ひざっこぞうのがんばるブログ

スキルス胃ガンになっちゃったバツイチ母の闘病メインだけど他にもいろいろ書いちゃう日記

なんでもないといいけれど・・・

2008-03-31 | 闘病生活
先週ずっと腰や背中が痛くて
病院からもらった湿布のお世話になっておりました。
でも、湿布を貼った部分は一時的に痛みが引くけれど
また違う箇所が痛くなる、の繰り返しで
姿勢に気をつけたり、出来る範囲でストレッチをしたりしてみても
なかなか治らない。
しかも下痢が続くし。

こうなるとやはり不安がよぎります。
I医師は「骨転移の痛みはもっと強烈なものだから」とおっしゃっていましたが
どの程度が「強烈」というのかわかりませんしね。
下痢症状だって、ひょっとして腹膜になにか異変が起きているのではないかとか
腸の状態がやっぱり良くないんじゃないか、とか。

土曜日の朝「やはり病院へ行こうか」と布団の中で悶々としていましたが
午前診療のみだし、予約なしの場合は受付終了時間がけっこう早いし。
早起きの苦手な私は、結局行かず終い。

そしてふと思ったのです。
うつ伏せになってみる必要があるんじゃなかろうか?

傷跡はもう痛くはないけれど、圧迫するのは抵抗ありますし
ポートも入っているし、腸ろうもあるし
なにより腸を押さえつけたら痛み出しそうで
寝るときも、うつ伏せになるのはずっと避けていました。

でもなぜか、どうしてもうつ伏せにならなきゃいけないような気がして
布団の上でおそるおそるやってみたのです。
全体重をかけてしまわないよう腕で体を支えながら
すこ~し背中を反らしてみたり、足を動かしたりしてみました。

そのおかげか、気のせいか、いくらか背中の痛みは薄らいで
昨晩は久しぶりに湿布なしで寝ることができました。
やっぱり体はバランスよく動かさなきゃいけないってことでしょうか。
つまりは運動不足だったんですかね。
まだ少々痛みはありますが「もういやっ」ってほどではありません。
不思議なことに、食後には必ず悩まされていた下痢症状も治まりました。

さて痛みが治まったら、なぜか猛然と湧いてきた食欲。
どうしても食べたくなったのがトマトの豚肉巻きです。
焼き鳥屋さんなんかにありますよね。
豚肉だったり鶏肉だったりベーコンだったりしますが、どれも好き。
普段トマトを好んで食べたりはしないのですが
なぜか火を通したトマトは大好きなのです。

今までそんなめんどくさいものを自分で作ろうと思ったことはないのですが
我慢できなくなって、作っちゃいました。
お店で食べるほどおいしくなかったけど、まぁまぁ食べられる代物にはなりました。

ただし、挽肉以外の肉を食べたのは手術後初めてです。
この時期にこんなもの食っていいのか?という不安はありましたが
体の要求には素直に従ったほうがいい、と勝手に納得。
よく噛んでいただきました。

食後、今度は柑橘系の果物がどうしても欲しくなり
いよかんを1個、丸ごと食べてしまいました。
食べ終わってから「私は大丈夫だろうか・・・」と思いましたけれど、後の祭り。

そして今朝。
食欲ありませぬ。
やはり重たかったらしいです。反省。
明日からの旅行に備えて、今日は消化の良いものだけにしておこうと思います。

こういうことをこれからも繰り返していくんだろうと思います。
まだまだ慌てちゃいけませんね。
少しは我慢しないと。。。

桜満開

2008-03-29 | 我が家の近況報告
我が家近くの桜並木もほぼ満開となってしまいました。
桜って、3月中に咲いてしまうと「もったいない」って気がしませんか?
「桜=入学式・新年度」と思うのは、もう古いんでしょうかね。



それでも、私にとって今年の桜は格別です。
もう2度と見ることはないと思っていましたから。
これから先、毎年桜が咲くたびに
「あぁ今年もまた見れた」と思うのでしょうか。

いつか、そんなことも忘れて
また当たり前のように桜を見る日が来ればいいなと思います。

4度目の入院第5弾の追加

2008-03-28 | 闘病生活
もうひとつ、医師に質問したことを思い出したので追加です。

乗り物酔いをしたらどうなるのか?
または、ストレスが溜まったらどこが痛くなるのか?


