カナディアンロッキーで暮らす

カナディアンロッキーで暮らす茶道とカルトナージュ愛好家の日々

ロッキーはもう秋 

2023-11-19 20:52:00 | 出たっきり邦人・メールマガジン

No.232


こんにちは。
今夏も、暑~い!と感じたのは僅か4、5日だったカナディアンロッキーです。
日中30℃越えになっても木陰に入ると涼しいので熱中症などにはなりません。
17年間日本の夏から遠ざかっているので今や38℃がどれくらい暑いのか思い出せない、それどころか完全に体が
寒冷地仕様になっている気がします。冷下35℃の朝でも、近年は驚くことなくトイレまで暖か~い家の中で上手
に1日を過ごす方法を身につけています。ガレージ(ここでさえ暖房効いています)に置いている冷凍庫内を掃除
するのもこんな日です。冷凍庫の中身を外に出しても冷凍は緩まない、だって冷凍庫内より外の方が冷たいのですから!

もう秋、と書いたのはすでにアスペンの葉が黄葉し始めているからです。通常ロッキーの黄葉真っ盛りは9月中旬から
20日ごろです。8月20日過ぎた頃からナナカマドの実も急に赤く色づき始めました。日暮も徐々に早くなり、夏至の
ころは11時前まで明かるかったのに今は9時前には薄暗くなってきました。

ロッキー周辺ではありませんが、BC州ケローナやノースウェスト準州のイエローナイフ周辺で起きている山火事がかなり
広範囲に及んでいます。イエローナイフの住民22000人全てに避難命令が出て、実は我家も明日からのオーロラ鑑賞
ツアーに出かけるはずでしたが諦めなければなりませんでした。鎮火まで相当な日数がかかりそうで、10月半ばには道路
が凍結する可能性があるし、もちろん冬季は車で行くことができなくなるので再プランは来春4月半ばごろの雪解けを待っ
てからになりそうです。

今夏は6年ぶりに国境を越えモンタナ州ハングリーホースで暮らす友人家族を訪ね、ハックルベリーピッキングを楽しんで
来ました。久しぶりだったのでグレーシャーナショナルパーク内にあるGoing Sun Roadを通過して…とプランしていること
を友人に話すと「通過するには予約を取らないといけない」と聞きびっくり!当然ですが、WEBサイトで調べたら予定の日
全く予約はとれませんでした。

昨夏はまだ移動制限が残っていたりしましたが今夏は何の制限もなく、丸3年間コロナ禍で動けなかった人たちが一気に
バケーションに出かけているようでカナダもアメリカもキャンプサイトは全て空きなし、ホテルの料金も高騰。

モンタナでいつもカルガリーから同行してくれていた友人夫妻と4人で利用していたモーテルですが、以前は2ベッドルーム
で180ドルだったのが、今年は何と390ドルと異常な値上がり&7~8月はほぼ満室。
これを知った時はモンタナ行きは諦めようかと思ったくらいでした、が、友人の計らいで敷地内にある、娘さんのために建て
た小さなキャビンを提供してくれると言うので、ありがたくお言葉に甘えました。

 


日本では歯のインプラントは保険適応外の治療ですが抜歯などは保険適応となるのでカナダでインプラント治療を受けるのと
日本で同じ治療を受けるのでは多少なりとも治療費に差が出ます。住民票が日本のどこかの市町村にあれば国民健康保険が
いただけるので日本であれこれ治療を受けられるのは、医師の説明も日本語なのですんなり理解できますし、両国の良いところ
を利用出来る我々は本当にありがたいと感じています。

住民票が日本にあると多少税金の支払い義務は生じますが、それには関わらず医療に関してはたくさんの恩恵が受けられる
と感じています。カナダには市民検診などというものはなく、患者は何か気になることなどあれば、主治医に状況を説明して
専門医の診察を受けられるように予約してもらいます。受診科にも寄りますが、緊急性がないと判断されればMRIなど半年以上
待たされることなど当たり前、となっています。

その間に病気が進行してしまうのでは?とずっと心配するくらいなら、日本でさっさと家庭医に相談して大きな病院や専門医を
すぐに紹介してもらえるほうが安心!と言うことで、帰国のたびにまとめてあれこれ受診する、ということに繋がっていると言
うわけです。

一方、カナダの永住権があると言うことで、日本に短期で滞在中は免税で色々物が買える、と言うメリットもあります。5500円
以上のお買い物に対してという制限はありますが、一年分を買い貯めてカナダに持ち帰るということで、かなり有効に利用させ
てもらっています。

