カナディアンロッキーで暮らす

カナディアンロッキーで暮らす茶道とカルトナージュ愛好家の日々

今年のハックルベリー

2011-08-26 16:48:28 | 出たっきり邦人・メールマガジン

       
             〓カナディアンロッキー発〓

           『My スロ-ライフ 』 by Junko 

                  No.18


         ☆★☆★今年のハックルベリー☆★☆★


8月初め、アルバータ州レスブリッジ(国境から1時間の街)に住む友人夫妻と
一緒に、RV(レクレーション・ビークル)でアメリカ・モンタナ州へ3泊4日で
ハックルベリー摘みに出かけてきた。

今年で4回目!
ブルーベリーはファームで育てることができるが、ハックルベリーは今だ野生で
山に入って摘むしか入手する方法がない。
でも、カナダ・BC州とアメリカ・モンタナ州との国境周辺の低いブッシュの中で
結構簡単に見つけることが出来る。

小粒で、木についている実は濃い紫色なのに、摘み取ってみると鮮やかなルビ
ー色に変身している!
摘み取って行くうちに指先も見事にきれいな赤紫に染まって行き、汁が服に着く
と洗濯しても落ちないほど。

ハックルベリーがどんなものかご覧になりたい方のために、画像URLを添付。
http://pds.exblog.jp/pds/1/200708/12/77/a0047577_14325824.jpg
クリックしても開かない場合は、アドレスをコピーしてアドレスバーにペースト
すると大丈夫かな…。

陸路で国境を越えでアメリカへ入るときには、いつも面倒な手続きがある。
いったん車を降りて、アメリカに入国管理事務所でパスポートを渡し、何のため
にUSへ入るのか、肉や果物を持っているかなど聞かれ、左右の指紋を取り、I
94と言うグリーンの用紙に記入。
入国手数料?としてひとり$6を支払い、半券をパスポートに付けて、終了。
後は、どこでもご自由にど~ぞって感じ。

ところが、今回はRVに乗ったまま係官に全員のパスポートを見せると、USに入
る目的、滞在期間、どこに泊まるのかを聞かれ…各パスポートを簡単に見ただ
けで「OK!Enjoy your hukleberry picking!」で終わり。
え~、このまま行っていいの?と、となりのラインを見ると、やはり事務所には
寄らず車はそのまま先へと走り去っていく…。

今回、ボーダーには2列で各其々10台ほど車が並んでいて、RVは前に数台い
たがすべてノーチェックのようだった。あの~、$6は支払わなくていいの?!
あまりあっけなくて、入国日のスタンプもないし…カナダ入国の時に、これで
大丈夫なのかな…と、ふと不安がよぎるほど。

今回、友人夫妻もワンコ連れ、わが家もラブを連れて行き、ワクチン接種の証明
書を持って行くのを忘れていることに気付いたが…例年提出を求められたことは
ないので(本当は携帯する義務がある)ちょっとドキドキしながら…結果は、何
のお尋ねもなく無事通過できて、これが一番ほっとした事だった。

カナダとモンタナの国境付近にはウオータートン、グレーシャーナショナルパーク
が広がっている。
まだ日本ではそれほどメジャーな観光地にはなっていないが、実は素晴らしい
絶景と大自然、ワイルドライフの生息地である。

ロッキー山脈に生息するマウンテンゴート(シロイワヤギ)という、なんとも優し
い顔をした動物に出会えるのもここ!
どんな顔をしているのか興味のある方は、マウンテンゴートを追いかけ、とうとう
一家でモンタナへ移住した、写真家であり友人・原田純夫のオフィシャル・サイト
でその雄姿をご覧あれ!http://www.photorocky.com/

彼は世界のネイチャー写真家の登竜門と言われる「ナショナルジオグラフィック」
の特集ページで作品が紹介されるくらいの、著名なプロフォトグラファー。
7年ほど前、ふとしたことで彼のHPを発見した夫は「すごい人がモンタナにいる
いつかモンタナへ行くことがあればお会いしてみたいもんだ!」と話していた。
それが、カナディアンロッキーに引っ越してきてすぐ、ご近所に住んでいた初老の
ご夫婦と親しくなり、夏にモンタナへハックルベリーを摘みに行買ないかと誘われ…

モンタナへ行って見ると、何と夫の憧れの写真家は同行のご夫婦とは古くからの
友人であることが判明!その時、感動のご対面となったのだった。

それ以来、お互いに写真を通じて話しが弾み…6年という歳月が経ち、原田氏
は撮影でよくロッキーへも来られるので、会うたびにお互いに気心も知れ、今で
は本当に良き友人としてお付き合いがあることに、なにか深いご縁を感じている。

ハックルベリー摘みにモンタナへ行くと言うよりは、原田ご一家に会いに行くつ
いでに、ハックルベリーを摘んでいる…に変えたほうがよいかもしれない(笑)

さて、今夏はその原田夫妻がアラスカに撮影に行っているため、娘のMoyuさん
が一緒に山へ入ってくれたのはよかったのだが…
例年そこら中に実をつけているはずのハック(地元ではこう呼ぶらしい)が見当
たらない!

