某ちゃんノート

わざわざ電話するほどじゃないしなぁ・・・
メールすることもないよなぁ・・・
でもちょっと思った、ふと思ったこと

くるみ街道

2012-06-30 | 読書メモ
「くるみ街道」
  青木奈緒



「ハリネズミの道」の続編的小説
主人公はドイツへ戻って行った
日本へ帰国するたびに疎外感、違和感が増える
予備知識が何もなく
いきなり映画の真ん中をのぞく感じ
分からない
っていうか
分かち合えない
そして
本来なら
疑問も持たずに
みんなと一緒に流れて行けるはずなのに
それが出来なくなった孤独
自分で自分をはじき出す
ちょっと分かる気がするなぁ

「ある人がどこに住むかということと、
 その人がどこの国で発行されたパスポートを持っているか、
 そしてその人が自分をどこの人間と感じているかということ、
 その三つはまったく別のことではないかしらね・・・
 三拍子そろっている場合もあるでしょうけれど、
 違っていても今の世の中なんぬ不思議も、不都合もない」

小説の中でヤンマーおばさんが言います
ドイツで仕事をしていること
ドイツに恋人がいること
それが間違っていることではないけれど
そうしている間に
確実に日本で過ごす時間を失う
いつか日本へ帰るつもりもあるが
仕事を途中で放り出すこともできないし
彼とは結婚を考えているけれど
今ではないと思うし
自分でも白黒つけられない気持ち
親の状態や思惑が絡んでくると
穏やかな気分ではいられない
とても分かる気がします

現在の働く女性はみな
特に独身女性は
似たような悩みに揺れながら
頑張っていると思う
男女平等とはいうけど
やっぱり女性の方は
結婚で人生が大きく変わってしまう場合が多いな
って
しかも花の命は短い
何だかちょっとそう思う
ちょうど

くるみの甘皮が象牙色で皮ばなれのいいのは一時期だけ
そのあとも食べられはするが
特別の味は
ほんのわずかな間しか味わえない
どんなに近くにくるみの木があったとしても・・・

って話が出てくる
同じかな?

個人的には
友人エルケの結婚がとても残念で
友人のように心配してしまった。。。