JR Passのことは以前書いたと思いますが、これもかなり有効利用しています。
今秋は円安なので去年よりも随分買いやすい値段になっています。どのように使うか、いつも日本に行ってから考えることにして
いますが、もう昨年のような旅行支援は無いと思いますが、実家のお墓参りや、久しぶりに山陰か北陸で「かに」と温泉を楽しむ
ために利用できれば嬉しいなぁと思っています。

冒頭で、すでに黄葉が始まっていると書きましたが、今年は何もかも少しづつ早く動いているような気がします。春が訪れるのは
ちょっと遅かったのですが、初夏に咲く高山植物は2週間くらい早くから咲き始め、モンタナのハックルベリーも同じく8月を待
たずに熟していました。そして今は足早に秋が訪れようとしています。

ここ数年、7月~8月にかけて山火事の影響で煙害が多発しています。山火事の主な原因は落雷です。雨が少なく乾燥しているところ
へ落雷があるとすぐに枯れた木々から発火し、あっという間に燃え広がっています。近年はパインビートル(松食い虫)にやられて
立ち枯れた木々が目立ちます。

山火事が起きれば松食い虫の入った木々は燃えて虫も一緒に消滅するので、悪いことばかりではありませんが、これ以上地球温暖化
が進めば、この先一体カナダの森はどうなるのか、この素晴らしい自然環境を次の世代に繋げていくために、今我々が出来ることは
なんなのか、深く考えさせられます。

次号は、また日本(京都)から発信することになります。以前にもまして海外からのツーリストが増えている京都は、一年経って
どのように変わっているのか。在カナダ17年で、かなりカナダナイズドされた私の目から見たり感じたことなどお伝えしてみたい
と思います。

そうそう4年ぶりにマカオにいる長男家族を訪ねることができるので、孫に会えるのがとっても楽しみです。最後に会ったのは4年前
の‘19。小2だった彼もすでに小6。あの頃のように手を繋いでくれないかもしれないし、ぎゅ~とハグも出来るかどうか…
そう思うと今からウルウルしてしまうバァバです。

Busy Summer

2023-11-19 20:09:00 | 出たっきり邦人・メールマガジン
#231




こんにちわ。
朝晩たまに10度以下になることもありますが、本格的な夏を迎えたカナディアンロッキーです。
日中は30℃になる日もありますが、木陰に入ればそこはまるでエアコンが効いた部屋のように
涼風が吹いています。そんなの信じられないですか?でも本当なのです。

17年間、一度も真夏の日本に帰っていないので、その暑さがいかほどかすっかり忘れてしまって
いる気がしますが、夜9時こちらで観られるTV Japanのニュースは日本の正午のニュースとなる為
大抵どこかの地方が40℃越え...熱中症に十分ご注意を、とか、我慢せずエアコンを使いましょう!
といっているのを聞くと今更ながら『カナダ移住は暑さに弱い我々(夫婦)にはベストな選択だったね』
とうなづき合う今日この頃です。

コロナで丸3年間動きが止まっていたツーリズムがここへきて一気に大爆発!です。
トランツカナダハイウェイ(カナダの東西を横断している無料の高速道路)は常に車が連なり、たまに
道路補修工事で片側車線になったりすると10kmほどの渋滞がすぐ生まれ、大きなキャンピングカーが
連なっています。
隣町のバンフへ行くと歩行者天国になっているメインストリートBanff Avenueは銀座並み?(表現が古い
ですね)に混雑しています。

残念なことに、日本からの観光客は今のところほとんど見られません。アジア方面ヨーロッパ、オセアニア
からからはコロナ前にも増してツーリストが増加しているように感じますので、円安の影響が大きいの
かも知れませんね。航空券は以前と比較すると1.5倍になっているし、ホテルの宿泊料金も同じく、いえ
それ以上に高騰しています。

タイトルにした「Busy Summer」は、久しぶりに「マスクもなし」「人との接触がどうのこうの」って言わ
ないですむ、本当に自由な行動がとれるようになったことで今まで抑えていた人との交流が一気に始まり
ディナーにお呼ばれ、バックヤードでBBQやら、グループでハイキングやら...週に1、2度はソーシャルで集う
事が増えその合間にゴルフや茶道のお稽古、ご近所のワンコのお守り、と一日中何も予定なしでのんびり過ごす
ことが出来る日はほとんどない状態です。

