カナディアンロッキーで暮らす

カナディアンロッキーで暮らす茶道とカルトナージュ愛好家の日々

ロッキーはハイキング天国

2012-06-22 16:54:18 | 出たっきり邦人・メールマガジン



          〓カナディアンロッキー発〓

        『My スロ-ライフ 』 by Junko 

               No.27


        ☆★☆★ロッキーはハイキング天国☆★☆★



日本はもう全国的に梅雨入りですね。ロッキーには雨季のようなものはありま
せんが、冬季は除き、一年中で一番雨が多いのは、やはり6月です。

とはいえ、一日中降り続くことはまずなく一日の内で降るのは数時間、急に陽
が差したかと思うと、気温があっという間に8℃くらいから20℃へ急上昇。
わぁ晴れた~と、喜んでプランターに花の苗など植えていると、また黒い雲が
出てザーと雨が降りだす…。

上空の気温が低いと、大粒のヒョウが降ることだってあるので、この時期は車
を路上に止めて置かない方が無難です。
こんな感じで繰り返す日が、週に2、3度あるのがロッキーの6月ですが
後半になると天気は安定し、短いロッキーの夏がやってきます。

国立公園も州立公園も、多くのトレイルは10月半ばから6月半ばまで動植物
の生育保護のためにクローズしていて、解禁日には待ちわびたハイカーたちが
一斉に出掛けて行きます。6年住んでいても、まだまだ行ったことのないトレ
イルがイッパイあります。

毎年今頃になると、ハイキングトレイルの本を眺めながら、今年はどのトレイ
ルを制覇しようか…と、夫と相談する時が一番楽しいひと時です。
実際に登り始め、距離が長かったり、急こう配のトレイルだと、何で自分はこ
んなシンドイことをやっているんだろう…と、自問が始まり、でも引き返すこ
ともできず、だただ前を向いて一歩一歩足を踏み出すのみ。

やがて森林限界を越えると、急に景色がぱぁ~っと開け、ピークが見えたり
平坦な尾根道に出ると、いままでの疲れはどこへやら、ひたすら目的地目指し
て足取りも軽やかに歩いて行けます。
最終目的地、つまりランチを取る場所と言うことで、眺めがよく座り易そうな
岩を見つけ、一緒に登ってきた仲間とお弁当を広げる瞬間の楽しいことと言っ
たら!

ロッキーだと、標高3000m近い山々にも気軽にハイキングに行けます。
既に住んでいるキャンモアの町の標高が1300m、バンフは1400mです
から車でトレイルヘッドまで少し走れば、すでに1700~2000m近く
上がっていることになり、ピークまで行くのもそんなに苦ではないのです。

通常のハイキングは、長くて往復7、8時間。気軽なコースだと2時間半と
言うところもあるので、午前中、あるいは午後からでも歩けるトレイルは
そこら中にイッパイあります!
特に6月半ば~8月始めは、夜11時くらいまで明るいので、アフターファ
イブでハイキング、クライミング、またはゴルフを楽しむ人も大勢います。

州立、国立ともトレイルの案内路が分岐などに必ずしっかり固定してある
ので迷子になったりする心配もありません。
また、場所によっては、ブラックベアやグリズリーベアがたくさん生息する
ため4人以上で歩くことが義務付けられているところも多く、ルールを破っ
て単独で歩いたりしているところをParks Canadaの職員に見つかると、罰金
が科せられます。

このParks Canadaの罰金ですが、動物保護のため、えさを与えたり車を降り
て写真撮影をしたりと、ルールを破った時にも同じく科せられます。
時々ですが、これらのルールを全く無視してか知らずにか、熊の親子などを
見つけると車外に出て眺めたり写真を撮ったりしている人を見かけます。

人は危害を加えたりしないと知って悠然としているビッグホーンシープの群
れの中で平気でポテトチップスなど与えている人を発見、思わず注意したこ
ともありましたが相手は気持ちよくはなかったでしょう、何か捨て台詞を
残して立ち去り、後味の悪い感じでした。

レイクリーズやモレーンレイクと言った有名な湖の岩場には、たくさんの
小動物が暮らしていますが、そこでも写真を撮りたいがためにクッキーを
与えて手に載せたりしている人もよく見かけます。
お陰でそこらあたりのリスは皆コロコロに太ってしまって…
自然の中で暮らしていれば寿命をまっとう出来る多くの小動物が、心ない人
の行為で早々に命を落としていることは、本当に口惜しいことです。

ちょっと話がハイキングからそれてしまいましたが…
山にはこれからどんどんと高山植物が咲き始め、フラワーウオッチングの
ハイキングが楽しめる最高の時季になって行きます。

長いトレイルを辛抱して歩いた先には、地面全体を覆い尽くすグレーシャリ
リー(和名はカタクリ)を見ることの出来るヒ─リーパス。
http://pds.exblog.jp/pds/1/200906/27/77/a0047577_1612419.jpg
http://pds.exblog.jp/pds/1/200807/05/77/a0047577_16212926.jpg
4年前に日本からやって来た友人達はこの風景を見て、「まるで天国のよう」
と表現しました。

わが家から車でトレイルヘッドまで15分、ピジョンマウンテンと言うトレ
イルでは斜面全てがフォーゲットミーノット(勿忘草)で覆われている風景
にも出会うことができます。
http://pds.exblog.jp/pds/1/200806/21/77/a0047577_5512919.jpg 
毎年、1週間から10日くらい時期のずれはあるものの、必ず私たちを楽しま
せてくれる大自然の素晴らしさに、いつも感動しています。

カナダのハイキングの醍醐味、究極はヘリハイキング!
長いトレイルを辛抱して歩かずとも、一気にヘリで頂上まで飛び、素晴らしい
設備を備えたロッジに宿泊し、毎日、周囲の山々の頂上へヘリで飛び、そこ
から尾根歩きを楽しむと言う、贅沢極まりないハイキングに、いま日本中の
シニア・ハイカーが注目しています。

ロッジは普通のホテルと全く同じ設備で、聞くところによると水洗トイレとか…
そのうえ、食事は3食とも用意され、宿泊者は24時間パノラマの絶景の中で
過ごせる究極のハイキングツアー!

テントや食料を担いで登るハイキングもあれば、こんな贅沢なハイキングもあり
カナダはその人のスタイルに合わせて楽しむことができる、やっぱりハイキング
天国なのです!
「百聞は一見にしかず」、実際にご自分の目でこの大自然素晴らしさを見に来て
いただけたら、私の未熟な表現力ではとうていカバーしきれない分、いっぺんに
解決なのですけれど…。

7月に入ると、お天気は安定し、国立公園には世界中から観光やハイキングの
お客さまで、ホテルはどこも満室になり、一年中で一番忙しい時期を迎えます。
夫も、早朝から撮影に出かける日が多くなり、毎夜大きなおにぎりを作るのが
日課です。

ではまた来月お目に掛りましょう、お元気でお過ごしくださいね!


Junko@カナディアンロッキー



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