健康塾通信

皆様がより健康であるための情報やご家庭でお手軽にできる健康法をお伝えいたします。

リンパの日

2023年06月30日 17時13分07秒 | Weblog

リンパの日

 

今年も今日で半分が終わります。

 

また、きょうは「リンパの日」でもあります。

 

一般社団法人日本リンパ協会が制定しました。

リンパの流れが悪いと身体がむくみやすくなることから、

「む(6)くみ(3)ゼロ(0)」と読む語呂合わせになっています。

特に梅雨時はむくみやすいのでこの日が選ばれたということで

正しい生活習慣やケアによってリンパの流れを改善し、美と健康を促進することを目的としています。

 

それでは、本日はリンパの日でもありますので、リンパ浮腫の合併症でもある

「蜂窩織炎」についてお伝えします。

実は最近、知り合いが自然原因で蜂窩織炎を発症したとお聞きしました。

蜂窩織炎の原因は主に2つありますが、

傷口から黄色ブドウ球菌や連鎖球菌などの細菌が入り込むことで起こる

自然原因

乳がんや子宮頸がんなどの術後に起こりやすいリンパ浮腫による「病的原因」があります。

 

特徴は何れも、高熱と赤い斑点や広い範囲で発赤と腫れが有ります。そして、この炎症を

きっかけに浮腫の悪化に繋がります。

リンパ浮腫の方は、即座にリンパドレナージや弾性着衣も中止します。

熱で赤くなった患肢や鼠径部の動脈拍動部を冷やし、抗生物質を服用して応急措置をしますが

出来るだけ早く病院を受診してください。

 

リンパ浮腫にとって患肢の怪我や虫刺されなどの他

膀胱炎や口腔内感染から細菌の侵入が蜂窩織炎を招くこともありますので

くれぐれもご注意ください。

尚、梅雨時は蒸し暑さなどで皮膚炎も起こしやすくなるようです。

リンパの日に、再度皮膚の手入れをしながら良い皮膚環境を

心掛けてみましょう。


頭を柔らかく

2023年05月31日 15時33分32秒 | Weblog

 

横浜公園

こんにちは

ゴールデンウイークから始まった5月はいかがお過ごしでしたか?

ようやくコロナは医療に関する法律上5類感染症に位置付けられましたが

まだまだマスクの着用者は目立ちます。

しかし、これまで自粛していた人の流れも増えて観光地など活気づいて来ました。

山下公園

春から初夏は百花繚乱、次々に鮮やかな花が咲き新緑の季節でもあります。

 

さて、過去のブログで『脳』の話を取り上げてきましたが、2022年3月24日

「脳の健康」で脳の『可塑性』のことを書きました。

 

私は以前、脳科学を学んだ時に最も驚いたことでもあり人間の可能性に

希望が膨らみました。

 

世間では「頭が固い!」というのは頑固と言う意味で使われています。

 

からだにとって強いストレスは健康を害することが多いのですが

実は適度なストレスは脳にとって大切な柔軟剤になるといいます。

 

「可塑性」とはプラスティシティー(plasticity)といい

プラスチックと同じ語源だそうです。

そこで、時には新たな旅や日常での発見や出会いなど

また、五感を刺激する景色や自然、植物などに触れ合う事も

脳の変化に大きな役割となります。

今年は、季節の進むのが早いため、大輪のアジサイもカラフルな色を

つけはじめています。

 

「年齢と共に頑固になった。」と言われぬよう頭を柔らかく

日々ワクワク体験ができるよう楽しもうと思います。

 

 


清明の頃

2023年04月10日 18時12分18秒 | Weblog

こんにちは

今年は季節の進みが早いと言われ、桜の開花も早く入学式には葉桜が目立っていたところもあったかと思います。

今月5日は二十四節気の一つ清明でした。草木がいっせいに花や若葉を広げる頃と言われ

桜から、色とりどりのチューリップも見頃になりました。

先月のブログで五行の配当の一部をお伝えしましたが

五行の中には「五色」もあります。

五臓 ・  五季 ・ 五色

肝 ・・  春 ・・ 青

心 ・・  夏 ・・ 赤

脾 ・・  土用・・ 黄

肺 ・・  秋 ・・ 白

腎 ・・  冬 ・・ 黒

また色が与える印象もあると思います。

例えば、白は清潔感・赤は情熱・青は誠実、爽快感・緑は安定、安らぎ・黄は元気、警戒

黒は重厚感、威厳など

 

私たちは目でみた情報が大脳皮質で処理されますが、美しい花々の色や香りなどは

五感を癒し心への影響も大きいことがわかってきています。

是非、この時期に花々を愛でる機会を作って出かけてみませんか?