コロナの最中は、食後の1時間散歩以外は家で過ごす事がほとんどだったのであれこれ食事やデザート、パン作り
など、時間をかけてやることにささやかな喜びを見出していたのに...今は手短に作れる料理を選んでいる自分が
いるので、変われば変わるものだと(笑)

我が家の恒例行事の一つ「ハックルベリーピッキング」今夏は頑張ってモンタナへ出かけます。いつも同行して
くださるご夫妻は今年不参加となり、我々だけですが6年ぶりに車で国境を超えていってきます。現地在住の
友人情報だと、すでに標高の引くイチコロでかなり収穫できているとのこと、とても楽しみにしています。

今現在のロッキーは、州の北東部辺りで起こっている火事の煙の影響で山の景色が殆ど白い靄に包まれて見えない
状態です。昨夜は結構雨が降ったにも拘らず、今朝も煙は消えておらず...風向きにより、火事独特の煙の匂いまで
漂ってきます。この山火事、ひとつだけ良いことがあります。近年パインビートル(松食い虫)が増え続けて枯れる
松の木が増加していますが、この山火事によって松食い虫が駆除されているのです。

乾燥から起きる自然発火の山火事、近くに民家もないので消火活動も行わず、自然鎮火を待つということで、近年は
毎夏の煙害がロッキーの「夏の風物詩」になり始めているのかと思うと、私には全く受け入れ難い事ですが、カナ
ディアンたちはあまり問題にもせず受け入れている感ありなので、寛大なんだか無関心なんだかわかりません。
どんなにスモーキーでも、雨さえ降らなければ昼間っからテラス席で大ジョッキでビールを飲みながら楽しそうに
歓談している彼らがいます。

余談ですが、先日ちょっと歯茎が腫れていることに気づき、放って行かない方が良いと思い歯科予約を取るため電話
しました。ところがいつもお世話になる医師はバケーション中とのこと。お陰でやっと診てもらえたのは10日後
でした。もう抜歯してインプラントにした方が良いということで、専門医の予約を取り直そうとしたら、なんとその
医師はひと月のバケーションに入るため、予約できるのは限られた日にちか、好きな日にしたければ8月中旬以降に
なると言うではありませんか。

日本のお医者様を何人も知っていますが、そんなに長期休暇をとっている医師はほぼいないような気がします。でも
今は時代が変わっていて、日本の医師も欧米並みに長期休暇を取るようになって来ているのでしょうか?患者にとっ
てはあまりありがたくない医師の長期休暇ですが、ずっとストレスを抱えっぱなしで働きづめの先生より、休暇をとって
リフレッシュして現場に戻ってバリバリ働いていただく方が良いのかも...。

去年から私よりかなり年上のレディースたちと週一回9ホールのゴルフを楽しんでいます。80歳超えてもなお、パワー
カートは使っていますがプレーを楽しむ彼女らをみていると、自分も後もうしばらくは楽しめるかな、と元気をもらって
います。

ではまた次の号でお元気でお過ごしください。


日本から長期滞在ゲストを迎えて

2023-11-19 19:01:00 | 出たっきり邦人・メールマガジン
No.230


こんにちは。

タイトルにしたのは、日本から姉と彼女の親友がカナダにやって来て6週間近くロッキーで過ごしました。
旅の始まりと終わりは我が家で数日過ごし、イエローナイフへオーロラ鑑賞に出かけたり、帰国の前にはナイアガラの滝とプリンスエドワード島へ出かけました。

ふたりとも数年前に夫を亡くしちょっぴり寂しい日々を送っていたので、姉にカナダへ遊びに来たら?と誘ったら、同じ境遇の友達と行きたい!と話が進みました。
2人が快適に過ごせるためにキャンモアのダウンタウンに手頃な2ベッドルームのバケーションコンドウを借りました。
町中なのでどこへ行くのも便利で、部屋からはマウンテンビューもあり、広いキッチンとリビングダイニング、デッキにBBQグリルも設置され、女性2人には充分の広さです。

以前は2000ドル程度でひと月借りることができる物件がありましたが、最近どんどん値上がりして、いま同じ条件の部屋を借りると10日で2000ドル!
これで円安が続くとカナダはあまり魅力的な旅先ではなくなりますね...。
かつてバンフのメインストリートは日本からの観光客で溢れ返っていて人気旅行先のTOP3に入るほどの人気だったのに、いまやその賑わいがすっかり消えてしまいました。
コロナ後のツーリズムの復興が遅れ気味なのも気になりますが、日本以外のアジアオセアニア、ヨーロッパ方面からの来訪者はかなり戻って来ていると感じます。