胃がなくなって、ひょっとして乗り物酔いから解放されるんじゃないかとか
胃もたれや胃痛もなくなって、けっこう快適な生活になるんじゃないかとか
ひそかに期待してたんですけどね・・・

答:わからない

!!
わからないんだって。
F医師いわく、乗り物酔いも胃痛も必ず「胃に来る」というものではなく
たまたま脳が胃に向かって指令を出しただけ。
だから胃がなくなって次に脳がどこへ指令を出すか、わからない、と。

で、昨日実は手術後初めてバスに乗ったんですね。
来ましたよ、乗り物酔い。
今までは胃のむかつき感から始まって徐々にひどくなり
「そろそろヤバイかな」ってなるまでには時間がかかったものですが
今回は食道のあたりに直接来ましたからね
ヤバくなるまでが早いかもしれません。
なんたって、腸から直通ですから。

どうやら私の場合、律儀にも「元、胃のあった辺り」に指令が下ったようでございます。
乗り物に乗る前には食事は控えたほうがよさそうです。

そして、ストレスが溜まったらどこが痛くなるのか。
これはできることなら一生知らないままで過ごしたいものですけれど
きっといつか知ることになるのでしょう。
それはそのときにご報告します。

4度目の入院第5弾

2008-03-27 | 闘病生活
手術から1ヶ月と10日ほどが経ち
食事もだいぶスムーズに進むようになってまいりました。
まだまだ量は少ないですが、調子のいいときには1日中なにかしら食べています。
お腹が空いたという感覚もないけど、お腹がいっぱいという感覚もない。
う~む、鍛えようによってはギャル曽根ちゃん並に食えるかもしれん。。。

さて、入院中に医師に聞いてみたことをいくつか。

この病院には、患者会のようなものはないのか。
あるいは、患者同士コミュニケーションがとれるよう取り計らってはもらえないのか。


答:患者会もないし、医師が患者同士引き合わせることもない。
I医師によれば、この病院は土地柄のせいか、ガン患者にはお年寄りが多く
今まで他の患者と積極的に話したいという希望がなかったので
患者会の設置を考えたことはない、とのこと。

インターネットなどでいくつか患者会を調べて参加してみようかと思ったんですけどね
やっぱり同じ病院で同じ医師の治療を受けた人と話がしたいんですよ。
愚痴も言いたいですしねぇ。。。
なので、今度また抗がん剤治療が始まったら
私より一足先に手術を受けた男性の患者さんに
なんとかしてアプローチしてみようかと思います。

胃を取ってしまうと、薬の効き目が今までより良くなりすぎるということは?
痛み止めとか風邪薬とかって、胃酸で多少成分が壊れるって言いますからね
その分を考慮して効き目成分が強めに作ってあったりするんじゃないかと・・・
それが今度は直接腸に入ってしまうわけですから
効きすぎてショック症状でも起こしちゃうんじゃないかと思ったわけです。

答:そういう症例は聞いたことがない。
若干、今までより良く効いてしまうということはあるけれど
それでなにか弊害が起きたということはないそうです。

良く効いてくれるだけならむしろいいことなんですけどね。
眠気が強く出たりとかしないのかなぁ。。。
しばらくは、どんな薬でも医師に相談して処方してもらったほうがいいかも。
市販の薬はちょっと避けておきましょう。
ただ、乳酸菌なんかはむしろばっちり効果が出そうな気がしますが。

飛行機に乗るとき、お腹に入れたポートが金属探知機に引っかかったりする?
くだらないことを聞いてしまったとは思うのですが、一応ね。

答:チタンを使っているので、もしかすると引っかかるかも。
ポートを入れたときにカードサイズの証明書をもらいました。
念のためにそれを持っていくようにとのことでした。

ただしI医師いわく、ポートを入れるほどの症状の人で
飛行機に乗った患者さんはいないのでわからない・・・と。
うそだぁ、申告してないだけだと思うよ~。絶対。

食べ物で注意することは?

