【2日目】
木曽福島の宿、朝起きてみると昨夜から降り出した雨が小降りながらまだ続いている。電車までの時間、福島市内を散策しながら駅に向かう。 宮ノ越駅へ9時過ぎに到着、本降りの雨である。<宮ノ越宿> 駅の先にある「義仲館」・「徳音寺」を見学してから街道歩きスタート。木曽11宿で唯一残ったという本陣を見る頃には小雨になる。雨に黒く濡れた旅篭等、風情がある。 やがて中山道の中間点「中山道東西中間之碑」である。碑側面に「京へ 六十七里二十八町」「江戸へ 六十七里二十八町」と刻まれている。 ここからバックに木曽駒ヶ岳が見えるということだが今日は生憎の雨空で見えない。 今では中山道とは思えない川沿いに下った草道を歩き小さな川を鉄橋で渡ると<福島宿>地区に入る。手習天神を過ぎ国道沿いに歩くと間もなく「福島関所跡」である。 東門から入り西門へ抜ける。関所は礎石だけ残っている。地形的に傾斜の急な断崖に作られた関所という事が良くわかる。 宿中から左に道が曲がり「上の段(うえのだん)」に入ると宿の中でも最も江戸の風情を残している地区になる。雨に濡れた千本格子・袖卯建のある家が落ち着いた宿場の風情を色濃く漂わせる。 JR木曽福島駅に出て昼食。この間雨が強くなり豪雨の様な状態。ここで止めるという人も出てきたが出発する時になって小降りになり全員でスタート。 御嶽遥拝所までくると<上松宿>地区へ入る。有名な「木曽の桟」に到着するがどれが「桟」か分からず皆でなんだかんだ。 国道沿いに歩きJR上松駅に到着、今回の街道歩き終了。 歩数3万2千歩、16.2Km。
今回の<宮ノ越宿>までの歩きで、中山道の真ん中、約266Km歩いたことになる。
次のルート:⑭上松宿~三留野宿 前のルート:⑫下諏訪宿~奈良井宿
≪木曽福島≫
島崎藤村:「夜明け前」原稿碑 木曽川 大手橋 七笑酒造 駅前坂から木曽川方面
JRで戻る
≪宮ノ越宿≫ … 駅に着くと大雨で傘をさしての街道歩きスタート
義仲館…雨宿りを兼ね見学 義仲、巴御前像 徳音寺:
義仲の墓:母、巴御前 他3兄妹も並ぶ 木曽川を渡り中山道へ
宮ノ越本陣 客殿(修復復元) 旧旅篭田中屋
宮ノ越の一里塚
中山道中間点…「京へ 六十七里二十八町」「江戸へ 六十七里二十八町」
木曽川支流を鉄橋で渡る 手習天神…木曽義仲の手習目的に北野天満宮を
<福島宿> … 広重/木曾海道六拾九次之内・福しま 右側の山はそそり立ち、左側の石垣の向うは木曾川の深い渓谷という地形を巧みに利用した関所のたたずまいを、化学系の緑の顔料を大胆に用いて表現している。 関所の冠木門を旅人が往来し、番所前では土下座して取り調べを受けている。西門から外は急坂に続くため、平坦なまま関所に通じるのは東門で、番所の位置とも一致する。左の石垣は関山の麓、右は木曽川に落ちる崖であるが、広重の創作で山麓として描いている。 関所の有様を描いた版画はこの図だけである。
福島宿の手前に、広重も描いている木曾福島の関所がある。この関所の様子について有名なのは、島崎藤村の『夜明け前』の序文「鉄砲を改め、女を改めるほど旅行者を取締りの厳重にした時代に、これほど好い要害の地勢もないからである。この渓谷の最も深いところには木曾福島の関所も隠れていた」という文である。 またこの木曾福島の関所は、東海道の箱根、荒井(新居)、中山道の碓氷とともに四大関所の一つに数えられたという。 土地が狭いため崖屋造りがみられる。宿の南に隣接する上の段には袖卯建の町屋や土蔵がよく残る。
出尻の一里塚 経塚 芭蕉句碑
福島関所入口 関所跡…礎石が残る 復元関所:資料館
資料館入口 高瀬家資料館:島崎藤村小説のモデル
≪上の段≫ 復元高札場
塩淵の一里塚 御嶽遥拝所:樹木に覆われ眺望なし
中央線に沿って歩く 沓掛の一里塚
<上松宿> … 広重/木曾海道六拾九次之内・上ケ松 広重描く「上ケ松」の図は、宿から近い、やや南にいった小野瀑布を描いている。この滝は高さ三丈(約九メートル)ほどで、垂直に木曾川に落ちると記録されている。広重の先輩葛飾北斎も、「諸国滝めぐり」の中で描いている。 滝壺から流出する小川に架かった土橋を中山道が通り、旅人2人が滝を興味深そうに眺めている。里人は見慣れた風景に一顧だにしていない。
尾張藩が管理する材木役所が置かれた上松は、秋田、青森と並ぶ日本三大美林の一つがあり、木曽五木の集散地として発展した。今も木曽最大の木材工場地区を擁し、「ひのきの里」と呼ばれる。度重なる火災からまぬがれた十王橋に近い上町(かみまち)にだけ、古い町並みが残る。
木曽の桟(かけはし)跡…場所わからず
磨崖銘文 下流側 木曽川の渓谷:上流側
「桟やいのちをからむつたかづら」…芭蕉
「かけはしやあぶない処に山つつじ」 「桟や水にととかず五月雨」…正岡子規
短歌「むかしたれ雲のゆききのあとつけてわたしてそめけん木曽のかけはし」…正岡子規
上松宿を見下ろす 宿入口 上松宿高札場跡・地蔵尊 上松宿・上町
上松一里塚碑 JR上松駅
=おわり=
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