 

新年度も始まり、街も活気づいて来ました。

 

ガーデンネックレス横浜


春の便り

2023年03月19日 16時29分58秒 | Weblog

おかめざくら

こんにちは。

あちらこちらで桜の開花便りが聞かれる頃となりました。

「春和景明」まさに今日のような穏やかな春の日差しが明るく

「桃紅柳緑」とうこうりゅうりょく・くれない色の桃の花と緑鮮やかな柳の葉など

春は美しい色どりの景色を楽しませてくれています。

 

今回は「春」をテーマに五行理論の系統的に分類した配当の一部をお伝えいたします。

漢方医学では西洋医学で考えられるような解剖学で実証された臓器自体と違い

臓腑を独立したものととらえずに臓と腑は互いに連結、制約しあいながらも

総合的な働きをしていて、密接な表裏関係を持つと言われます。

そして、体内外との関係もあります。

例えば五臓を五行や季節などの配当した場合

五臓(肝・心・脾・肺・腎)

五腑(胆・小腸・胃・大腸・膀胱)

五季(季節の配当、春・夏・土用・秋・冬)

五悪(五臓の嫌う外気の性質、 風・熱・湿・燥・寒)

五志し(感情の所属、激しい怒りは肝を傷つける、怒・喜・思・憂・恐)

五味(味覚の所属で五臓の求める味、過食は害、酸・苦・甘・辛・鹹かん塩辛い

五主(五臓から栄養を補充するもの、筋・血脈・肌肉・皮・骨)

五支(五臓の精気が発するところ、爪・毛・唇・息・髪)

鎌倉彫

このように

五臓は気象や四季の変化に適応していて、に通じ、険悪な気象現象は

更に肝はとその運動のすべてに統率者となり筋骨の痛みなど筋すべての症状は

肝の病変の現れとされる。また、「肝は血を蔵す」と言われて、身体の血量を調節する

働きがあり、血が不足するとが柔らかく薄く、色は淡白でつやが無くなるので、

肝の健康状態を知ることが出来、さらにとも関係しています。

これら、東洋医学基礎編 学習研究社発行より一部抜粋、改編しましたが

臨床にそのまま応用するのではなく、治療上の示唆を得ていると言われてます。

玄関飾り

ところで、昨日は雨の一日で気温もかなり下がりましたが

「春寒料峭しゅんかんりょうしょう」と言われるように、寒さがぶり返すこともあります。

もうすぐ彼岸ですが、春は気温差にも気をつけたいと思います。

 


猫のような柔軟性

2023年02月22日 18時17分29秒 | Weblog

街角より 

 

19日は24節気の雨水の日、我が家もたまたまお雛様を飾りました。この日に飾ると良縁に恵まれるといわれているそうです。

実は、雨水と知らせてくれたのは新潟の友人の近況メールでした。

新潟の雪もこの日の午後には雨でほとんど消えたということでした。

私がお雛様を飾り終えた頃で偶然の一致だったのです。

ところで今日は『2月22日、猫の日』近頃、道を歩く姿や陽だまりのお昼寝姿などほとんど見かけなくなりました。

街角のウインドウで

我が家には以前

16年寄り添った猫ちゃんがいましたが、とても温かくベルベットのような感触に癒されました。

11歳記念

そこで、猫ちゃんを思いつく言葉で表してみました。

モフモフ・ツンデレ・柔らかくしなやかな動き・良く寝る・丸くなる・舌がざらざら

ストレッチのポーズや片足上げのポーズが上手・狭いところが好き・すり寄る

紙をクシャクシャにする音が好きで、敏感・動くものを追いかける・ジャンプ力がある

身体を密着する入れ物に合わせて自在に体の形を変えることが可能

等々まだまだたくさんあると思いますが。。。。。

 