日本から到着したての頃、姉達は誰もマスクを着けていないことに衝撃を受けていました。
1週間経った頃にはno-masuk にもすっかり慣れたようですが、コロナが5類感染症扱いになった後に帰国するので日本はどうなってるだろう?と話していました。
実際帰国してみたら、もう80%の人がノーマスクで、もう違和感はなかったようです。

70歳越えで初の海外長期滞在を経験した姉達。我が家から独立!?してコンドウ生活を始めた頃は戸惑いながらも、私の心配をよそにとても活き活きと生活し始めていま
した。まずは小さなキャンモアの町中を無料で巡っているROAM  BUSの乗り方を学習しました。

何せどこまで行っても(循環バスなのでエンドレスに乗ることが出来る)、何度乗っても無料、なのでぐるぐる2周してバス停を覚えたり、好きそうなカフェを見つけるとそこ
で下車して「お茶」してダウンタウンに戻る、美味しいハムやソーセージを製造販売しているお店を教えると、バスに乗って買いに行く、など楽しく過ごしていました。

国立公園内の町Banffへ行くバスは有料ですがシニアは半額で片道3ドル。
10回券を買うと25ドルとお得なので、姉達はそれを利用して出かけていました。Banff市内のバスはシニア1ドルなのですが、キャンモアから乗り継ぎはトランジットチケットをもらうと90分以内は無料、その特典を教えるとうまく利用してサルファー山のゴンドラ乗り場まで行き、7分間で山頂に上がれるゴンドラの料金が74ドルと知ると、歩いて登っている若者たちに混じってジグザク道を頑張って歩いて登ったり、かなり大胆なことにも挑戦していました。
2時間10分掛かったそうですが、意外と疲れもみせず嬉しそうに「無事登頂!」とメッセージを送ってくれました。

ほぼ毎日、歩いて10分くらいのスーパーマーケットに出かけて食材を調達し、自分たちであれこれ料理も楽しんでいました。時々声をかけて我が家でランチやディナーをしま
したが、循環バスで15分で我が家へ来ることが出来るのです。
姉たちが外出した時の交信は主にLINEを使っていました。どちらもiphoneを持って来ていたのでカナダで電話とWi-Fiが使えるようにこちらのプロバイダーでSIMを購入。
ひと月35ドルの契約で電話番号も貰え、free wifiの使えないところでも検索や私との交信が可能なのはとても便利でした。

長いと思っていた2人のカナダ滞在ですが、あっという間に終りました。最後は東部へ飛び、ナイアガラの滝の見える部屋に泊まり、次はシャーロットタウンに移動して2泊。
『赤毛のアン』の世界を楽しみました。2人だけでの移動に不安があったようですがなんとか全てこなして大きなロブスターや生牡蠣を堪能して、無事キャンモアへ戻って
きました。

長らく姉とはゆっくり話す暇なく移住の為日本を離れましたが、今回は沢山おしゃべりする時間があり、昔話や子供達、孫たちのこと、お互い40年ほどのブランクを一気に
埋められた気がします。今秋は4年ぶりに長男と家族が暮らすマカオを訪ねることが出来ると話したら、姉も彼らの結婚式に夫妻で出席してくれて以来なので同行したい
との事で、早速プランが決まり10月に私が帰国する時に日程を調整し一緒に出かけることになりました。
まもなく6月。
今はまだ氷が溶けていない湖もありますが、6月半ばにはどのトレイルも開き一年中で一番高山植物がたくさん咲く時期を迎えます。日本では今春桜がかなり早く
咲いていましたが、ロッキーは反対に春先寒い日が続き、その影響で例年より10日以上何でも開花が遅れているようです。
高山植物の遅れに比べると、市中でよく見られるライラックの花はほぼ例年通り咲き始め独特の香りが漂っています。

ではまた!お元気でお過ごし下さい。

 オーロラ大爆発!

