悪夢・・・２

とりあえずスタッフのバイクが停めてあるところまで行くことに・・・。何しろ駐輪場が閉まる時間も迫ってきていて、もし閉まってしまったら、翌日まで置きっぱなしになってしまうし、それはベトナムではかなり危険。隙あらばバイクはすぐ盗まれてしまいます。
しかし、市場から出た所が運の悪いことに駐輪場から一番遠い出口。市場でスタッフは、
「こっちから行けば駐輪場に近いです。」
と別方向に進もうとしていたのですが、とにかくわけのわからないものが流れてくるのが耐えられず、

「いやぁぁーーーっ！これ以上市場内は歩けないぃぃぃー。」

と駄々をこね最も近い出口から外へ出てしまったのです。
外は人で溢れかえっていましたが、足にまとわりつく物体は若干少なくなったので、まだマシ。

とは言うものの、もう写真を撮る余裕はありませんでした・・・。

さて、人をかき分け、かき分け、ジャブジャブと駐輪場に向かいます。唯一助かったのが、雨が少しだけ小降りになっていたこと。
何とか駐輪場に辿りつき、バイクに乗って、走り始めたものの、どこもかしこも超ーー超ーー超ーー大渋滞。水も溢れっぱなし。しかし、夕方に約束があり、それまでになんとしても国営デパートへ行かなければならないのです。市場から国営デパートまでは普段はバイクですが、歩いていくと15分くらいの距離。
スタッフのバイクの後ろに乗っていたのですが、全然動かないし、スタッフも後ろに私が乗っているとヨロヨロしたりして危ないので、

「よしっ！私、歩く！現地で待ち合わせしよう！」

と言ってバイクを降りたのです。その頃にはもうどーでもよくなっていました。濡れようが、足に何かが貼りつこうが、とにかく目的地に向かうのみっという心境。市場で、「ギャーーーッ！」なんて叫んでいたのがウソのよう。汚水の中をジャブジャブジャブジャブ

ベトナムの町は基本的に歩行者用に作られていません。なので、普通でも歩きにくい道ですが、これが汚水で下が見えないとなると、かなり危険。いきなりズボッとくぼみがあったり、石があったり・・・。水の中に足を入れるのはどうでもよくなっていましたが、さすがにそこでコケたりするのは耐えられないので、恐る恐るです。バイクの間を抜ける時は危険なので、数少ない歩いている見知らぬ人と手を取り合って道を渡りました。
結局、太ももあたりまで水に浸かりました。しかも、バイクが動くたびに、ザバーンと波が来てパンツまでビッショリ・・・。

目的地にたどり着いた頃には上から下までビッショリで悲惨な状態でした。
国営デパートはガンガンに冷房きかせていて、ブルブル震えながらの買いつけ。

悪夢でした。長いことベトナムにいるけれどこんなことは初めて。国営デパートについてようやく悪夢が終わりました。

「これで風邪をひかなかったらかなり強靭な体力の持ち主かただのバカだなぁ・・・」

なんて他人事のように思っていたら、案の定風邪をひきました
一応、バカじゃなかったみたいです。