カナディアンロッキーで暮らす

カナディアンロッキーで暮らす茶道とカルトナージュ愛好家の日々

山火事多発と初冠雪

2021-08-30 14:02:41 | 出たっきり邦人・メールマガジン

No. 210


こんにちわ!
東京2020パラリンピック大会 が始まりましたね!
オリンピック期間中に比べ、日本国内のコロナ感染者数が激増していますが
アスリートたちがベストな体調で競技に臨めますように祈りながらTV観戦して
います。

今回のタイトル「山火事」は、落雷で乾燥した森林に発生した火事です。
なんと、今夏は7月後半から隣のBC州で200箇所以上に及ぶ自然火災が発生し
たことで、煙が風に乗ってアルバータ州までやって来て空を覆いつくしました。
白い煙に包まれて山の景色はいっぺんになくなり、煙だけではなく焦げくさい
臭いまで漂いました。

こんな時に限って雨が一滴も降らない日が続いたので、アルバータ州でもいつ
大規模な自然火災が起きるかわからないような状態で、キャンプ場はすべてファ
イヤー(焚火)禁止。個人の庭であっても木を燃やしてはいけないという規制が掛
かりました。時々一緒にテニスを楽しむ仲間たちとのBBQ PartyはFire Van規制
の始まる一日前だったので、BanffのBow River川畔の公園で楽しむことができま
した。ヘリでの消火活動もなかなか功を奏さず、煙害は2週間以上続きました。
森林がほとんど燃え尽きたのと、BC州で少しまとまった降雨があったようで
8月半ばになってやっとロッキーにも青空が戻ってきたので、みんなほっと胸を
撫で下ろしたのですが…

次は私の住居から車で5分くらいしか離れていない小さな集落のハイウエイ沿い
の森が燃え始めました。ハイウエイを挟んで森の向かいにはキャンモアやバンフ
の町中より少し安いガソリンスタンドが2軒あります。走行中の車からのタバコ
のポイ捨てによって発生した火事の可能性大!と報道されました。火事は金曜日
の夕方に発生したので、週末のバケーションに出かける車でハイウエイは大渋滞
その上、煙があっという間に町中を覆い、50メートル先も見えにくいほどにな
りました。

ガソリンスタンドにでも燃え移ったら大惨事になると、消防車とヘリからの消火
活動が丸2日行われ、やっと鎮火したのは日曜日の夕方でしたが、煙が無くなり
景色が戻ったのは月曜日になってから。一時は避難勧告が出るかもしれないので
貴重品をまとめておいた方が良いかも!と、近隣の方と話すほど深刻でしたが
どうにか難を逃れました。それにしても、長らくまとまった雨もなく乾燥しきっ
た中で、火のついたタバコを投げ捨てるなんて!と怒りは収まりません。

その後、アルバータにもやっとまとまった雨が降り、乾燥注意のレベルが一番下
のグリンに変わりました。表示は「グリン─黄色─オレンジ─赤」赤が最も乾燥
注意ですが、今週はお天気が変わりやすくほぼ毎日雨が降っていて、とうとう
23日の朝、周囲の山々に「初冠雪」が見られました。8月に入ってからは夜の
気温は10℃前後に下がっていましたが、ここ数日は5℃まで下がり、夜はやっ
と茎を伸ばしてきた茗荷の鉢を室内へ入れています。

ここ数年、夏の一番良い時期に山火事による煙害で景色がなくなることが多くな
っていることを危惧しています。10年前はこんなに煙っていなかったような…
これも地球温暖化による弊害なのでしょうか。プラスティックごみを減らす、リ
サイクルのためのごみの分別廃棄などの取り組みがやっとカナダでも本格的に始
められていますが、まだまだ分別ごみに関しては日本よりも遅れています。その
点アメリカでは、州によって多少の違いはあるようですが、20年以上前から細
やかな分別ごみ回収を実施しています。

次世代、次々世代を思えば、今できることは何なのか、化学肥料を使わずに土作
りをしているコミュニティガーデンに参加して、地球にやさしい取り組みをして
体に優しい食べ物を育てて食べるという当たり前のことに、いまは新鮮な気持ち
で係わっています。店頭で売られているオーガニックと表示されている野菜が本
当に有機農法で育てられているのか、チェックすることは難しいので半信半疑で
買っていました。つい形や見てくれの良い野菜を求めてしまっていたことも事実
です。

         

コミュニティガーデンへの参加はこうした意識をすっかり変えてくれました。
ズッキーニやオクラの花の美しい事!苗床つくりや雑草抜き、水遣り当番もあり
ますが、育った野菜たちを収穫する楽しさは格別です。最近の我が家の食卓には
必ずガーデンで採った野菜たちが並んでいます。マーケットのケールの軸や絹さや
は筋が固いのですが、ガーデンでは早めに収穫できるので美味しく戴けます。

           

先日は日本では見たことも食べ事もない野菜を収穫、Kohlrabiという地中海原産
のアブラナ科の野菜なのだそうで、合いそうな調理法を考えて作ったものを夫が
「これ美味しいね~」と言って食べてくれるのもスリルがあって?!楽しいです。
ズッキーニ、私は好きなのですが、夫は食感が好きではないらしく、ココア生地
のパウンドケーキにクルミと混ぜ込んで焼いたらパクパク食べてくれました。
粗目のチーズおろしで削って入れたので形は全く消えていて、夫には何が入って
いるのか内緒にしておきましたので(笑)

冒頭でも触れましたが、日本のコロナウイルス感染者数の激増は収まりませんね。
自宅療養されていた方が急変や重症化してもすぐに入院できない事態も起きて
いることに恐怖を感じます。あれだけ予防医学に関しては先駆者的な日本の医療
体制がここまでひっ迫していることが信じられない思いです。ワクチン接種が
思いのほか進んでいないことも「先進国日本」らしくないという言い方は変かも
しれませんが、カナダに比べるとかなり遅れている印象です。自主的にワクチン
接種を受けたくないという人がカナダより多くいらっしゃるような気もします。

アルバータ州では人流がほぼ元通りになっている中、感染者数はまだ増えてはい
ますが、緊急事態宣言を発するほどの増加はみられない、ということなのか、今
のところは何の規制もなく自由にレストランなどで飲食できます。気を付けたい
人は自主的にマスクを着用していますが、マスク着用を強制されるところは病院
と公共交通機関(ロッキーでは循環バス内)くらいです。

デルタ株やラムダ株といった変異株ウイルスがどんどん増加しているので、今後
また事態がどう変わるのか全くわかりませんが、私の切なる願いは、一日も早く
日本に帰国した際の2週間隔離の規制がなくなり、ワクチン接種二回終了の証明
と72時間内PCR検査陰性証明と入国時のPCR検査が陰性であれば、国内線乗り
継ぎができるようになること…それが実現しないと、カナダから日本への帰国は
厳しい、と思っています。

来月こそ、感染者数がどんどん減少に向かっている!というような、明るい
ニュースに接したいと願っています。