身体を密着する入れ物に合わせて体の形を変えることでは

驚きと笑顔を誘いますね。

「猫は固体であり液体でもある」というフランスの物理学者、マーク・アントワン・ファルダン氏の学説で

2017年にイグ・ノーベル賞を受賞して話題になりました。

材木座海岸で

そして、身体の柔らかさ故、ケガも少ない猫ちゃんなのですが

これは私たち人間にも「柔軟性」は重要です。

厚労省のヘルスネットでは、

*体力の一要素であり、筋肉と腱が伸びる能力のこと

*動きのしなやかさだけでなく、傷害の予防などにも関係する。

*柔軟性は、筋力・瞬発力・持久力・調整力とともに

基本的な運動能力のひとつとされています。

 

そして、ストレッチや関節運動をすることで柔軟性が増し

*血行の促進、肩こりや腰痛、体の冷えの改善

*筋温や体温を高める

*筋肉痛を予防することが可能

*リラクゼーションの効果など

 

最近は三寒四温と寒さはまだ続きますが、寒くて硬くなりがちな身体を

少しずつ動かしながら、こころもからだも柔軟に過ごしたいものです。

 

短い2月はさらに足早に過ぎていますが、次回は3月に更新いたしますので

どうぞ宜しくお願い致します。

犬のノアちゃんのお尻に注目!(猫の顔が⁈)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


リンパ浮腫の複合的治療②

2023年01月28日 06時51分41秒 | Weblog

逗子から

1月も終わりに近づきました。

寒波襲来で先日はベランダの植木ばちの受け皿にうっすらと氷が張りました。

これからが本格的な冷え込みがやってきますね。

どうか防寒対策をしてお出かけください。

では、前回に続きリンパ浮腫の複合的治療の中の

MLD(マニュアルリンパドレナージ)について

セルフドレナージの基本のポイントをお伝えします。

 

リンパ液は皮膚の表面近くに流れていますのでご自身の手をドレナージする

腕や脚に乗せて、その重さを使って皮膚をずらしていきます。

今回は脚の浮腫を例に致します。

①先ずはリンパ液の吸引効果を良くするために最終出口である鎖骨の周りの筋肉を動かします。

肩をゆっくり後ろに10回前に10回まわします。(肩関節を回すことでその周りの筋肉、大胸筋や肩甲骨・背中の筋肉が動きます。)

腹式呼吸を5回~10回行います。

両手を下腹部に乗せ息を吸ってお腹に十分空気を取り込み口からゆっくり吐き出します。

こうして腹筋を動かすことは腹部の深いところにあるリンパ節などを刺激してリンパの流れを良くするためです。

③浮腫のある脚と同じ側の腕の脇の下にある腋窩リンパ節をゆっくり10回以上、円を描くようにずらします。

 

この①~③まではセルフドレナージの時には必ず行います。

これは健康な領域にリンパを液を流すためで、脚の付け根にある鼠径リンパ節には流さず

体側を通って腋窩リンパ節に誘導するためのルートになります。

 

④腋窩から腰まで左右の手のひら一つずつ位置をずらして腰の横までの体側の道のりを

皮膚をずらすように腋窩に向けてドレナージします。

⑤この過程を経て、浮腫の脚のドレナージも腋窩方向に脚の上部から足先までの道のりを

行います。

ポイントは手のひらを皮膚に密着するように

円を描くように。優しく、ゆっくり。手の重さで皮膚をずらしながら流し(リンパ液)ます。

 

過去の投稿ですが、2020年11月15日骨折の経過記録⑤セルフケア(私自身の骨折の時のケアです)参考まで

宜しくお願い致します。

 

では今日も無事故で素敵な週末をお過ごしください。

 


リンパ浮腫の複合的治療①

2023年01月20日 06時38分58秒 | Weblog

 

きょうは大寒、二十四節気の最終節です。

今年はお正月が暖かい日が続いたこともあり一層肌寒さが感じられます。

 

昨年12月、「リンパ浮腫」の投稿をしましたが本日は治療法である「複合的治療」について

お伝えいたします。

 

標準化された複合的治療は以下の4つの内容があります。

  • スキンケア
  • MLD(マニュアルリンパドレナージ)
  • 弾性着衣(弾性ストッキング・スリーブ)・多層包帯法による圧迫
  • 運動療法(圧迫下によるもの)

まず初めに

  • スキンケアについて

以前にもご紹介していますので重複しますが日々の大切な習慣として

更に冬の乾燥時期でもありますので追記いたします。

 