一同そこら中を探してみるも、まだ実が青くて…熟すまでには10日ほど掛りそ
うな雰囲気。
春先、モンタナもロッキーと同じで、雪融けがかなり遅く…その影響で結実も遅
れていることが判明。

せっかく来たのに…と残念がっていると、Moyuさんがいい場所を教えてくれた!
例年ならそことっくに収穫が終わっている地域らしいが、今年はそこがベスト
な場所になっているのではと、さっそく行って見ると…

ありました!道路からさほど離れていない平たんなブッシュの中で、小さな紫色
の粒を見つけた時の感動ったら!(大げさですが本当に高揚してしまった)
お陰で、例年とほぼ同じくらいの収穫量を得て、大満足~!

モンタナは本当にRVのキャンプ・サイトがとても多く、施設は充実している。
今回は事前に原田氏が情報をくれたお陰で、林間の静かなサイトの予約が取れ
3泊快適に過ごすことができた。

RVキャンプの楽なところは、快適な車内で、2カップルが家のベットと変わら
ぬ程の快適さでゆっくりと眠れること。
バス型の大きなRVなので、車体を固定させたら、後のベッドルームとキッチン
のスペースが左右に広がり、かなりの空間が生まれる。

RVキャンプサイトでは、2~3ヶ月、長い人なら半年もの長期で旅をしている
というカップルによく出会う。
トイレ、シャワー、おまけにランドリー付きなのだから不自由はないし、ホテル
を探す手間もいらず、北米では国道沿いや国立公園内でも、RVキャンプサイトを
見つけるのは簡単。ただし、設備の整ったところは繁忙期は予約を取っておかな
いと当日探すつなると、電気や下水の設備のない場所しか残っていないと言うこ
ともあるので注意が必要。

今回ご一緒したご夫妻、旦那さまが無類の車好きで、退職したらRVで北米を旅し
てみたいと購入したものの、じっさい長期で出かけるとなるとなかなか機会に恵
まれないそうで、昨年は試運転でBC州の温泉地と、秋には松茸狩りにご一緒させ
て戴いた。

RV購入の動機にはもうひとつ理由があり、昨春から犬を買い始め、可愛くて旅行
にも一緒に連れて行きたくて…と言うことだった。
そう言えば、どのRVにも、ほとんど犬がいたような…。
わが家のラブも、12月には10歳を迎えるため、人に預けての旅行は出来るだ
け控え、車でどこへでも一緒に出かけたいと思う今日この頃。

モンタナから帰って間もなく「今度は松茸狩りですね!」と、お声が掛っている。

昨年は鮭の遡上を観たり、日本の温泉に負けないくらい効能のある温泉地へも
寄ったりした上、松茸は大豊作!
昨年ですっかり味を占めた我々は、すでに次なる『大自然の恵みをいただく旅』
を計画中。

どっさりと収穫したハックルベリーを、フルーツソースやジャムに変身させるの
は私の役目。
今回も帰った次の日から、まさしく夜鍋仕事で…約4kg近いハックを数回に分け
て煮て…お砂糖はベリーの重量の10%加えるだけで、独特のコクと甘酸っぱさ
が入り混じった美味しいジャムの出来上がり!
ブルーベリージャムとして市販のものと手作りしたものを食べ比べると…もう
市販品を買う気にはなれない。

プレーンヨーグルトにもよく合うし、バニラアイスクリームのソースにすると
これが また美味!に揚げる直前にレモンのしぼり汁を加えるとペクチン効果も
あり、ほどよい濃度になる。

一日摘むと、腰が痛くなってしまい、大変な思いをして取って来たものなのに
友人たちは平気で、ちょっと食べてみた~い!何て言うのにはちょっと閉口。
でも、自分で実際摘みに行った経験のある人は、小さな瓶入りのハックをみて
感激してくれる。

毎日、大地からの恵みを戴く度に、大げさではなく、我々の星「地球」に感謝し
長く後世にも、この恵が与えられ続けるように、いま何をして行かなければいけ
ないかを問いかけて行くと、結局、自然環境保護…と言うことになる。

一度得た文明の利器は、環境破壊に繋がるとわかってもなかなか捨てがたい…。
でも、きっと、ひとりひとりの意識の高さが、その国の豊かとなり、現れるよう
な気が する。
その上位に、日本とカナダがあってほしいと願ってやまない。

Junko@カナディアンロッキー



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