CRASEED Rehablog ニューロリハビリテーションとリハビリ医療の真髄に迫るDr. Domenのブログ

ニューロリハビリテーションの臨床応用を実践するリハビリ科専門医・道免和久の日記【CRASEED Rehablog】

iPodとSteve Jobsの時代

2006-02-12 15:17:01 | Macintosh/Steve Jobs
Apple iPod 60GB ブラック [MA147J/A]

アップルコンピュータ

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ついにビルゲイツがiPodに白旗?というわけでもないでしょうが、iPodの素晴らしさを賞賛し、iPodに追い付くべく商品開発を進めるとのコメントを出したそうです。
もともと、マイクロソフトの社員たちもiPodを愛用しているそうですから、いつまでもiPodを否定することはできなかったのでしょう。

CD何百枚がこれに入ってしまう便利さやiTuneとのシンクロナイズの素晴らしさ、そして、iTune Storeの手軽さと安さなど、この分野でのAppleの優位は今後も変わらないと思います。

ユーザーに命令したり、OSを継ぎはぎだらけにさせたり、良質なソフトをマクロソフト以外では動かないようにする戦略ではなく、最初からユーザーフレンドリーに徹すれば良かったわけです。

医師の心得 自信過剰の危うさ

2006-02-12 06:29:00 | リハビリ
医師国家試験当日までには、医学の中で知らない知識は全くない、と思えるくらいに徹底的に勉強すること。

そして、研修医になったら、自分は本当は全く何もわかっていないことに早く気づくこと。そして、医学の中で確実なことは何一つないことにも。(以上は、医学部生時代の某教授の受け売りです。)

さて、優秀な医師は2年目の半ばから、普通の医師でも4年目くらいに陥るのが、自分の力に対する万能感(=自信過剰)。私はこれが最も危険だと思います。

検査データや診察結果から、毎日ビシビシ出される治療方針にスタッフの信頼も厚く、自分自身も酔いしれているのですが、そのような医師の周辺にはなぜか急変が多い。急変にはもちろん的確に対応するので、オーベン(直属の上司)からも信頼され、さらに自信過剰に。

こういう医師は、人間の全パラメータを自分でコントロールできると勘違いしていますから、いじりすぎてしまうんですね。結局、不必要な治療をして自ら悪い結果を招いているわけですが、いつまでも気づかない。不明な状況が発生しているのに、謙虚さがないからわからない。教養はないが知識はあるから、自分の理論で巧妙に説明できてしまう・・・ということです。

これは医師に限らず、療法士にも見受けられますので、注意が必要です。

論理的に決めつけて方針を出す医師よりも、日々、どうすれば良いかを柔軟な頭で悩む医師の方を信頼すべきです。

医学、医療の世界、本当はわからないことだらけです。毎日、患者さんから教わることばかり、毎日が新たな発見、という感覚をもつことができると、ようやく普通の医師になれると思います。

今回の入院の契機となった症状に関連することと、以前からずっと存在していた異常とを分けて考えていますか?いきなり全てのパラメータを「正常化」しようとしすぎていませんか?

余命やQOLを含めた患者さん全体の中で今のあなたの治療の占める部分を客観的に評価できていますか?

「私の経験では」の「経験」が、実は1~2例だけ、とうことはないですか?

昨日読んだばかりの論文を根拠に、決めつけた言い方をしたり、治療方針を決定していませんか?

自分の治療方針だと思っていることが、実は先輩や優秀なスタッフのちょっとした助言に依存していることに気づいていますか?

患者から学ぶこと、謙虚であること、無知の知・・・・そういうことに気づけば良い医療者になれるような記述は、すでに無数にあります。もはや、こういう思考ができない人は、医療者としての資格がない、というくらいに考えるべきではないかと思います。