スキンケアの目的は四肢の清潔保持と保湿によって皮膚の状態を良好に保つこと

また、損傷から皮膚を守ることを基本としてセルフケアとして指導しています。

 

使用する保湿剤については統一されていませんが、乳液タイプやクリーミーで

皮膚に塗りやすく香料など刺激の強い物は避けた方が良いと思います。

皮膚軟化薬で手指や足の指の間など隣接した部分も丁寧にケアします。

また,皮膚の損傷(切傷、火傷、虫刺され、ひび割れなど)を避けることや、

紫外線から守るために患肢の露出をしないなど日常生活で皮膚を守ることが大切です。

 

そして日々のスキンケアは、直接ご自身で四肢に起きた異変(傷・発疹・熱感)を早期に

見つけることも出来ます。

 

次回はMLDについてお伝えいたします。

 

それでは、きょうも健やかにお過ごしください。

 

 

 


人生100年時代

2023年01月01日 08時13分54秒 | Weblog

七里ガ浜の日の出

明けましておめでとうございます。

今年も皆々様が益々健康で笑顔あふれる年になりますように

心よりお祈り申し上げます。

さて、世界の長寿国と言われる我が国も平均寿命が右肩上がりとなっていて

2050年には女性の平均寿命は90歳を超えると予測されています。

 

まさに「人生100年時代」という言葉が現実的な響きになっています。

この超高齢化時代をどう生き抜くか、これは一人一人の課題になって参ります。

ご存知のように「健康寿命」は健康上の問題で日常生活が制限されることなく生活できる時間のことですが、

やはり大事な基本は心身共に「健康」であることです。

 

特に老後に求められるのは元気で自分のできることで社会の中に参加することや

何か生きがいを持つことも大切だと感じます。

そこで本年最初の投稿は「人生100年時代」のタイトルに伴い以前にも取り上げました

『養生訓』を抜粋してお伝えいたします。

『養生訓』で知られる貝原益軒先生は、この書を1713年当時83歳で書き記し翌年に流布されたと言われています。

 

その一節から「気から百病生ず」では、中国最古の医学書『素問』の

れば気上がる。べば気緩まる。しめば気消ゆ。るれば気めぐらず。

ければ気閉ず。ければ気泄(も)る。けば気乱れる。すれば気へる。

えば気結ぼうる。】を引いて、

すべての病はみな気から生ずる。それゆえ養生の道は気を調整することが重要である。

調整するというのは気を和らげ平らかにすること

また、総論の別項目から引用して、気を養う道は動と静を時に応じて実行することが気を養う道。

そして、楽しみをうしなわないことは養生の根本と書かれています。

この養生訓はご入滅二年前に記された後世の人々に残された遺言とも言われています。

長寿長生が単なる有機体の一物として長く生きることではなく、真の人生の楽しみを示された訓えとして今後もご紹介したいと思います。

私はこれから人生100年を生き抜く知恵としても養生訓は大切な基本にして参ります。

 

では、健康塾通信を本年もどうぞよろしくお願い致します。

 

2023年うのとし元旦 健康塾主宰 古賀公子


今年の私の漢字

2022年12月31日 03時56分22秒 | Weblog

七里ガ浜

 

2022年大晦日を迎えました。

この一年を振り返り皆様は健康な毎日をお過ごしでしたか?

文学館

 

まず、「健康」の定義を確認してみるとWHO憲章の前文(1947年に採択)において

「健康とは、病気でないとか、弱っていないということではなく、肉体的にも、精神的にも、そして社会的にも、

すべてが満たされた状態にあることをいいます。(日本WHO協会訳)」

 

私は、この定義の三本柱である、肉体と精神と社会すべてに3年目の「コロナ」が及ぼした影響は大き過ぎると感じます。

みなとみらい

12日、今年の漢字「戦」の発表がありましたが、私の漢字は『癒』癒やしとしました。

特に日々の生活の中で求め感じることで自身の健康のバランスを保つ素となっていました。  

 

きっとそれぞれが「癒」を求める手段も感じ方も様々で多岐にわたると思われます。

例えばスポーツや芸術・映画鑑賞、旅行、温泉、マッサージやエステ、散歩、気の合う仲間とのおしゃべりやお食事・喫茶など、

これらの方法でストレスを解消して疲れをリセット、心を開放して元気になることも「癒やし」の一部となるのではと思います。

 