答:カップラーメンなどあきらかに消化の悪いモノとジャンクフードをのぞけば
なにを食べてもいい。

ことこまかに栄養バランスを考えてストレスを溜めるのと
好きなものを食べて多少栄養バランスを欠くのとでは、健康面では大差なし。
食べる楽しみをあきらめる必要はない、とのことでした。
ただし、早食いと大食いは禁物。

でも私、カップラーメンとジャンクフードが大好きで
早食いの大食いなんですけど。。。
I医師は笑っただけで、なにもおっしゃいませんでした。

一学年修了式

2008-03-26 | 我が家の近況報告
昨日は、娘ッ子の修了式でもありました。
早いもので無事、第一学年を修了いたしました。

最終成績でもクラストップを維持。
学年順位は5位でした。
上出来上出来。
成績優良賞なる賞状をいただいてきました。
おぉ、出身中学の先生方に見せてあげたい。
まさかこんなに出来のいい子になるなんて、想像もつきませんでしたからねぇ。

学校から直接帝国劇場へ向かったので
家に帰ったときには、賞状も通知表もくしゃくしゃになっておりました・・・
もっと大事にしてほしいな。


さて、この1年間で取得した資格は5つ。

全商簿記検定
電卓実務検定
情報処理検定
ワープロ実務検定
商業経済検定

すべてまだ3級ですが、もうこれで充分じゃない?
私なんか簿記3級しか持ってないもん。
すぐにでも就職できそうではないか。

この1年間で商業科目に付いていけず退学した子もかなりいるようです。
娘ッ子も、来年度以降2級1級と進むにつれ
悔しい思いをすることもあると思います。

なんとか途中でくじけないでくれるといいんだけどねぇ。

ところでお嬢さん。
病欠はともかく、1年で遅刻5回は就職には不利でっせ。
私の入院中に2回も寝坊したらしいじゃねえか。
困ったもんだね。

退院後初めてのお出かけ

2008-03-26 | 闘病生活
昨日は、楽しみにしていたミュージカルの日でございました。
都心の帝国劇場まで、通院以外では退院後初めての、電車に乗ってのお出かけです。
準備万端にして出かけました。

激しくお腹が鳴るのは、どうやら固形物を食べて腸を刺激してしまった後らしい。
ならば鳴らないようにするには食べないに限る。
上演開始は午後1時。
柔らかめフレンチトーストの朝食を早めに食べ
昼食はゼリータイプの栄養剤をチビチビと飲むだけにとどめました。

ゼリータイプの栄養剤はいろんなものがあります。
「ウィダーinゼリー」が有名かな。
でも私は「ミニッツメイドの朝バナナ」がお気に入りです。
冷蔵庫にはこの手のモノが数種類常備してあります。


服装にも気をつけなければいけません。
お腹を締め付けてしまうと、腹痛を起こす可能性アリ。
でもやっぱり都心に出るからにはおめかしもしたいし。
事前に用意しておいた「ちょっと太めさん用のストッキング」を履いてみました。
お腹のあたりが緩やかな作りになっています。
思ったほど快適ではなかったけれど、まぁまぁこれなら大丈夫。

便秘による腸閉塞を防ぐため
毎食後に「酸化マグネシウム」なるものを飲んでいますが
(便を柔らかくするお薬で~す)
上演中にもよおしてしまうといけないので前日の夜からいったんストップ。
ここ2.3日かなり効いていたので、一日くらいやめても問題ないでしょう。

