやまずみのみこと)

旧格式 村社  

別当寺 寿徳寺

例大祭 9月第2日曜日

解説 
弘治3年(1557)寿徳寺が開山された時、寺の鎮守として祀った。
その後、寿徳寺三代目守頓坊が伏見より神籠石を持ち帰りご神体とした。
また、寿徳寺の檀家総代、佐伯某が四国大三島の大山祇神社のご分霊を遷し、
寺方地区の鎮守として提供したともいう。