ところで、漢字のなりたちが気になり調べてみました。 

『癒』の漢字は部首がやまいだれで、人が寝台で寝ているさまを表しているそうです。

癒の「疒」やまいだれの中には愈ユがあります。

兪とは、まさる・すぐれる・ひいでる・ いえる・いやす・病気が治る・ いよいよ・ますます・一層という意味があります。

そして、「心・こころ」もあります。

 

癒の病気が治るという意味から「病」の「疒」やまいだれの中には丙(へい、ひのえ)があります。

丙は、十干の一つで陰陽五行の火行のうち、陽の火をあらわしています。

自然界では、明るく輝く太陽に例えられ、万物全てに分け隔てなく光や熱を与えていく

性質があるということで、この意味合いから病にも光や希望が与えられているように感じます。

材木座海岸

さて、今年最後のブログでご紹介した写真は、この一年私が最も癒やされたもので

空の雲・富士山・海・植物・動物・夕景からの一部でした。

今年も「健康塾通信」をお読みくださって大変ありがとうございました。

どうぞ一年の疲れを癒やして

来年も良いお年をお迎えくださいますよう心よりお祈り申し上げます。

 

また来年も宜しくお願い致します。

 

江の島の夕景

 

 


リンパ浮腫②

2022年12月20日 06時27分20秒 | Weblog

おはようございます。

昨日は新潟の知り合いから雪の写真が届きました。

雪国は厳寒の毎日、雪かきなど難儀すると思います。どうか雪道でもお怪我などしないようお気をつけください。

 

では早速、リンパ浮腫の症状の悪化や炎症などを防ぐための注意点を

お伝えします。

山下公園前のイチョウ並木

*怪我・切り傷・やけど・虫刺されなどの外傷に注意。

*爪は深爪にならないよう手入れはまめに、やすりなど安全な方法もあります。

 特に下肢の浮腫が進むと巻き爪になることが多いので、専門医に相談することも大切です。

*家事仕事は危険もありますので、揚げ物調理・アイロンかけ・買い物での重たいものを

 長時間持たないように、また庭仕事なども手袋をして手指の負担にならない工夫を。

*旅行の移動も同じ姿勢を長時間とることは避け、温泉・サウナなども長い温浴は注意する。

*スポーツでもボール競技など瞬発的な力や動きが伴うボール競技にも注意する。

*冬場のカイロやあんか、ホットカーペットなど部分的な長時間の使用に注意する。

*皮膚の乾燥や紫外線を避け、日々のお肌のケアとして清潔・保湿を心掛ける。

*疲れすぎにならないよう休息し、下肢の浮腫には少し脚を上げるくらいの傾きをつけ、

上肢の浮腫ではクッションなどで腕を楽にして良い睡眠がとれるよう工夫をしましょう。

*浮腫にとって肥満は大敵ですからバランスの良い食事の工夫で食べ過ぎに注意する。

*皮膚の表在にある毛細リンパ管を部分的に圧迫することはリンパの流れを妨げるので避けなければなりません。

 きつい衣類や下着、靴などの締め付け腕時計や指輪などの部分的圧迫も患肢には負担になります。

*病院等での採血、血圧測定、ワクチンの接種も患肢では行わないように。

*万が一、皮膚に赤い斑点・発赤があり発熱などの異常が出た時は、リンパ浮腫の増悪に繋がりますので速やかに受診しましょう。

 応急措置として発赤や腫れや痛みを感じる所を冷やすことも忘れずに、かかりつけ医を持つことが安心かと思います。

 

リンパ浮腫は一度発症すると、生涯お付き合いすることになります。

日常生活の中で様々な注意するポイントを心掛けながら、より快適な日々を

お過ごし下さいませ。

 

では、今日も無事故で良い一日を

葉山にて


リンパ浮腫①

2022年12月18日 08時50分24秒 | Weblog

朝晩の冷え込みが一層厳しく感じられるようになりました。

新型コロナの感染が世の中を狂わせてから今年も収束を見ないまま

年越しになります。そんな中でも街はクリスマスの装いに変わり

日暮れが近づくと色とりどりの灯りが気分を盛り上げてくれています。

 