電車の中では、疲れてしまうといけないので読書もやめて
ひたすら目を閉じて休んでいました。
荷物も軽めにね。

これだけの準備をした甲斐あって
休憩時間も入れて3時間半の長丁場、なにごともなく安心して楽しんでまいりました。

ただ、いつもならおいしいケーキでも食べて帰るところなのに
セルフサービスの喫茶でアイスクリームを食べるのが精一杯だったのが
一緒に行った娘ッ子には申し訳なかったですね。

それにねぇ、今の私には都心は誘惑が多すぎる。
どこへ行ってもおいしそうな匂い。
カレー食べたい、ハンバーグ食べたい
カツサンドや、立ち食いそばでさえも食べた~い。
思わず、苦しむこと覚悟でレストランに入ってしまいたい衝動に駆られました。

もうしばらくの我慢我慢。

退院後初めての通院

2008-03-22 | 闘病生活
今日は退院後、初めての通院日でございました。
お天気も上々。
花粉たっぷりの青空の下、マスクをして出かけてまいりました。

家から駅までは自転車。
入院以来初めての地下鉄に10分ほど乗り
病院最寄駅にはエレベーターがないため、えっちらおっちら階段を上り
そこから徒歩で10分あまり。
ちょっとした冒険に出かける気分でしたが、お~、けっこう歩けるもんだ。
特に息切れすることもなく到着いたしました。
私の体力、意外に衰えてないじゃん。

診察室に入るとI医師は
両方の鼻の穴に豪快にティッシュを詰めて出迎えてくださいました。
そうだった、この先生ひどい花粉症なんですわ。
鼻炎の薬を飲み、漢方まで飲んでそれでもダメなんだって。
唯一安らげるのは無菌の手術室なんだそうで
「こういう花粉の多い日に限って手術がないんだよなぁ」とぼやいておられました。

まずは食後の痛みを訴えてみました。
入院中から右脇腹のある一定の場所だけが激しく痛むのです。
最近はだいぶよくなりましたが、まだ時々しくしくします。
検査室へ移動して、レントゲンをとりました。
その結果、どうやらお腹に入れたポートから出ている管のあたりであることが判明。
そういえば、ポートを入れたばかりの頃もその辺が痛くなりました。
どうもやっかいな場所に管が伸びているらしいですね。
いずれ治まるかもしれないし、ずっと続くかもしれないとのこと。
腸がウニョウニョ動いて、うまく管を避けてくれることを祈りましょう。

食事もまだそれほどの量は食べられず、体重はほぼ一割減少したと伝えたら
やはり腸から出ている管を使って栄養を注入しましょうということになりました。
(この管は「腸ろう」と言うんだそうです)
私ががんばって栄養剤を飲めばいいんだけど、水分をとるのもしんどいときがあります。
それに、毎日飲んでいると飽きる。
で、そのための道具(点滴に使うボトルや管ですね)をもらってきました。
家の、壁のフックとかドアの取っ手とかポールハンガーなんかを利用して
一日2~3回、テレビでも見ながらおとなしく栄養補給をするわけです。
めんどくせぇなぁ、というのが正直な感想ですねぇ。でもしかたない。

長期間使う人なら点滴台を買ってもらうんですが・・・と言われたのですが
それはご遠慮申し上げてきました。

ついでに腸ろうの管も少し短くしてもらいました。
長すぎて(30センチくらいあった)お風呂のときなんか
間違って引っ掛けちゃいそうだったんです。
使わないときはクルクルと丸めてテープで押さえておくんですが
それも長すぎるとめんどうですし。

次に、恥ずかしいけど最近一番困っていることを聞いてみました。
「ガスが多いんです」

手術前の説明でF医師が確かにおっしゃっていました。
普通、口から入った空気の一部は胃に溜まって
あふれた分がげっぷとして出てくるけれど
胃が無くなると全部腸へ入ってしまうので
全摘後の患者さんはけっこう「おなら」に悩むことが多い、と。

それでもね、こんなにひどいとは思いませんでした。
(あまり想像はしないでください・・・)
困ることもあるんですけど、と言いましたら
I医師はあっさり「それはいいことですからそのままで」とおっしゃいました。

