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クラヴィコード徒然草ーLife with Clavichord

チェンバロ、クラヴィコード製作家 高橋靖志のブログ
製作にまつわるあれこれや猫との暮らし、趣味のオーディオについて

ALTEC Model 19 ネットワーク(オリジナル回路の考察)

2017-04-02 15:33:15 | Audio

ネットワークを替えてから何度か聴いてみたが効果は絶大
中高音のホーンらしい音圧が感じられるだけでなく 今まで38cmでこの程度?と全然物足りなかった低音も明らかに違ってこれならと思えるくらいシッカリ鳴っている ローパスフィルタのインダクタを直流抵抗の小さいものに替えればもっと締まった低音になるのではと期待が高まるが今は懐が寂しいのでしばらくお預け(T . T)

なので回路図や特性図を眺めて少し考えてみた
まずこれはModel 19のオリジナルネットワークの回路


HFは18dB/octLF は12dB/octのフィルターになっている またHFはVRでレベルコントロール LFはインダクタに並列に入れたVRでカットオフ周波数をコントロールしているようだ 中域をmaxにすると0.3mHのインダクタがショートされてローパスフィルタのインダクタンスは2.7mHとなり minでは8Ωが並列に入って0.3mHのインダクタが効いてくるという仕組みらしい 回路図ではこの低域のVRの1番端子側がmaxになっているがこれがなぜ?と悩んだが これは回路図の間違いで3番端子側maxが正しいと思う


ところでmodel 19のクロスオーバー周波数は1200Hzで 同じユニットとホーン811Bを使うA7-8の800Hzに比べかなり高く設定されている その理由としてドライバ802-8Gがタンジェリンフェイズプラグを採用して20kHzまでフラットに伸びたことを理由にする記事を散見する

下は416-8Bの周波数特製図(エレクトリ発行の「ALTECスピーカーユニット/エンクロージャー図面集」より)
1000Hzから盛り上がって2000Hzあたりにピークがある 

こちらはModel 19 のイコライジングの効果を示した図(別冊Stereo Sound「アルテック」より)
中域のコントロールで1000Hzから2000Hzあたりが大きく変化している

これらを見るとクロスオーヴァーを1200Hzと高くとったのは416-8Bの2000Hzあたりのピークを中域のコントロールに利用するためだったと考えられる ローパスフィルターのインダクタンスの増減でカットオフの周波数を高くすればこのピークで中域が強調され カットオフを低くすればピークが抑えられて中域が弱くなるという理屈ではないだろうか
これが正しいとすればリプレイスするネットワークはVRは使わないのだからにクロスオーヴァー1200Hzにこだわる必要はないということになる

ここまで書いてMFのコントロールの後にHFのバイパスフィルタへ分岐しているのはなぜ?と現物の回路を確認してみると非常にややこしいことになっていることが判明
なんとHFのコントロールのためのVR35Ωが回路図のR1の位置に、MFのVR8ΩがR3の位置に入っている 左右とも同じ接続 ネットにある写真でも確かめてみたが間違いではなさそう これはどういうことなんだろう???
訳が分からなくなって頭が混乱して来たので今日はこのへんでおしまい 


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