今年も沢山の皆様に「健康塾通信」の頁を開いていただきまして

心より感謝申し上げます。

治療師として振り返ると

1984年鍼灸マッサージ師の資格を取得して1994年(平成6年)8月開業、

その年の10月にはじめての「リンパ浮腫」の患者様とご縁を頂いてから今日まで

複合理学療法(現在は複合的治療と呼びます)というリンパ浮腫の治療を中心に行って参りました。

 

リンパ浮腫は下に記す『原発性』と『続発性』に分類されます。

原発性・・先天性の要因によるリンパ浮腫

続発性・・後天的な原因によるリンパ浮腫

私たち治療師は主に続発性リンパ浮腫の患者様の治療になります。

乳がんや婦人科がん、直腸がん、前立腺がんなどが

原因となって乳がんではリンパ節を切除した方の上肢、婦人科がんでは、下肢に発症しています。

特に手術による放射線治療や化学療法の有無によってもリンパ浮腫の原因や

誘因となりうることもあります。

がんの治療や手術を無事に終えた方々が、2000年以前はリンパ浮腫に関して

手術前や手術後に個別に説明や指導管理などを受けることがなく、2008年に

厚労省からの「リンパ浮腫指導管理料」として算定が認められるようになりました。

 

これに基づき保健医療機関は入院中か退院後の1回、医師・看護師・理学療法士

等何れかがリンパ浮腫の重症化を抑えるための指導を実施しています。

私の患者様の浮腫が始まったきっかけは、引っ越しや季節の衣類の入れ替えや整理

などによる過労や旅行などによる乗り物など長時間の移動なども思い当たるようでした。

 

浮腫の始まりはゆっくりと進行していきますが

上肢の患者様では、手のけがから手首より下から浮腫が始まり結婚指輪が外せない状態で

来院されました。

この時は直ぐに近くの消防署で指輪の切断に行ってもらい、その後から治療をスタートしたこともあります。

大切な指輪ですから、

消防署の方からは切断後、修復してくれる業者の情報を渡されて安堵していました。

 

下肢の患者様では、正座が出来づらくなって気が付いた方もいらっしゃいましたが、

特に長時間の正座は本来婦人科がんの術後はさけなければなりません。

 

このほか術後の生活で気をつけたいことは多々ありますが、一度リンパ浮腫が発症して慢性化すると

生涯にわたって生活に支障が出てきます。

医療機関での手術前後の指導を守ることでいつの間にかリンパ浮腫にならないことが大切なことだと思います。

 

それでは次回、日常生活の注意点をまとめてお伝えいたします。

 

今日も良い一日になりますように


ツボ(経穴)は何処に?

2022年12月07日 07時11分10秒 | Weblog

おはようございます。
師走に入り、一層冷えて参りましたがお元気にお過ごしでしょうか?

ここ2.3日が特に真冬の気温でしたし、空気も乾燥していましたね。

私は先週インフルエンザの予防接種を致しましたが、今回は肘から四横指くらい上でした。

3日ほど赤く腫れあがり、熱感もあり冷湿布をしていましたが、4日目のきょうになり

若干の痛みはありますが気にならなくなりました。

年明けには5回目の新型コロナワクチン接種の予約も終わり、接種後の副反応も

考慮しながら休息日をもうけています。

さて、前回ツボの歴史をお伝えいたしましたが経穴(ツボ)は主にどんなところにあるか?

解剖学的にはその多くが、関節部・筋溝・動静脈幹の分岐点・神経幹の通路など

例えば腕を曲げ伸ばしする肘関節には前面に4つ、後面に3つのツボが横並びしています。

そして、軽く腕を曲げた時、肘から下の筋肉の盛り上がったところや筋肉や腱の谷間などにもツボが点在しています。

これらのツボが、病などの原因で病態変化を起こして、痛みやコリとなって皮膚に現れます。

臨床経穴図・医道の日本社より引用

またツボを取る時、手首など身体の解りやすい部位から指の幅で取穴する方法が簡単で、主に用いられています。

私が、先ほどインフルエンザ接種をした場所を肘から四横指と書き留めましたが

ちなみに手の母指を除く4指の巾を3寸

手の第2指(人差し指)から第4指(小指)までの横巾を2寸

親指の横巾を1寸としてこれを同身寸と言われています。

 