普通、何度か手術を重ねると腸はどんどん働きにくくなり
ガスが出なくなることも多いそうです。
でも私は3回も手術をしているにもかかわらず困るほど出ている。
それは執刀医としては非常にうれしいことである、と。

まぁ確かに腸が働かないよりはいいんですけどね。
どうしても、というときだけでもどうにかならないかと聞いてみたら
どうにもできないんだそうです。
ガスを止める薬というのは、腸の働きを止めるものなので
胃を無くした私が一番飲んではいけないものだそうで
「電車の中でもエレベーターの中でも、したいときはして」と言われましたけど
あのねぇ、他人事だと思って。。。

ただ、飲んでいたお薬の中の一つをやめてみようということになりました。
「ガスモチン」という腸の働きをよくするお薬です。
これだけ腸が動いていれば、もういらないだろうということになりました。
これで少しは治まってくれるといいんですが。

ついでに湿布と、花粉症のお薬も処方してもらい
栄養剤3週間分はとてつもなく重たいと思われるので宅配の手配をし
(缶のドリンク1日3本×21日分ですもん、重たいどころじゃなく持てねぇ)
病院近くの桜並木がほんのり色づいているのを眺めながら帰ってまいりました。

さすがにちょっと疲れましたけれど、気分は悪くないです。

4度目の入院第4弾

2008-03-20 | 闘病生活
ようやく今日、部屋中のお掃除をしました。
ゆっくりゆっくり、たっぷり2時間かけて。

入院中は母が掃除してくれてはいましたが
「掃除機を丸くかけてるだけだから」という言葉が
謙遜でも照れ隠しでもなかったということがわかりました。
あちこちからでてくる埃のかたまり。ウサギの毛。
手術受けて免疫が弱っている娘を
よくもまぁ平気でこんな汚い部屋に迎え入れたもんだとあきれちゃいました。

さて、今回は手術後の合併症について。

今まで3度の手術を受けて
特に治療が必要となるような症状が出ることもなく退院してこられたのは
かなりラッキーなことだったんだなぁと、今回の入院中に感じました。

というのも、同じ部屋の患者さんが手術後けっこう苦しんでおられたんですね。

ひとりは、ごく軽い手術だったにもかかわらず
全身麻酔時の気道確保でノドを傷つけてしまい
ひどい咳と共に血を吐いてしまっていました。
飲み物も飲めなくなって、つらそうでした。

もうひとりは、手術後リカバリー室から5日間出てこれませんでした。
先に私が退院してしまったので何があったのか詳しいことはわかりませんが
あれこれ複数の症状が出てしまい、24時間の看護が必要だったようです。

そして私の隣にいらしたおばさま。
胃を2/3切除しましたが、手術の翌日から自分でせっせと歩いていたので
すぐに回復しそうに思えたのに
1週間経っても熱が下がらず、流動食も全部吐いてしまったんですね。

原因は、歩くとき以外は体を水平にして寝てしまっていたからなんだそうです。
体を水平にしてしまうと
目を覚ましてはいても内臓の働きは休んでしまい、その分回復が遅れるので
昼間はベッドのリクライニングを起こして頭を高くしていないといけないらしいです。

そのおばさまは、肺がうまく働いていなくて
手術中に溜まった痰を排出することができず
無気肺という症状を起こしてしまっていました。
さらに胃や腸も働かなかったため、流動食も受け付けなかったんですね。

カーテン越しに隣で様子を聞いていて腹が立ったのは
そうなって初めて医師や看護師さんが「頭を高くしなきゃだめ」と教えていたことです。
その方、ベッドがリクライニングできるということすらご存知なかったんですから。
病室に戻ってきた時点ですぐにそう指導していれば
余計な合併症を引き起こさなくてもすんだかもしれないのに。

