カナディアンロッキーで暮らす

カナディアンロッキーで暮らす茶道とカルトナージュ愛好家の日々

還暦のお祝い

2011-02-11 16:43:58 | 出たっきり邦人・メールマガジン


       〓カナダ・カナディアンロッキー発〓

       
 『My スロ-ライフ 』 by Junko

No.12

 
       ☆★☆★還暦のお祝い☆★☆★  


タイトル、私じゃありません、旦那さまの方です!

本当の60thのお誕生日は先月だったのですが、前回書きましたように
1月下旬から2月上旬、トロントとNYでカルトナージュ・レッスンの予定が
あり、その準備で「お祝いの会」を催す余裕なく、出掛けてしまいました。

昨日、15人の仲間が集まってくれまして、寿司シェフの友人の大きな協力
を得て、私たちの住むコンドミニアムの中にあるレクレーションルームを
利用して、夫の還暦祝いのための盛大な寿司パーティが実現しました。

カナディアンロッキーに移住して5年目。
夫の元々のプランでは、今年リタイアしてカナダに来るはずが…
色々考えた末、5年早くビジネスを終わりにしての移住決意、私にはわから
ない迷いや苦悩があったと思うのですが…

彼のすごいところは思い切りの良さ!
そして何よりも、小さなビジネスにありがちなどんぶり勘定的な収支では
なく、完璧に整理された帳簿や契約書類、流通システムの単純化で、会社
を閉じる際には何らトラブルもなく、顧客は信頼できる同業者から今まで
と変わりなく商品を供給してもらえるように計らっての廃業は見事でした。

55歳にして、カナディアンロッキーで、大自然を撮る写真家に変身した夫。
夫唱婦随でついて来た妻の私は、17歳の夏の6週間をアメリカで過ごした
経験はありますが、縁あって夫と結婚するときにはカナダ永住など思いもよ
らず、初めて夫から「移住」とい言葉を聞いた時には、かなりの驚ろきと共
に誰にも言わなかったけれど、子供のころからずっと「外国で暮らしてみた
い」と言う夢を持っていたので、何の抵抗もなく『ついて行きます!』と言
えました。

現在は、どのカテゴリーの永住権申請手続きに時間がかかっているようで
すが、2005年頃は8ヶ月~1年で受理されていました。
先に書いた通り、夫の事業はかなりきちんと事務処理がなされていたので
必要書類は短時間で揃い、カナダ永住権を専門に扱うコンサルタントを使っ
ての申請で受理番号もすぐに届き、何もかも順調に進みました。

問題は、英語がそれほど話せない夫と私が2人で誰も知らない町に住む…
言葉が通じないと言う不安、これが一番恐ろしいことでした。

夫が住みたいと憧れていたキャンモアの町で元パイロットのB&Bオーナー
大判写真家として活躍されていた方のウエブサイトを見つけた時の夫の嬉
しそうな顔をいまでも忘れません。

すぐに連絡を取り、10年以上バンフのホテルに滞在してスキーに来ていた
我々は、'03と'04キャンモアのB&Bに滞在し、オーナーに町の様子を
聞いたり、実際に歩いて回り…いまの素晴らしいマウンテンビューのある
コンドウは移住する前年に見つけ、折しもキャンモアの不動産が猛烈な勢い
で高騰する最中、一軒家は諦めざるを得ず、何とか予算に合うこのユニット
を購入しました。

仲介してくれた不動産業者から「カルガリーならこのコンドウの価格で広い
一軒家が買える、カルガリーに住んで、ここへ写真を撮りに通えばいいんじ
ゃないか?」と勧められましたが、夫はガンとして聞かず…
その選択は、やはり間違いなかったと、私も思っています。
毎日、リビングから山を眺めているだけで、癒されるし、元気も出てくる気
がします。

ありがたいことに、人口12000人のキャンモアの町には200人の日本人
が暮らしていると言うことが分かり、B&Bのオーナーさんからもご近所に住む
日本人のご夫妻を紹介して戴き、以来お二人が20年のカナダ暮らしを終え
昨秋日本へ引き揚げるまで、色んな事を教えていただき、お二人に会わない日
はなかったほど仲良くして戴いたお陰で、我々もこの地に馴染めたと思います。

還暦祝いの宴の最中、たった4年の短い間に、すっかり仲良くなったハイキ
ング仲間やご近所の住人と嬉しそうにお寿司をほおばる夫の姿を見ながら
ここまで何とか2人でやってこれた喜びをヒシヒシと感じました。

しかしながら、去年のスキーで夫が膝に大怪我を追った時は、正直言ってどう
なるのかと不安でした…
意を決して日本へ帰り、すぐに手術と長期に渡りリハビリを受けることができ
たのは日本の医療レベルの高さと、システムの素晴らしさです。

この時ばかりは正直言ってカナダの医療システムに、かなりの不安を感じま
した。靭帯断裂では死なないので(?)MRI撮影ですら6ヶ月待ち…
日本で分かったことですが、4本ある靭帯のうち3本が断裂していたのに
バンフのドクターは「リハビリで治せる!」と言ったのです。
まぁ、なんとかまたスキーができる程回復したのだし、過ぎたことは忘れま
しょう(笑)

今後の夫と私の課題は、日本人の方々との絆はしっかりと深められたの
で、そろそろ友達の輪を広げるために、日本人以外の住民の方々とも積極
的にコミュニケーションを取るように努力し、お互いいい友人関係を築いて
行かなければ…と思っています。

カナダは移民の国、友人たちもスペイン、メキシコ、ドイツ、フランス、中国
と多彩ですが、みんな英語でコミュニケーションをとるために努力しています。
永住権を取ると、政府や地域が英会話を学ぶためにいろんな援助をしてくれる
ことも、カナダのいいところです。具体的なことについてはまた別の機会に
ご紹介したいと思います。

今回、夫のお祝いのために、久しぶりにロールケーキを焼きました。
15人分と言うことで、いつもの2倍の長さで…真ん中に60thのキャンドル
を立てて!

パーティーに参加してくださった皆さまから暖かいメッセージカードとお花が
送られ…たった4年間で構築できた暖かい友情の絆をしっかりと感じ、夫も
感無量だったことでしょう。

海外で暮らす人の中には、周囲に全く日本人が住んでいない環境の中で暮らす
人もいるでしょう…それに比べ、我々はいざとなれば、英語で何不自由なく
コミュニケーションが取れる友人に、色んなことで助けられていることがあり
ありがたいと思うのと、年を重ねている分、何か我々でお役にた立つ事があれば…
と思っています。

ロッキーも少しづつ日が長くなり、春の兆しを感じています。
春スキーのシーズンに入り、日本から来る友人と滑る日を、指折り数えて
待っていることです。

Junko@カナディアンロッキーでした。



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