そして、このツボとツボを結んだ通路を経絡と呼んでいます。

古代中国では、気血の通路(脈管)として定められていて、

通常12本の正経(経脈)と2本の奇経(任脉・督脉)をさして14経絡と言われています。

専門的になりますが、ここで正経と奇経の名前を列挙致します。


正経

①手の太陰肺経  たいいんはいけい
    ⇩
②手の陽明大腸経 ようめいだいちょうけい
    ⇩
③足の陽明胃経  ようめいいけい
    ⇩
④足の太陰脾経  たいいんひけい
    ⇩
⑤手の少陰心経  しょういんしんけい
    ⇩
⑥手の太陽小腸経 たいようしょうちょうけい
    ⇩
⑦足の太陽膀胱経 たいようぼうこうけい
    ⇩
⑧足の少陰腎経  しょういんじんけい
    ⇩
⑨手の厥陰心包経 けついんしんぽうけい
    ⇩
⑩手の少陽三焦経 しょうようさんしょうけい
    ⇩
⑪足の少陽胆経  しょうようたんけい
    ⇩
⑫足の厥陰肝経  けついんかんけい


奇経

任脈 にんみゃく  督脈 とくみゃく

以上、今回は経絡の簡単なご紹介でしたが、また個々の経絡などの説明も出来たらと思います。

それではこの辺で。

今日も良い一日をお過ごしください。


経穴(ツボ)の歴史

2022年11月23日 09時37分56秒 | Weblog

 

円覚寺

きょうは「勤労感謝の日」、勤労をたっとび生産を祝い、国民互いに感謝しあう日ということです。

全てに歴史があるように、今回のテーマの経穴も太古の生活の中から生まれたものです。

現在、鍼灸(はりきゅう)は世間に浸透していますが、中国の黄河流域で発祥されたと言われています。

黄河文明は紀元前2000~3000年前に当たりますが、当時の医療は信仰や迷信

によって起こった「手当て」と推測されています。

浄智寺

それは石器時代の石針であったり、その後の鉄器時代の鉄針の出土に由来されます。

筋肉の緊張部に骨針や鉄針で刺激をすることで症状の改善を計ったことなどから

体表に刺激を加える経穴の初歩へと発展して、更に経穴と経穴の間に一定の法則が発見されて

それが経絡(けいらく)への概念へ進んでいったとされています。

 

1984年WHOで決定した経穴は361穴ですが、ここに至るまで経穴の国際標準化の声が高まり

日本国内では1965年、第1回国際針灸学会が開催、1982年、マニラWHO支局の管轄下9か国代表による

針用語基準化の第1回諮問会議が開催されました。

経穴は疾病治療の手段として、自然発生的に発見されそれは経絡的に整理統合されて

針灸の治療体系が築かれてきました。【図説 東洋医学 経穴編・学習研究社発行】参照・一部改編

*経絡の説明は次回とさせていただきます。

円覚寺

ところで、繰り返し波が来ている新型コロナですが、この時期インフルエンザとの違いなど

気になります。

症状は共に、(咳・のどの痛み・鼻水・発熱・頭痛・だるさ・筋肉痛など)

見分けることは潜伏期間などの違いもあるようで難しいですが、自己判断に頼らず

医療機関などの受診や相談、検査など早めに対応したいと思います。

 

ちまたでは全国旅行支援なども手伝って、観光地は秋を満喫する旅で賑わっているようですが

感染対策をしながら、近場でもまだ紅葉も楽しみたいものです。

円覚寺   

では、次回に続きます。


睡眠 12 箇条 厚生労働省より

2022年10月31日 06時34分28秒 | Weblog

 

おはようございます。

今朝はさわやかに目覚めることが出来ましたでしょうか?

