■三味せんの糸おらんだの文字に切れ
三味線の糸オランダの文字に切れ
■うるしくさく無ひ道具ハ二度目なり
漆臭くない道具は二度目なり
道具:花嫁道具
■朱塗の御はし日光のぜんへつけ
朱塗りのお箸日光の膳へつけ
日光の膳:日光産出の朱塗りの膳
朱塗り:日光神橋に掛けたか
・暮の章(ふみ)なにがとふでもよこせなり
暮れの文何がどうでも寄こせなり
■美(み)がひてハあれど通らぬ客喜勢留
磨いてはあれど通らぬ客煙管
客煙管、磨いたあるが、使わずにいて中詰まり…
■上草履あとあとじつさりに客へかし
上草履後ずさりに客へ貸し
遊女。後ずさりして、客に自分の上草履を貸し…
■踊り子ハ吸もの椀に寝て仕舞
踊子は吸い物椀に寝てしまい
生きたまま吸い物に入れられた泥鰌、
ついに観念し椀のなかで寝てしまった…
(読みほか参考...『画本柳樽全十編』江戸川川柳研究会)