チョ・ナムジュ著 斎藤真理子訳 筑摩書房 2018
3月18日(金)の夜、CSの番組表を見たらムービープラスで「82年生まれ、キム・ジヨン」を放送していました。
チョン・ユミさんとコン・ユさんが出ていて、途中から録画をしました。
「82年生まれ、キム・ジヨン」はかつてベストセラーになり話題になった本でした。
そこでまず本を読むことにしました。
図書館で借りて、今日の午前に読み終わりました。
確かにベストセラーになるくらい力があっておもしろい本でした。
かつて読んだ「母をお願い」を連想させる突き放した、救いがない結末でした。
韓国に生まれた女性が出合う残酷な通過儀礼が描かれていました。
キム・ジヨンは一つ一つの関門を超えて行くたびに傷つき、心が壊れていきます。
結果として別人格が現れてしまいます。
夫は彼女を病院に連れていきます。
本は病院の医者の視点で描かれ、彼女が通院している時点で本の物語は終わります。
この本をどう映画化したんでしょう。本のままでは映画になりそうもありません。
で、映画を観ました。
さすが、韓国。売れそうな映画を作り上げました。
対応する人物は変わっていてもエピソードはほぼ同じでした。
映画はキム・ジヨンがかつてなりたかった作家になり、「82年生まれ、キム・ジヨン」という小説を書き始めるシーンで終わります。
ハッピーエンド。
本を読んでから映画を観てよかった。逆なら本を読み終わってびっくりしたことでしょう。
映画みたいな内容だったら本はこんなに話題にならなかったと思います。
さて「ずっとやりたかったことを、やりなさい」ではシンクロニシティについて記述があります。
アーティスト・ウェイを始めるとシンクロニシティが発生しやすいのだそうです。
「82年生まれ、キム・ジヨン」に今、出会ったのはまさにシンクロニシティだったのでした。
キム・ジヨンはどんどん自分を抑圧して、自分を無くしてしまいました。
彼女がもしモーニング・ページ(アーティスト・ウェイ)をしていたら、たぶん自分が無くなることはなかったのではないかと思いながら本を読んでいました。
そしてアーティスト・ウェイを続けていれば、映画のような作家(アーティスト)になれたことでしょう。
そんなことを考えてしまいました。