2023-06-18 12:26:42 | 出たっきり邦人・メールマガジン

 

                    No.229

    

こんにちわ。
カナディアンロッキーも春めいてきました!
とはいえ、まだ側道のあちこちに解けきっていない雪(氷!)の塊が残っています。
今週に入りさすがに−10℃という日は無くなり、日中は5〜10℃になることもあり
来週には全て解けて、春告草クロッカスの新芽を見つけられそうです。

3月は何度もオーロラが現れ、そのうち2回は11時ごろから明け方の3−4時後ろまで
私の住むキャンモアでも夜空にゆらめく緑や青のオーロラカーテンを観ることが出来
ました。この辺りではほとんど赤い色は確認できませんが、カメラのレンズを通すと
なんと!赤い色も写り込んでいて、素晴らしいショットとなっていました。

今回のオーロラは広い範囲で観察できました。レイクルイーズからカルガリー方面で
写真を撮った人達が翌日のFacebookにきれいな画像をたくさんアップしていました。
自称フォトグラファーの夫も、毎日オーロラ指数を示すWEBサイトで確認を欠かさず
指数の高い日は人工の光が入らない場所に行き、カメラをセットしてその瞬間を待っ
ていました。もちろん空振りの日もありましたが、それでも先月は2度の大爆発があり
その夜(明け方)は興奮して帰宅、ベッドに入らず、すぐパソコンに向かって撮って
きた画像の編集に取り掛かっていたようです。

英語でオーロラは「ノーザンライツ(The Northern Lights)」。北部の光という意味
です。というのも北半球ではアラスカやカナダなどの北側で観測されることが多いため。
なので南半球では「サザンライツ(The Southern Lights)」といわれるそうです。
オーロラが観測できる南極やニュージーランドは南側だからで、日本語では北半球の
ものを「北極光」、南半球のものを「南極光」というのだそうです。





オーロラがなぜ現れるかというと、ちょっと調べて見たら…
太陽から吹きつける太陽風が地球とぶつかり上空の酸素や窒素などが刺激されて発光
する現象。大気中の原子や分子の種類によりオーロラの光の色は変わります。
また極地方の一部でしか観測できないのは、地球の磁力に太陽風のプラズマ粒子が引き
寄せられるため。
北極、南極はまるで磁石のN極、S極のようなもの。地球のまわりを、磁気圏という
磁場の流れが宇宙からくる宇宙線などから守っているが、太陽フレアなど太陽からの
影響が強いとプラズマ粒子が隙間から侵入してしまう。そして地球を守る最後の砦の
大気とぶつかるという仕組み。

なるほどね…と言いつつもイマイチよくわかっていない私ですが、この超自然現象を
目の当たりにする時にいつも感じることは…
「ちっぽけな自分が地球に産まれてこの瞬間に存在する不思議」です。

4月7日、カナディアンロッキーで暮らし始めた18回目の記念日でしたが、夫も私も
すっかりそのことを忘れていました。もう18年?なのか、まだ18年?なのか…
とりあえず、その間『もうここでは暮らせない!』と切実に感じたことはありません
でした。ただ一つ日本の「食」への憧れはいつも脳裏を離れず、カナダでも食生活は
日本そのものの我が家です。それも、最近はカルガリーまで出かければ結構いろいろ
日本の食材を手に入れることができるようになってきたことで、よりここでの暮らし
がしやすくなったと思います。

いよいよ5月8日から新型コロナウイルス感染症の感染症法上の位置づけが5類に変更
され、ほぼ元通り海外へ自由に行けるようになりますね。私ごとで恐縮ですが、マカオ
で暮らす長男家族と今秋やっと4年ぶりに会えることになります。時々お嫁ちゃんが
孫の様子を画像と共に知らせてくれてはいましたが、小2だった彼がいまは小6!実際
に会ってこの手でハグしないとその成長ぶりを実感することはできません。今から会え
るその日を心待ちしています。

2月に2週間のハワイ旅行があり、その前後に自宅で「茶の湯」の集いを催す時間が
とれていなかったので、先日いつものメンバーに声を掛け、集まることが出来ました。
今回は「桜の茶会」と題して、掛け物、茶碗、生菓子など「桜尽くし」のうえ、皆さん
着物を着て茶の湯を楽しむをテーマにしました。




私たちの年代だと母親の用意してくれた着物をカナダへ持って来ているという方が多い

のですが、暮らしの中で着る機会が全くないままタンスの奥で眠っているというので

それを引っ張り出して持って来てもらい、幸い茶友の中にかつて着付け教室の先生を
していたという貴重な人がいるので、彼女に教えてもらいながら「着物を着て茶の湯」
を実行しました。私自身は、30歳代から月2回の茶の湯のお稽古に必ず着物で伺って
いたので、いつの間にか自己流でちゃんと着ることが出来るようになっていました。