そういえば私も、そんなことは教えてもらえなかったなぁ。
私はいつも頭を高くしていましたけど
それは単に傷の痛みが少しでも和らぐような気がするのと
起き上がるときの負担が少ないから、あとはテレビを見やすい
そんな理由からでした。
それが知らないうちに順調な回復に役立っていたのですね。

医師や看護師さんの様子をあれこれ思い出してみると
あの病院で無事に退院できた私って、かなり運が強いんじゃないかという気がします。

さて今回、合併症と言うほどではないけど、ひとつだけ困ったことがありましたね。
傷口周辺の壊死した脂肪が溶けて、傷口から出てきちゃう不快な症状です。
「脂肪解」と書きましたけれど
私が調べた限りではそういう名称の症状は見つかりませんでしたので
聞き間違いか、あの病院での通称かどちらかだと思います。

これはびっくりしましたよ。
トイレに入っていたんですけれど、いきなりポタポタッと液体が落ちてきたのです。
まだ腹帯をしていたので傷口は見えませんが
どうやらその周辺から落ちて来るらしい。
そうっと腹帯をめくってみたら
直径5センチくらいのオレンジ色の鮮やかなシミができていました。

急いで病室へ戻りナースコールしました。
でもけっして珍しいことではないようで、看護師さんも慣れたもの。
処置のために現れたIB医師(外来でたまにお目にかかる話の面白い医師)も
ニコニコしながら「はい、こんにちわぁ」とのんびりしたものでした。

たまに腹水が溜まって漏れてくることもあるらしいのですが
液体の色からしてこれは脂肪だろうと判断されました。
通常は体内でどうにかして排出されるものらしいのですが
たまに傷口の弱い部分を突き破って出てきてしまうんだそうです。

心配はないけれど、感染しやすいので清潔にしておく必要があるのと
脂肪が全部出てしまうまで傷口を塞ぐわけにはいかないとのこと。
毎朝医師が来てその部分を清浄し
5ミリほど傷口の開いたところにガーゼを突っ込んで塞がらないようにするのですが
「傷口にガーゼだぁ?」と考えただけで気持ち悪くて
毎朝「ヤダヤダヤダッ」と騒いでいました。

そのガーゼを伝って脂肪が出てくること3日ほど。
ほとんど出なくなったところで絆創膏だけになり
まったく出なくなってようやく傷口が塞がりました。
今もその部分だけ、かさぶたが分厚いです。
ひょっとすると、そこだけ傷痕が濃い目に残るかも。

今後起きうる合併症と言えば、腸閉塞くらいですかね。
I医師に言わせれば、起きるか起きないかは「運」だそうです。
食事が原因で苦しむのだけは避けたいので
油断せず気をつけていきたいと思います。

4度目の入院第3弾

2008-03-19 | 闘病生活
先週土曜日、多少調子がよくなったというようなことを書いたら
その夜、まるで腸があざ笑うかのように痛みだしまして
日曜日も月曜日も、寝たり起きたりの生活をしておりました。
まだまだ油断しちゃならんぞということなんでしょう。

少し慣れてきた食生活も、いったん後戻りして流動食からやり直してます。
昨日(火曜日)あたりからようやくまた動けるようになりました。

さて、手術後の経過について続きを書こうと思います。
とは言っても、抜糸やら痛みやらのことは
今までの手術とたいして変わりませんので省きます。

ただ、今までとちょっと違ったことがひとつだけ。
背中から入れていた硬膜外麻酔を
自らすすんでさっさと外してもらったということですね。
この麻酔を入れていると排尿困難になるのですよ。
それがとっても気持ち悪いのです。
前の手術のときはどうしても出なくて、看護師さんに尿管を入れて取ってもらいました。
そうなりたくはなかったので、今回は手術後4日目に
「もう取っちゃって」とお願いして外してもらいました。
I医師びっくりです。
今までは「絶対ヤダ」と抵抗してばっかりでしたから。

