2024年もあっという間に半分終わりですね、と京都出身の人に話していたら、6月30日に食べるお菓子があるんだという。東京では伊勢丹に売ってるから毎年すごい勢いで買いに行くという。水無月というお菓子。東京の人は食べない?と聞かれたが、初耳だった。でも、素敵な風習だなあと思った。
今年読んだ本をちょっと挙げていく。
「ハンチバック」市川沙央
薄い本だけど、、こんなにパンチのある本はおそらく初めて。
ちょっと読むつもりが、そのまま一気読みした。冒頭から、なんだ、これは!!!って感じ。どこまでが本当で、どこまでが創作なの?と思う。これは、文學界新人賞に芥川賞、獲るはずだ。これまでにこんな本なかったし、この人でなくては書けなかっただろう。多様性が叫ばれる現代にこそ、読んでほしい。本当は、分断されてそっち側の世界を見えないようにしている現代人に。
「年収90万円でハッピーライフ」大江扁理
目から鱗。生きにくさを抱えた全ての中学生にも、大人にも読んでほしい。この人の生き方、考え方、全てが仙人だ。これはある種のバイブルとなるだろう。
「梨本宮伊都子妃の日記 皇族妃の見た明治・大正・昭和」小田部雄次
メモ魔だった梨本宮伊都子妃が残した日記を著者がその当時の歴史と見比べながら解説してくれている本。
彼女の生家である鍋島家は今の首相官邸のある場所にあり、嫁家である梨本宮家は今の渋谷駅前(宮下公園あたり)の土地にあり、家の門の周りを歩くと20分かかるというエピソードだけで、どれだけの富が一点集中していたかが、よくわかる。彼女の結婚式のティアラの製作費は、その当時の首相の年収よりうんと高いのだ。
そんな高貴なお人も、戦後は平民となり、数多の財産、土地を手放すことになるのだが、そんな時に、真実の人と成りが判別できるのだなあと思った。果たして、高い教育を受けたこの人は、平民よりも平民であった。著者も若干ディスってるところもあって、面白いので、ぜひ読んでみて。
今年の残り半分は、またどんな本に出会えるのかな♪