音と文明―音の環境学ことはじめ ―岩波書店このアイテムの詳細を見る |
著者の大橋力と芸能山城組の組頭の山城祥二は同一人物。(今年は25年ぶりに芸能山城組のケチャ祭りに行きたいと思っています。)
大橋力氏は、私も留学していたATR研究所で音楽と脳の研究をプレゼンしていました。そのときの話では、PETなども動員した研究で、22kHz以上の高周波成分を含む音楽を聴くと、聴覚野と大脳基底部の情動を司る部位が同時に刺激され、快感時に発生するアルファ脳波が検出されます(=ハイパーソニック効果)が、可聴域成分のみでは、アルファ波は発生しないそうです。
実は、CDは20kHz以上の高周波成分をカットしてあるので、ハイパーソニック効果が得られないというのです。これが本当だとすると、「どうせ聴こえないから」と耳はだませても、脳はだませなかったということになります。
追試の研究などがあれば良いのですが、賛否両論のようです。でも、LPレコードのアナログ時代の感動が、CDでは得られないのは、個人的には事実です。別の要因は確かにあるでしょうが、無限に天まで続くような倍音は、CDではどうしても聴こえないのです。