CRASEED Rehablog ニューロリハビリテーションとリハビリ医療の真髄に迫るDr. Domenのブログ

ニューロリハビリテーションの臨床応用を実践するリハビリ科専門医・道免和久の日記【CRASEED Rehablog】

療法士の待遇改善

2006-02-23 08:33:15 | リハビリ
療法士の給与を、訓練単価×単位数×日数で計算するようなことは、やめるべきです。

以前にも申し上げましたが、STが国家資格になる前、診療報酬も安く、誰もペイさせようなどとは思わなかったわけです。しかし、失語症、構音障害、嚥下障害、高次脳機能障害など、その職種が【医療にとって必要だから】心ある病院は赤字部門でも雇用していました。

ところが、診療報酬がPT、OTと横並びになった途端に、人件費分稼いでいるか、という採算性の波がSTにも及んだと思います。

病院は総体として医療を提供する使命をもった施設であり、医者だけでなく、受付も事務も検査も看護師も療法士も全てが医療を担っているのです。特定の誰かが【水揚げがいくら】だから、という【業務評価】をすることが【悪平等】を防ぐと医療経営コンサルタントの言うなりに、支離滅裂な【業績評価】を導入して給与査定をする病院が増えていますが、本当にそんな計算で良いのか、医療のプロとしてよく考える必要があるのではないでしょうか?

『診療報酬上、稼いでいない』職種を解雇したときは、病院が倒産するときです。
急性期、回復期、訪問でのリハビリ部門は今後も赤字にはなりませんが、療養型や外来では非採算部門になります。非採算だということで、リハビリを辞めると決めた日が、病院の終わりの始まりに日になるでしょう。

患者さんがADL上どんどん元気になる効果、廃用症候群を作らずに転倒を防止でき、早期に退院できる効果、嚥下リハビリで誤嚥性肺炎にならない効果、目に見えない患者さんの満足・・・そういう間接効果、質の評価を認めることができるかどうか、が、病院経営分析には最も重要な時代になったと考えます。

事務部門がなければ、病院が動かないのと同様に、病院機能の中では、救急とリハビリはOSに相当します。OSがないコンピュータは、いくら高価なアプリケーションソフトを買っても動きません。