ひざっこぞうのがんばるブログ

スキルス胃ガンになっちゃったバツイチ母の闘病メインだけど他にもいろいろ書いちゃう日記

1.2リットルの腹水

2009-11-22 | 闘病生活
昨日も腹水を抜いてもらいに、病院へ行ってまいりました。
今回はI医師といろんな話をする余裕があり、かなり有意義な1日となりました。

まずは腹水について。

我が家で購読している新聞に、実にタイムリーに
ガン患者の腹水についての記事が載っていたんです。

そこに書かれていたのは、

1.進行ガン(とくに胃がん、大腸がん、卵巣がん)の患者で腹水に悩まされる人はかなり多いこと

2.腹水の中にはたんぱく質が含まれていて、それを抜いてしまうと患者も衰弱してしまうこと

3.たんぱく質の中のアルブミンという成分は細胞の水分を適量に保つ働きをしているので
それが失われると腹水の溜まるスピードが速まってしまうこと

・・・などでした。

そしてそれらの問題を解決するために新しい治療法が試されているのだそうです。
それは、抜いた腹水を蒸留装置にかけ
ガン細胞や細菌を濾過してたんぱく質などの必要な成分だけを抽出し
腹水を抜きながら同時に点滴で体内へ戻すというもの。

患者の体力も栄養も保たれるし
何度か繰り返すうちに、腹水の溜まる頻度も少なくなってくるらしいです。

その新聞記事を切り抜いて持っていき、I医師に見せてみました。
すると意外にも「うちでもやったことあるよ」とのこと。
記事によれば、まだ使えるガンの種類が限られているようでしたが
おそらく胃ガンでも保険がきくだろうということです。

で、今後頻繁に腹水を抜かなければいけないのであれば
この方法を試してみたいと言ってみました。
ただしそれには入院が必要とのことです。

さらに、腹水を蒸留装置にかける際
やはりどうしても化学物質に触れてしまうため
ごくまれに、発熱などの副反応が起きる可能性もあることのこと。
そのため様子をみながらになるので、入院日数がどの程度になるかわからない、と。

どうせ仕事をやめてしばらく家にいることになるのだし
12月の旅行が過ぎればとりあえずなにも予定はないので
かまいませんよとお答えしました。

ただ問題がひとつ。
腹水から抽出できる必要成分はごくわずかなため
ある程度の量が溜まった状態でないと効果は得られないということ。
入院日を先に決めるのであれば、それまで腹水が溜まった状態で我慢しなければならないし
逆に腹水がどうしようもなく溜まったところで緊急入院という形をとるという方法もあるけど
いずれにしてもしばらく我慢の日々を過ごさなければいけないわけです。

となると、1ヶ月近くなんの予定も入れられませんねぇ。
私に耐えられるでしょうか。。。

次にI医師からこんな提案がありました。

やはりしばらく我慢して腹水をある程度溜めておき
その腹水を生理食塩水に見立ててタキソールの原液を流し込み
何日間かそのままにして抗がん効果が出たと思えたところで
腹水を抜く、というもの。
これなら、せっかく腹水を抜いてすっきりしたお腹に
あらためてタキソールと生理食塩水2リットル近くを入れる必要はないわけです。

ただし我慢の日々がちょっと長いな。
それに、やはり入院が必要だとのことで、これも何日かかるかわかりません。
でも体の負担は少ないですから、やってみる価値はあるかもしれません。

そこで今度は私から提案。
そろそろまたCTなどの検査を受ける時期でもあるし
いっそのこと入院して全部一気に済ませてしまいたい、と。
そのほうが何度も通院するより楽ですからね。

これにはI医師も快諾してくださり
ならば12月は慌しいから、年明けに一度入院して検査からなにからすべて済ませ
その後の治療方針を検討し直そうか、ということになりました。

そしてもうひとつ、I医師から 恐ろしい提案が ・・・
腹水を抜く道具一式持って帰って、自分で抜く?と。

じょーだんじゃありませんよ。
私、自慢じゃないけど、採血や点滴の針を 見ることさえできない んですよ。
一度、ポートに刺す針をうっかり見てしまい
それ以来、点滴のたびにその映像が脳裏に浮かばないよう必死なんですから。
それを手にとって、まして自分で刺すなんてできるわけないじゃありませんか。

でも、ポートというのは本来、そうやって自宅療養できるように作られているものなので
自分で刺している人は多いよ、とI医師。

まぁ、いつか通院も困難なほど重症になったときには覚悟を決めるかもしれませんが
それまでは毎日だって通院しますので、いまのところはご勘弁願いたいです。

さて、タイトルの「1.2リットル」ですが、なんで中途半端な量になったかと言えば
雑談に夢中になっていたからでございます。

2時間ほどもおとなしく寝ながら腹水を抜いて、もうじき1リットルになろうかという頃
診察時間を終えたI医師がやってきて
時間短縮のため、シリンジを使って手動で抜き始めたんです。

その時、ふと聞いてみました。
「先生、そういえばこの夏休みはどこへ行ったんですか?」
答えは「タヒチ」でした。お~お~、毎年豪勢ですこと。

いつも南国の海へでかけているようなのでダイビングでもするのかと思ったら
そうではないらしい。
ただのんびりするために行くそうなんですが
今回は一緒に行ったお友達に引っ張り回され、かなりアクティブに動き回ったとのこと。
とくに笑ったのが、イルカと泳いだという話。

I医師は、かわいいものが大嫌いなお方です。
大の大人がなんでイルカなんぞ見に行かなきゃいけないんだと
ずいぶん逆らったらしですが
タヒチには世界最大のイルカの飼育場があるとかで
しぶしぶついていき、これまたしぶしぶ、一緒に泳がされたそうです。
ところが、背びれにつかまって泳いでみたら、これが気持ち良かったそうで
滞在中、今度は自らすすんで再度訪れ、もう一回泳いできたとか。

