山形建築研究所-BLOG-休憩室

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開口部の役割って・・・?<続編>

2010年02月05日 | オープンオフィス
忘れないうちに・・・開口部の役割って・・・?<続編> 開口部の日射遮蔽について。(^^)
ちょっと<かたい>話になりますが、ご興味のある方、よろしくおつき合い願います。

「躯体と開口部の断熱・気密性を高める」という意識は近年高まっているが、
断熱・気密性を高めた場合、開口部の日射対策を怠ると夏期の冷房負荷が著しく高くなったり、
春・秋などの中間期の晴天日に窓を閉めきった状態で放置するとオーバーヒート現象が生じる恐れがある。

その対策として日射遮蔽と通風に関わる措置が必要になる。日射遮蔽の手段としては、
①開口面積の大部分を占めるガラスに遮蔽性能を持たせる
②窓の内側か外側に部材を併用する
③建物の軒や庇の出寸法を考慮する
④藤棚や樹木などの配置による、などの方法がある。

①の具体例としては、高性能な低放射(Low-E、ロウイー)ガラスを使用するということ。
ここで注意しなければならないことは、夏期の長所が冬期には短所となる場合があるということ。
遮蔽性能が高いということは冬期の日射取得を妨げることになる。

また、特殊金属膜の低放射コートを施した面の違いによって日射侵入率の違いがあるということ。
コーティング面を室内側に施工すると、日射を比較的よく透過し、太陽熱を取り入れ、
室内の熱を逃がさないという、冬型の仕様になる。
逆に、コーティング面を室外側に施工すると、室内への熱の輻射が少なく、
日射熱の室内への侵入を防ぐという、夏型の仕様になる。
つまり、Low-Eガラスには冬型・夏型があるということ。
使用する部位を間違えると日射取得が減少して暖房負荷が増加するということになってしまう。

②の窓の内側にブラインド、カーテンや障子を設置する方法は従来から用いられてきた方法。
しかし、これらの方法は一旦ガラス面の内側に熱を取り入れてしまうので、
断熱・気密化を施した建物における日射方位(北東・南・北西)用の対策としては不十分であるといえる。
日射方位(南東・南・南西)には、窓の外側への部材併用が望ましい。
具体的には、庇や外付けブラインド、すだれなどの日射遮蔽部材で日射の侵入を防ぐ。
庇は、太陽高度が高い南面への設置が効果的。
外付けブラインドやすだれ、オーニングのように壁面に付加するタイプの遮蔽部材は、
太陽高度の低い東西面への設置が効果的。

夏の涼しさは日本の伝統的な手法で、冬の暖かさは科学技術の蓄積である高断熱・高気密の考え方で、
という二つの手法が融合されて、省エネで快適な住まいになるといえる。

そこで、<省エネで快適な住まい>を体験できる、<四条町の家 完成見学会>へ、ぜひ!


<それが、言いたかったの?>なんて言われそうですが、お時間のある方も、そうでない方も
週末は、完成見学会へ・・・ということで。(^^)




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