着物を着るだけで背筋がピンッと伸びると、みなさん喜んでいました。
散らし寿司と碗ものを点心として用意、みんなで頂きながら歓談。午後からは立礼卓
で点前をして薄茶を楽しみました。「立礼卓」は‘06、日本を離れるときに夫が「畳の
部屋を造ってあげられないからリビングに置いて茶湯が楽しめるように」とプレゼント
してくれたもので、台が3つに分かれるので移動しやすく、あちこちで茶道のイベント
を頼まれるたびに大活躍しています。

その後、いまのタウンハウスに引っ越して、小さな部屋を4畳半の小間に改造、畳も
わざわざ日本から送ってもらい素敵な茶室ができたのですが…昨今は正座ができない人
が増えているので、ほとんど一人稽古の時に使うのみで、あとは立礼卓が大活躍です。

次回、カナディアンロッキーからの配信は6月2日の予定です。
どうぞお元気でお過ごしください。

Junko@Canadian Rocky

 


2023/03/10

2023-03-10 19:00:00 | 出たっきり邦人・メールマガジン

                                    No.228


       ☆★☆  49年ぶりのHawaii ☆★☆

3月に入り、日本ではもう桜便り聞かれる頃ですね。
カナディアンロッキーはまだまだ−20℃になる夜もあります。
それでも太陽が山の上を移動するようになり、日照時間が長くなって確実
にここにも春は近づいています。

話は2月に戻りますが、2週間ハワイにバケーションに行って来ました。
タイトルにも書きましたが最後にハワイに行ってから49年経っています。
ほぼ半世紀ぶりに訪た常夏の国は空港に到着した途端、この風と熱気!と
古い記憶が甦りました。

同行の夫は初ハワイ。かつて一緒に旅行した南国はフィジーでした。
NZで二人きりのウエディングの後ハネムーンでフィジーに滞在。記憶では
ハワイよりもっと湿度が高く、調べたらあちらは熱帯<雨林>気候でした。
行きはバンクーバーから直行便で6時間。機内でウトウトしていたらすぐに
到着。ラゲージも案外早く出てきて、ネットで頼んでおいたダウンタウンの
ホテルへ固定料金で行ってくれるタクシー会社に連絡、片言日本語のドライ
バーさんで「アラモアナショッピングセンターに新しい日本のスーパーが
オープンしたから行ってみるといいよ」なんて案内してくれました。

ホノルルの宿泊はゴルフ仲間所有のバケーションコンドウを借りました。
フルキッチンと海側に大きなデッキ(ハワイ語でラナイ)付きのワンベッド
ルームで、ラナイからきれいなラグーンと海が真正面に見える素敵なところ
です。個人所有とホテルとして使われているお部屋が混在していて、24階
建ての16階からの眺望は素晴らしくすっかり気に入りました。毎週金曜日
の夜は花火が上がるのですが、なんと真正面のラグーンから打ち上げられた
のでゆっくりラナイから鑑賞しました。



49年の間にワイキキ周辺はもっと大きく変わっているのかと思いましたが
案外老舗ホテルや大型商業地区などはそのままの雰囲気が残っていました。
今は円安でハワイ旅行には良い時期とは言えませんが、半世紀前は1ドルが
360〜260円時代でしたから、今の方がずっとマシ、と言うことです。
それと−20℃の世界から25〜26℃の世界は本当に服装と共に体が軽く心身
ともに開放されました。

コンドウのオーナー夫妻からワイキキとアラモアナ間を回る「ピンクバス」
はJCBのクレジットカードを持っていると無料で利用できる、ホテルの1Fに
あるアイスクリーム店は火曜日ワンスクープが半額の2ドルになる!などお得
情報を聞いていたのできっちり利用しました。
毎朝7〜8時ごろ、ワイキキの海岸を散歩してからラナイで朝食、これが憧れ
のバケーション!と、実感できる時間を過ごしたのでした。

夫の希望で第二次世界大戦勃発となった真珠湾攻撃で沈没した戦艦アリゾナ
の記念館を訪ねました。手荷物はたとえ小さなポシェットでも12ドルで貴重
品預けに置かないと入館できませんが入館自体は無料、スマホやカメラの持ち
込みはOKでした。