今までの手術と違うことと言えば、やはり食事でしょうねぇ。

術後1週間は、腕からの点滴と腸に直接入れる栄養を併用していました。
栄養をどうやって腸に入れるのかと言えば
お腹に、直径1.5ミリほどの管が刺さっているのでございます。
これは今も付いてます。
以前につけて結局使わなかった「胃ろう」と同じようなものですね。
正式名称をなんというのかはわかりません。
長さ30センチほどの柔らかい管の先っぽに蓋のついた差込口みたいなのがあって
そこに点滴の要領で栄養剤のボトルから液体を落としていくのです。

今はそんなめんどくさいことはしていません。
その栄養剤は経管・経口両用なので、直接飲んでいますが
今後抗がん剤治療の影響などで飲めなくなったときにはまた出番がやってくるようです。

ちなみにお味は、病院で使っていたものはブルーベリー風味でしたが
自宅用に持ち帰ったのは「コーヒー・イチゴ・バニラ」の3種。
(エンシュア・リキッドという商品です)
冷やせばそこそこおいしくいただけます。

術後1週間それで栄養を補った後、検査がありました。
バリウム検査と同じ要領で
食道と小腸のつなぎ目がしっかりふさがっているかを見るのです。
これでOKが出れば、お水が飲める!

がしかし、検査のために飲まされた液体が果てしもなくまずかった。
苦いだけでなく、口の中にねばねばとまとわりついて取れません。
検査結果はバッチリで「お水飲んでいいよ~」と言われたのですが
そのねばねばを取るために何度もうがいをし、それでも味が残っていて
楽しみにしていた一口目のお水は、なんともまずいものになりました。
あぁ、もっとおいしいお水を飲みたかった。。。ものすごくがっかりしました。

翌日から流動食が始まりました。
重湯と、薄いお味噌汁がそれぞれお茶碗に1/3くらい。
そんなものでもすばらしくおいしかったです。
また私は自分で食べられるようになったんだと思ったら涙が出ました。
間食にはスキムミルクの葛湯や薄いフルーツジュースなどが出ました。

同じようなメニュー(味噌汁がスープにかわるくらい)が2日続いて、次は3分粥。
いきなり「おかず」が出ました。
昨日まで重湯だったのに、いいのかい?って感じです。
炒り卵、マッシュポテト、茶碗蒸し、白身魚のすり身、などなど。
間食にはビスケット、ゼリー、マシュマロ・・・とだいぶ充実してきましたが
全部食べるのはまだ難しいです。

それがまた2日続いたあと、今度は5分粥。
味噌汁に具が入りました。お麩や柔らかいキャベツなど。
おかずもだいぶ形のあるものが増えてきました。
カボチャやジャガイモをくたくたに煮込んだものとか
茶碗蒸しにささみの細かいのが入ってたりとか。
デザートに缶詰のフルーツが出てきたりもします。
この頃から間食に、赤ちゃん用のおせんべいやウエハースが出てくるようになって
これは退院したら買っておこうと思いました。

そしてまた2日経って、今度は全粥に。つまり普通の「お粥」ですね。
退院後に読んだ本によると、全粥まで通常は3週間かけるんだそうです。
私は1週間しか経ってないんですけど。。。

おかずは突然「固形物」になりまして、食べるのに疲れるようになりました。
いきなり海老とか蒲鉾とか、噛み砕くのにけっこう力がいりますよ。
あごの筋肉、衰えてますし。
ささみのソテーなんて、油がないぶん余計に食べにくいです。
オヤツに出てくるカステラも、ぱさぱさして飲み込めないし。

そしてその頃から、食べた後の腹痛が始まったんですねぇ。
やはり固形物を食べるのはまだ早かったんじゃないでしょうか。
食べると痛む、の繰り返し。
食べること自体が怖くなってきました。

今思えば、ゆっくりゆっくり食べているつもりでも
まだ食べ方が早かったのかもしれません。
もっともっとよく噛んで
一口ごとに休憩をとるくらいのスピードで食べなきゃいけなかったんでしょうね。

でも誰もそんなこと教えてくれないし。
I医師に「栄養士さんの指導を受けたい」とお願いしてみたんですよ。
でも「栄養士は、栄養バランスや添加物のことばかり気にして
あれもダメこれもダメと言って食べるものがなくなるから受けないほうがいい」
と言うのです。
そりゃあ、食べることの楽しみを奪われるような指導はいやですけれど
どんな時期にどんなモノをどんなスピードでどの程度の量食べられるのか
そのくらいは教えて欲しかったです。
っつうか、教えるべきなんじゃない?

