最終話まで、一気に見せてくれました。
こんなに濃厚な人間ドラマはいままで見なかったような気がします。
少しも気になるところとか、つっこむところがありません。
18話のヘインとオ・スンハのデートシーン、つかの間のしあわせ、陽だまりみたいなシーンが、迫りくる悲劇をさらに強調します。
ラストはこれしかないというもので、とても納得しました。
復活を見ていて残った不満として、復讐は初めのころは愉快だったのに、復讐が進むにつれて、対象の人物の家族やまわりの人を不幸にしてしまい、復讐者が苦しむようになるという矛盾を解決できなかったということがありました。
そこで、魔王では、復讐する者と、復讐される者、両方の立場からドラマを作ることで、復活の矛盾を解決したのだと思います。
途中、不思議なことにオ・スンハの抱える苦しみの方が、カン・オスより大きいように感じてきます。
少なくとも、カン・オスは悩みが大きくなっていかないのです。
なぜなら、現在の事件はカン・オスが起こしているものではないからです。
犯人を追いかけることで、カン・オスは悩みから解放されているのです。
オ・スンハは復讐をすればするほど、復讐の矛盾が大きくなっていくのです。
オ・スンハの最終目的がカン・オスに殺されることだとは、まったく気づきませんでした。
雪の女王との関連で言うと、テウンがドックと名乗って別人になったように、テソンもオ・スンハとして生きていました。
あまりにも、悲しいことがあると、人は別人にならなければ生きていけないのでしょうね。
うまい、実によくできたドラマでした。