乗組員1177名中1102名もの死者を出し沈没したアリゾナ号は一部分が海の上
に出ていていまだに船体のどこからかオイルが漏れ出ています。記念館は船体
が沈んでいる上に建設され、戦没者の慰霊碑もあり、記念館へは30分おきに
海軍のボートが運行されています。

オアフは大都会なので後半は自然がいっぱい残っているハワイ島(Big Island)
へ移動しました。神戸から夫の親友夫妻も合流してあちこち島の自然を巡って
楽しもうとプランしていたのですが、あいにく予報が雨続きで、晴れのうちに
キラウエア火山の噴火を観たりゴルフを楽しみ…あとは予報が当たってかなり
の量の雨降りになり、4人で残りの3日間をどう過ごそうかと相談の結果、友人
夫妻はホノルルに行ったことがないというので急遽2泊ワイキキのホテルを取
り、コナーホノルル片道48ドルという格安チケットを見つけて即買い。翌朝
オアフ島へ出かけました。

コナは雨だったのにホノルルに着いたら晴れ!やっぱりハワイは晴れてなくっ
ちゃ〜!と4人で年甲斐もなくはしゃいで昼間っからビール三昧となりました。
コナでは標高500mに建つ山荘を借りたので雨降りだと家が広くて肌寒くても
暖房器具はなくシャワーで温まってすぐベッドに入る、でしたから。

ハワイ島の3日目に一日プライベートガイド付きで島内を観光、11月末から
噴火しはじめたキラウエア火山の火口を観に行きました。火山はコナの真反対
にあるヒロの町まで2時間半、そこからまた1時間のドライブでした。
ファーマーズマーケットや昔日本人移住者で繁栄、いまはさびれた町になって
しまい、最近になって復興されつつある処などに立ち寄り、夜暗くなると溶岩
の噴き出す様子がよく観えるというので、ヒロの町で夕食を済ませて、いざ
ハワイ火山国立公園内にあるキラウエア山火口付近の見学ポイントへ。


テレビの映像などで観た事はありましたが、生々しい濃いオレンジ色の溶岩が
蒸気を出しゴボゴボと音を立てて吹き出す様子は正に「地球は生きている!」
と実感できる光景でした。お天気は下り坂でしたがなんとか雨には降られず
かなり長い間、境界線が設けられたポイントから溶岩が噴き上がる様子を観て
いました。山荘に戻ったら午前1時!なんと15時間の日帰りツアーでした。

再び友人夫妻と戻ったオアフではせっかくのバケーション!とワイキキでは
一番高級と言われるハレクラニホテルでハワイアンミュージックを楽しみなが
ら夕食。そこでフラダンスの第一人者カノエ・ミラーさんのダンスを観ること
ができたのもラッキーでした。
49年前にすでに建っていたピンク色のホテルで有名なロイヤルハワイアン
では名物のピンクパンケーキとエッグベネディクトを注文、お味も見栄えも(笑)
評判通り良かったです。

私達が驚いたのはワイキキにできた有名な讃岐うどん店に長蛇の列ができて
いたこと。列は2〜3重になっていました!日本と同じで職人さんがうどん
生地を練っているところがガラス越しに見えていました。暑いところなので
熱いラーメンより冷めたいうどんの方が好まれるのかもしれませんね。

コナの話ですが、山荘の庭にはパパイヤ、バナナ、アボカド、レモンやみかん
の木などがあり、勝手にとって食べてくださいね、と隣に住むオーナーさんに
言われたので、毎朝みかん狩り、バナナとパパイヤは高い所なのでオーナー
さんがとって届けてくださり、散歩道では野生のイチジクがたくさんあって
実は小さいけれどなかなか美味しい物でした。朝は野生の鶏の鳴き声で目覚め
近所のゴルフコースに行けば野生?の孔雀がたくさんいてこれまたびっくり!
溶岩の島Big Islandはまだまだ大自然がいっぱい残っている興味深い島です。

友人夫妻は朝のフライト、私たちは夜遅いフライトだったので、見送ったあと
UCCコナコーヒー農園を訪ねたり海岸沿いをドライブして北上、マカダミア
ナッツの工場にも寄って試食もさせてくれたので醤油フレーバーを買いました。
ヒルトンや名だたるリゾートクラブが並ぶワイコロア・ビレッジにも潜入して
素敵なバケーションコンドウや別荘をドライブしながら見たり、ビレッジ内の
マーケットで気の利いた寿司パックを見つけて購入。空港へは8時に行けば間
に合うので海岸沿いで夕陽が沈むのを眺めながら食べました。