所詮は大学病院、なにかあっても手術すればいいんだし
そのぶん「合併症のデータ」が増えるだけ、ってことなんですかね。

退院して10日目の今、知人が送ってくれた「胃摘出後のレシピ集」を見ながら
とにかく食べられそうなものをなんでも買いあさって試行錯誤しております。

現在の私

2008-03-15 | 闘病生活
入院中の話はちょいとお休みして、今現在の具合などを・・・

食べるとお腹が痛くなる、という症状は和らぎつつあります。
しかし、なんとも気持ち悪いです。
一口食べたとたんに即、腸が動き出し
「グルルルルッ」とブルドックのうなり声みたいな音を立てます。
テーブルの向かい側にいる娘ッ子がびっくりするくらいの大きな音です。
まだ消化のスピードに腸の働きがついてゆけないのかも。

腸の動きが激しすぎるため
痛くはないけど押さえつけられてるみたいで、ひじょうに不快。
そして、自分の意思で動かしているわけではないのに、疲れます。
なんとも理不尽です。

食べる量は、調子のいいときで食パン8枚切りを1/2枚。
ご飯ならスプーンに3杯ってとこ。(スープなどで煮込むからちょっと量は増えます)
白身のお魚の切り身半分とか、お豆腐1/4丁とか。
ヨーグルト1個にコーンフレークとフルーツを刻んで入れて完食しちゃったときは
自分でもびっくりしました。

これだけじゃとてもじゃないけど体がもたないので
病院からもらってきた液体の栄養剤を飲んでます。
まずいけどね、しょうがない。

あとはもう、テーブルの上にクッキーやらボーロやらマシュマロやら
とにかく消化がよさそうで口あたりのいいものを片っ端から並べて
食べたいときに食べる生活。
赤ちゃん用のおせんべもかかせません。(けっこうウマイんだ、これが)

でも今日は、どうしても体に悪いモノが食べたくなって
娘ッ子のために買ってきた焼きそばの麺2本とポテトチップ3枚にチャレンジしました。
油モノはやはりまだ早すぎたようです。
腸の動きがいつにも増して激しくなり、疲れて少々寝込みました。
医師が言っていた「何が食べられてなにがダメなのか
ひとつひとつ自分で試してみるしかない」というのはこういうことですね。
っつうか、絶対よくないのわかってたけどさ。食べたいんだもん。

当然体重は落ちる一方です。
入院中はたいして変わらなかったので医師も安心してたみたいなんですけどね。
さすがにこれだけ食べられない日が続けば、落ちますわね。
腹筋背筋も弱ってしまったようで、背中が痛いです。
もう傷口も痛くないので、少しずつ体を動かしてはいるのですが
筋肉つけられる程には動けません。
当分、湿布薬のお世話になりそうです。

退院3日目くらいから買い物には出ていますが
ようやく自転車をまともなスピードでこげるようになりました。
おぉ、少し体力復活してるなぁとうれしくなりました。
そういえば今日はスーパーのベンチで休憩しないで帰ってこれたなぁ。

あとは掃除機をかける気力が湧いてくれればいいんですが。。。
いまだ埃だらけの部屋で万年床の生活をしております。
来週あたり、そろそろやる気になれるでしょうか。
早く掃除しないと、違う病気になってしまいそうでコワイです。

腸が動くときの音、どうにかならないんでしょうかねぇ。
今月末と来月初め、ミュージカル見に行くんですよ。
シーンとしてるときにこんな音が鳴っちゃったら、私、いたたまれませんわ。