4CATS

この平穏退屈な日々にもそれなりに感動って在るもの。

見る美 聞く美 思う美 を読んで

2007-04-22 18:10:07 | 私の読書日記
この本は、画家のバルテュスの妻であり、自身も画家である節子さんが書いたエッセイです。

私はまずこの本の帯にとても惹かれるものを感じ、手に取りました。
坂本龍一さんのコメントで、こうあります。

「ミラノコレクションでごったがえす深夜のホテルラウンジを、着物を纏った比較的小柄な節子さんが歩くと、まるで海が分かれるように金髪モデルたちが彼女のために道を開けるのだった。その美しさにぼくはあっけにとられ、改めてバルテュスという会った事のない男を尊敬するのだった。」


ね、興味が湧くでしょう。。


本の中では、様々な美について節子さんの思うところが紹介されています。

世界的な画家の妻で、スイスのお城みたいな家に住み、娘はジュエリーアーティストで、と彼女の人生は一見非常に燦然と光輝いた満ち足りたものに見えますが、その向こうにはやはり人知れぬ闇もあり、だけど、彼女の生きてきた姿勢が本当に素敵で、真に美しい人っていうのは、こうゆう人のことを言うんだなあ、としみじみ感動してしまいました。

時々、思い起こして読み返したくなる、私にとっては人生の指南書としての大事な一冊になった思いです。