それでは、昨日お伝えしまし12箇条をお伝えいたします。

是非、参考にして頂けたらと思います。

健康づくりのための睡眠指針 2014 ~~

1.良い睡眠で、からだもこころも健康に。

2.適度な運動、しっかり朝食、ねむりとめざめのメリハリを。

3.良い睡眠は、生活習慣病予防につながります。

4.睡眠による休養感は、こころの健康に重要です。

5.年齢や季節に応じて、ひるまの眠気で困らない程度の睡眠を。

6.良い睡眠のためには、環境づくりも重要です。

7.若年世代は夜更かし避けて、体内時計のリズムを保つ。

8.勤労世代の疲労回復・能率アップに、毎日十分な睡眠を。

9.熟年世代は朝晩メリハリ、ひるまに適度な運動で良い睡眠。

10.眠くなってから寝床に入り、起きる時刻は遅らせない。

11.いつもと違う睡眠には、要注意。

12.眠れない、その苦しみをかかえずに、専門家に相談を。

では、今日も良い一日を💛


メンタルヘルス

2022年10月30日 07時06分38秒 | Weblog

10月も終わりに近づき、紅葉の便りや秋バラも彩を添えて見頃を迎えています。

行楽シーズンを楽しんでいらっしゃいますか?

気候変動と共に寒暖差が大きくなっている昨今、秋晴れの日には季節を感じながら癒される時間を楽しみたいと思います。

さて先日、NPO法人 日本健康運動指導士会主催の講座を受講してきました。

今回の講座は、ストレスチェックとメンタルケアの講義。実習はメンタルケア・ストレス軽減のための運動指導法でした。

 

2011年7月、厚労省はこれまでの四大疾病である「がん」「脳卒中」「急性心筋梗塞」

「糖尿病」にあらたに「精神疾患」を加えて五大疾病としましたがご存知でしたか?

 

そこで、今回はコロナ禍によって悪化している『メンタルヘルス』について学んだことも含めてお伝えいたします。

メンタルヘルスという言葉は心の健康のことで、現代社会で世代を問わず身体の健康と共に大切な要素になっています。

 

世界精神保健連盟が、1992年より、メンタルヘルス問題に関する世間の意識を高め、

偏見をなくし、正しい知識を普及することを目的として、10月10日を「世界メンタルヘルスデー」と定め

その後、世界保健機関(WHO)も協賛して、正式な国際デー(国際記念日)とされています。

 

また、世界保健機関(WHO) は、メンタルヘルスを

「すべての個人が自らの可能性を認識し、生命の通常のストレスに対処し、

生産的かつ効果的に働き、コミュニティに貢献することができる健全な状態」と定義しています。<日本看護協会訳 2020 年>

 

特にコロナ禍で、パンデミックを生きる15~24歳世代をパンデミアルと言われて世界中でも80パーセントはメンタルヘルスが悪化しています。

<グローバルリスク報告書2021> 

労働者においても、2021年のうつ病学会では気分障害の診断が約20年前から2.5倍くらいに増加し、100万人程度と報告されています。

更に2030年に健康生活を害する疾病・外傷の第一位と予測されました。

 

そして、仕事や会社を心地よく満足しているだけでなく、活動水準が高く、熱意、活力、没頭を持って自ら主体的に組織や仕事に取り組めている状態を、

ワークエンゲージメントといい、働きたいという仕事への態度が肯定的であることが求められています。

平成21年10月厚生労働省はメンタルヘルス・ポータルサイト「心の耳」を設置して、

事業者・産業保健スタッフ、労働者やその家族等に対しての情報を提供しているということです。

現在社会においては、昼夜にわたる労働の増加、生活スタイルも夜型が増え、

雇用形態の多様化による不規則な業務やテレワークによる身体不活発も発生して、

多くの人がこのような変化に適応できてないのが現状と言われます。

 

産業の変化はライフスタイルの変化を生み、特に睡眠時間の減少にも繋がっています。

 

経済協力開発機構(OECD)の21年版調査では日本人の平均睡眠は7時間22分で加盟国では最下位、

厚労省の20年に公表したものでは20歳以上で6時間未満の睡眠だった人が39%というデータがあります。

 

また、睡眠不足がもたらす経済損失額は15兆円(日本経済新聞より)とされています。

 

睡眠のことは以前にも健康塾通信でお伝えしましたが時間だけでなく質が大切です。

今回は様々な情報の一部などをご紹介しましたが

最後に良い眠りについて今回の講習会資料から

『良い眠りには思考の整理や記憶の定着を助け、細胞の修復を促す作用がある』

私が再認識した一文でした。

 

次回は厚労省、健康づくりのための睡眠指針2014年、「睡眠12か条」をお伝えします。

 

それでは、秋の夜長質の良い睡眠をとって、ストレス解消や免疫力アップにしたいと思います。