今回の旅のおともは、「ナツコ 沖縄密貿易の女王」でした。
私は、飛行機等の長時間の移動があるときは、本を持って出かけます。
以外にもこの本が今回のハワイでの研修の理解を深めるために役立ちました。
沖縄戦が終わって、着るものも、食べるものも、住む家もない。
しかし、対外貿易が禁止されていた時代、自然発生的に始まったのが密貿易でした。米軍キャンプからありとあらゆるものを盗んで「センカ(戦果)」と称してこれを輸出していたそうです。この密貿易時代に活躍したのが、ボーダーレスの民といわれた糸満の海人であり、その妻たちであったそうです。
そのなかで、頭角を現していたのが、「ナツコ」さんという人で、その時代に20歳以上だった方は、知らない人はいないとか。
「海の向こうには黄金(クガニ)があるさ。さあ、黄金の海を渡りなさい」
と、ナツコさんは、商売にさそったそうです。
ハワイの海は、その青の濃さと荒々しさが糸満の海に似ている気がしました。
ハワイにも基地があって、沖縄と同じように基地の問題を抱えていました。
ハワイの現在の行政体系が、州政府と郡政府という構造なのか、この本に書かれている沖縄の統治体制を読むことで、なんとなく理解できました。