自分たちみたいな心の磨り切れた大人には、ああいう心洗われる経験が必要だよと
イルカのかわいさを力説なさいました。

さらには、海のど真ん中の浅瀬に堆積している石灰岩で全身泥パックも経験なさったとかで
身も心もキレイさっぱり洗い流していらっしゃったのですね。
笑顔でイルカと泳ぐ姿も、泥パックの姿も、まったく想像がつきませんけど。

そんな話を大笑いしながら聞いているうちに
抜いた腹水は1リットルを越え、1.2リットルとなったわけですが
まだそれでも あと1リットルくらい 入ってそうだね、とのこと。
たしかにまだお腹は少し膨らんでおりますが
かなり楽になったことは確かです。

この日は、私と同じ抗がん剤治療をしているTさんという患者さんにも
久しぶりにお会いしました。
私と同じく腸閉塞も経験していらっしゃいます。
この方は白玉あんみつを一気食いして詰まっちゃったらしいです。

それ以来、何を食べてるか、どんな症状があるかなど
貴重な情報交換をしてきました。

やはり腹水を抜くだけでも体力は消耗するらしく
今日は1日グッタリしておりましたが
体が軽くなったせいか、最近陥りがちだったネガティブな思考がなくなりました。
あと1週間、お仕事がんばらなくては。

「やっぱり病気の人はダメだな」と言われないよう
できることなら「病気で休みがちでも、あの人は使える人だった」と思ってもらえるよう
跡を濁さずに気持ち良くやめられるよう、しっかり勤めてきたいと思います。


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10 コメント

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Unknown (tsumimishi)
2009-11-25 17:07:05
今月も、あと少し。
無理しないで仕事をやってください。
腹水については、とても勉強になりました。
僕の妻も腹水が溜まっていると主治医に言われましたが、
まだ、抜くほどでもないようです。
ひざっこぞうさんの、年明けからの、新しい腹水の治療。
それで、きっと、ひざっこぞうさんが、楽になれると信じてますね。

I医師。
不思議なお医者さんですね。
でも、おもろ~!

返信する
それはY紙ですね (しろみ)
2009-11-25 20:28:05
たぶんそれはY紙ですね。
私も見ました。
ボールの空気が抜けるように、お腹がしぼんでいるのを見て、
結構ショックでした。

家の父親は排便時の出血にヤバいと思いながらも、当日にY紙の健康欄にて
痔の特集を見て「なんだ。。。」と安心して
遅れた口ですから。
役に立ったり、返って余計なお世話だったり。

でも情報源としてはありがたいですよね。

夏休みの話を出来るほどの関係とは
うらやましい。
無駄口たたかない先生もいますからね。
一方的な、謝絶型。

しばらくは様子見ですが、良い方向にいくことを願っています。
返信する
Unknown (JIN)
2009-11-27 23:32:18
父は腹水はまだ抜くほどではないと言われていますが、食事は夏からできずかなり衰弱状態。。。先日急に体が震えだして倒れたりです。腸ろうは使い物にならなくなったので今は首からの栄養に頼ってます。ひざっこぞうさんは働いてらっしゃるんですね。すごいがんばってますね。父はとっくに引退しております。
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Unknown (ひざっこぞう)
2009-12-01 18:20:48
tsumimishiサマ
無事仕事も終え、ほっとしております。
腹水の治療、受けられるかどうかわかりませんが
またご報告しますね。
なにかの参考になれば幸いです。
I医師はなかなか面白い先生です。
いい先生に巡り合えたと思ってます。

しろみサマ
私もあの写真はショックでしたが
私のおなかもピーク時にはあんな感じでしたよ。
いろんな情報が飛び交っているし
症状も人それぞれですから、やはり自己判断はしちゃいけませんよね。
でも良い方に考えて安心したくなるお父様の気持ちもわかります。

JINサマ
おそらくお父様の年代なら引退なさっていて当然でしょう。
ゆっくり治療に専念なさるのがいいと思いますよ。
私はまだまだ働かなきゃいけないお年頃ですもの。
でも病気を抱えて働くのはやはり大変です。
福祉に文句言いたくなりますよ。
お父様の衰弱状態が気になりますね。
少しでも栄養を摂って体力がつくといいんですが。
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腹水の対策、治療法について (腹水)
2013-09-22 06:32:05
腹水の対策や治療法について
⇒ http://fukusui8.s eesaa.net/

腹水は治療法が少なく、悩んでいる方がとても多い疾患の1つです。少しでも多くの方に元気を取り戻してほしいと思います。

皆さん、一緒に、頑張って行きましょう。
 


返信する
腹水の対策、治療法について (腹水)
2013-09-22 06:36:14
腹水の対策や治療法について
⇒ http://fukusui8.seesaa.net/



腹水は治療法が少なく、悩んでいる方がとても多い疾患の1つです。少しでも多くの方に元気を取り戻してほしいと思います。

皆さん、一緒に、頑張って行きましょう。
 


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遠赤外線鉱石温熱シート (遠赤外線鉱石温熱シート)
2015-06-27 11:49:44
腹水、末期癌と遠赤外線鉱石温熱シート
http://fanblogs.jp/koadansu/
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Unknown (腹水)
2016-04-29 09:25:31
腹水の症状と溜まる原因、漢方治療で解決
返信する
腹水 (腹水)
2016-04-29 09:26:18
腹水の発症原因・症状・治療法 【腹水の漢方対策】
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腹水 (腹水)
2016-04-29 09:26:47
腹水の漢方対策-腹水が溜まる原因と治療法について
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