エンディングロールも終わり、電気が点いて明るくなった映画館の中は、話声も無くシーンと静まりかえっていた
時折はなをすする音があちこちから聞こえてくるがみな黙々と出口へと移動する
衝撃的だった
そんな解決策を抱いてウォルトは現地に向かったのか・・・
余韻は数日残った・・・
何年か前「自己責任」という言葉がはやったことがあった
優しさのない世界が広がり、強いものや運のいいものだけが蔓延って生きにくい社会になっていくような気がした
弱いものへの労わりの感情が消え「私が・・わたしが・・」とやっきにならないと生き残れないような恐怖を感じた
主人公ウォルト・コワルスキーはそんな社会への流れを断ち切るような生きざまを見せた
多くを経験したものはこれから成長する者に手を差しのべる
その大切さに気付かされた
若者を守ることそれもまた年を重ねた者の役目なのかも知れない
映画の中で時々姿を見せる1972年製という年代もののフォード社の車‘グラン・トリノ’
その凛とした輝きが心に染みた
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