ひとつの手から生まれるもの

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人形考~レンチドール

2010-08-20 21:10:54 | アンティーク
アンティークの買い付けでは、いつも主にビスク(磁器)の人形を
捜し求めていましたが、その傍らいつも気になって思わず買って
来ていた人形が、この‘レンチドール‘でした。
型押しのフェルト製で、中は空洞ですがカチッと硬い造りで造形性に
優れています。手の中指と薬指がくっ付いているのも特徴の一つ。
表情は独特で、人形なのに少しもニコリともしてません。
コスチュームは洗練された独特のデザイン。フェルトやオーガン
ジーで作られています。
1920年代、イタリアの夫妻が作り始めたこの人形。
制作のきっかけは、自分の子供(男の子)が交通事故に遭って
亡くなり、哀しみのあまり人形を作り始めたのだそうです。
男の子(#300初期シリーズ)は特に哀愁があり、その後その子
のお友達にと女の子も作られていく内、次第に人気が出てきて
工房が設立され、より多くのシリーズが作られるようになります。
おどけた表情のものや当時の女優さん、ブドワール風、パイプを
くわえた中国人、ボクサーなどなど多種多様。
今でも工房は継続され、世界中で人気となったレンチドールは
新シリーズが作られ続けています。
ですが、やはり#300の持つ凄み、表情、存在感はいつまでも
超えることは出来ません。
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