ハワイから帰って一週間後にタウンの文化施設artsPlaceで「Culture Learning
Circle」というイベントで茶の湯を紹介してほしいと頼まれていたので、帰国
早々準備を始めなければなりませんでした。
和菓子はいつもお稽古のお菓子を作って貰っているカルガリーの友人に前もっ
て40個注文しておいたのでピックアップして帰宅。冷凍にしてあり当日2ー3
時間前に室温に戻せば作り立ての練切りの生菓子に戻ります。

ボランティアの志願者が6名になっていて、着物を着てみたいという方が5名
もいるということで慌てて着物の用意をして…
会場の都合で定員は30名でしたが8名もウェイティングリストにいると聞き
小さな町でも日本のカルチャーに興味のある方が多い事を改めて知りました。

コロナ以後、茶の湯のあり方にも変化がありました。濃茶の回し飲みはしなく
なり、ひとり一椀で濃茶を飲むようになりました。薄茶でも前の客が飲んだ
茶碗を点前で洗って次の客に使うという事は避け、一人一碗ずつ用意するのが
望ましいとなったので、手持ちの抹茶茶碗をかき集め、母が愛用していた物と
か箱書きのある茶碗はのぞき何とか35個用意しました。


当日はボランティアの方々に着物を着せてあげることから始まりました。
artsPlaceはギャラリー併設でコンサートや映画を上映する100名ほど入る
小さなシアターがあり、立礼卓と背後の衝立などの設営は夫に任せ、私は
今まで茶道の経験がない方が殆どなので一通り手順を説明して実際に茶碗を
温めて拭き、茶杓で抹茶を入れ、お湯はうまく50CC入る玉杓子を見つけて
茶筅で薄茶を点てるところを練習して貰いました。



参加者は長テーブルではなくキャバレースタイルシーティングという小ぶり
の丸テーブルを配し2−3人で座っていただくことで、空間があるので動き
易くお菓子やお抹茶も配りやすくなりました。
主催側の担当者の一人Juliaは昨秋スタッフのためにデモをしたときに着物
に興味を持ち、本番でMCをやってくれるというので、私が若い頃のお気に
入りだった着物を着てもらいました。
お茶を出し終えた後のトーク中に帯びの結び方を披露することになり、彼女
の帯を解いてまたお太鼓に結ぶというデモもやりました。

薄茶点前を披露する前に5分ほど茶の湯を始めるキッカケとか「茶道」は近年
「茶の湯」という呼び方に変わりつつあることや、日本は四季がはっきりと
していて、それに合わせて道具組やお菓子も変えていくこと、茶の湯の究極の
楽しみ方は茶事と呼ばれ、亭主は招いた客の前で炭を注ぎ、お湯が沸くまでの
間に懐石料理を出し、お湯が沸いたところで濃茶を練る、続いて薄茶を和やか
な雰囲気の中で頂きながらホストとゲストが一座建立を成し集いが終わる、茶
を嗜む人達にとって茶事は究極の贅沢なお遊びといえる、という短いスピーチ
をしました。

でも全く茶の湯のイメージを持たない人に言葉だけでどのようなものかを理解
して貰うのは難しいので、モニターに画像を示しながら説明できる機会があれ
ばよりお伝えしやすいのではと思っています。

無事にCulture Learning Circleが終わったあと、スタッフルームの一隅でボラ
ンティアの皆さん、artsPlaceのスタッフの方々と「虫やしない」として用意
しておいた「助六弁当」を食べて貰いました。私達日本人がお互いを労いなが
ら楽しそうにお寿司を食べている光景をartsPlaceのスタッフの方々が『とて
も微笑ましくて素敵な光景だわ』と言ってくださり、私もこんなお仲間と出会
えたことを心から感謝しました。



去年は念頭に茶の湯をもっと楽しめる環境作りをしたいと誓ったにも関わらず
結局はコロナの余波もあったりでお稽古クラスも実施できないまま終わってし
まいました。今年こそ!着物を着て薄茶をいただく、家庭で点前をしてご家族
一緒に薄茶を楽しめるように「盆点前」などのクラスを実施する、などなど頭
の中ではいろんなプランが浮かびますが、はてさてどれくらい実行できるか…
喜寿を迎え体と思考能力がどんどん衰えているという実感がある中、もう少し
元気でコミュニティとの関わりを持って過ごして行けたらと思っています。

ではまた自業でお目に掛かりましょう!
お元気でお過ごしください。