第3932話 「おかげさま」との出会い(前編)

2023年12月30日 10時00分00秒 | Weblog

手を合わせ、願い事を唱える時は、

いつも「赤ちゃんが授かりますように」だった。

どんなに望んでも叶わぬ願いがあると知ったのは、

四十代の幕開け。

 

兄弟・兄妹・姉弟・姉妹(きょうだい)のいる

家族連れを街で、年賀状で拝見するたび、

小さく傷つき、気持ちが曇ったり、焦げたり。

願いも度を超すと執着となって・・・苦しかった。

 

待望の第二子。

一番叶えたかった願いが叶わないと知ってから、

努力ではどうにもならないことを知ってから、

願い事を問われても何も思い浮かばなくなった。

 

それでも手を合わせ、

願い事を述べる機会は訪れる。

困った私は、その場しのぎに

感謝(事実)を述べることにした。

 

ひとり息子がいること、

健康で在ること、

生きていること・・・

なぜかこの時、心穏やかな心地よさを味わう。

 

(明日につづく)


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