CRASEED Rehablog ニューロリハビリテーションとリハビリ医療の真髄に迫るDr. Domenのブログ

ニューロリハビリテーションの臨床応用を実践するリハビリ科専門医・道免和久の日記【CRASEED Rehablog】

医療としてのリハビリテーションとプロフェッショナリズム講演会

2006-02-26 06:43:55 | リハビリ
徳島プリンスホテルで講演しました。皆さん大変熱心に聴いて下さり、質問も沢山頂きました。ありがとうございました。

診療報酬改訂の不備(医療保険と介護保険の谷間問題)を指摘しますと、それだけで講演時間がいっぱいになりますので、敢えて、原点に戻ろうという主旨で話を組み立てました。

最も強調したかったことは、リハビリ『医療』がQOLの専門医療であり、リハビリマインドをもった専門職でTransdisciplinaryにチームを構成すれば、どんなにお金をかけた先端医療よりも、質の高い医療が実現できること、その基盤に各専門職のプロフェッショナリズムの意識が最も重要であること、さらに、もはやリハビリ医療は病院機能でも必須の普遍的な要素であり、リハビリ医療を削減する医療機関は生き残ることはできないこと、です。

平成18年度の診療報酬改訂が、リハビリテーション医療を必要とする多くの患者さんを切り捨てようとする中で、どうすれば医療機関として患者さんを守ることができるか、これは医療機関の経営問題ではなく、日本の医療そのものの死活問題であることを間接的には主張できたかと思います。

プロフェッショナリズムの定義を知れば、当然のことながら、そこに経済性以前の使命感が必要であることがわかります。国がリハビリ医療を後退させようと方針転換する中、地域医療を支え、リハビリマインドをもって必死に患者さんに向き合う専門職の皆さんの声を聞きますと、リハビリ医療が地域医療の最後の砦であることがひしひしと感じられます。

いのちを切り捨てるような仕事をすべきでないことは、厚生官僚の皆様には自覚して頂きたいと思います。プロフェッショナリズムを取り戻して下さい。自分自身や家族がリハビリ医療を受ける立場になったら、身にしみてわかることでしょう。(当事者にならないと、重要性がわかりにくいのが、リハビリ医療の特徴でもあります。)