カナディアンロッキーで暮らす

カナディアンロッキーで暮らす茶道とカルトナージュ愛好家の日々

平成最後のお正月

2019-01-18 19:00:19 | 出たっきり邦人・メールマガジン
NO.102


2019年 明けまして おめでとうございます
本年も「カナディアンロッキーで暮らす」、宜しくお願い致します。

平成最後の年末年始、いかがお過ごしでしたか?
カナダの大みそか、私は朝から日本のTV番組をチラ見しながら、おせち料理を
作っていました。幸運にも、富士山の「初日の出」をヘリで撮影している番組
を観て、15時間も早く元旦気分を味わってしまいました。

例年通り、我が家は夫と老犬と静かに迎えた年末年始でした。
クリスマスはバンフ在住の日本人の同年代ご夫妻から、カナディアンスタイル
のディナーにお招き戴き、オーブン料理で、立派なターキー、クラウン型に
なっているローストポークをごちそうになり、他のゲストの方々と、ワインを
飲みながら楽しいひと時を過ごしました。

暮れと言っても、特に家の中の大掃除もなく、日本から持ち帰ったお正月らしい
カズノコ、黒豆、ごまめといった食材を調理。こちらのマーケットで買える大根
やニンジン、牛蒡、筍、椎茸、こんにゃくで、紅白なます、タタキごぼう、お煮
しめを作り、大みそかの夕食は「天ぷら蕎麦」にしました。

日本の番組を配信するチャンネルで15時間遅れの「紅白歌合戦」を観ながら
夜食には近所に住む日本人のカップルから届いたつきたてのお餅を「あべかわ餅」
にして戴きました。ここ数年、白組が勝ってばかりですね…。

毎年、午前零時にダウンタウンの公園から上がる「花火」を、きれいに見下ろせ
る場所がすぐ近くにあるので、3分ほど車を走らせて観に行きます。
同じように花火見物に来た人たちと「Happy New Year~!」と歓声を上げ、帰宅。

元旦はお澄ましのお雑煮、2日は京風の白みそ仕立てのお雑煮を戴きます。
神戸育ちの夫は白みそのお雑煮は苦手のようですが、やっぱり私は、25年近く
親しんでいたので、京風の白みそ雑煮も好きなのです。

夫の血糖値はずっといい値で安定していますが、油断してはいけないと、年末
年始、たとえ元旦であっても、食後のウォーキングは欠かしませんでした。
今冬は、スキーゲレンデには程よく積雪があるものの、運よく里にはほとんど
積もらず、気温も最低がマイナス10℃くらいで、お天気が良いとプラスになる
日もあったりするので、毎日、たとえ夜でも外をお散歩することが可能です。

例年なら今頃はスノーシューやクロスカントリースキーにもよく出かける頃なの
ですが、雪が少なく、歩いてお散歩ができる年は本当に珍しく、そのうち寒波が
押し寄せて来るまで、頑張って歩こう!と思っています。

ロッキーで暮らすようになって、日本に居た頃より「茶道」に親しむ時間はどん
どん少なくなっていますが、毎年親しい友人を招いて「初釜」を催しています。
今年は28日になり、毎年どのようにお招きしようかと、考えるのが楽しみです。
お濃茶をメインに、正午の茶事にのっとってスケジュールを立て、懐石料理をア
レンジした「点心」をご用意しています。点心はお弁当にして、日本から持って
きた縁高、松花堂、信玄弁当など塗り物の器を交代で使います。中身は例年同じ
ようなものになってしまうので、毎年来てくださるお客様の目先を変えて、楽し
んでいただけるように工夫しています。今回は松花堂の弁当箱の出番です。

一番困るのが、茶室の床のお花。日本なら「椿」の季節ですが、こちらでは全く
見かけません。洋花は小間の茶席には似合わないので、毎年、小さめのお花が咲
く水仙を使っています。今年も先日マーケットでまだ芽が出たばかりの水仙の鉢
植えを見つけて買っておきました。部屋の中はいつも20~22℃と暖かいので
気が付くともう2つ3つつぼみが開きかけてきました。

点心の献立にも悩みます。日本のように、ちょっとデパ地下に出かけて、あれ
これ気の効いた材料を買ってきて、というわけには行きませんから。でも10年
前に比べれば、こちらで揃う和の食材がだんだん増えています。日本人経営
のマーケットではありませんが、アジアンフードを扱うお店で、調味料や、冷凍
ですがお刺身用の鮮魚や貝類、野菜は、大根や白菜、牛蒡、中国野菜の青梗菜を
始め青菜なども手に入るようになり、我が家のエンゲル係数を上げています。

京都でよく食べていた湯葉が懐かしく、食べたいなぁ…と思っていたところ、ふ
と目に留まったのが中国製の乾燥湯葉。「火鍋」に使われているようです。薄く
てすぐに壊れてしまいそうですが、お水に浸けて戻せば、日本の生湯葉のように
なります。ぬるま湯に浸けてちょっと時間をおけば、トロっとしてきて、触感は
引き上げ湯葉に近い感じにもなり、生姜醤油やワサビで美味しく戴けます。もち
ろん、我が家では鍋料理にも使っています。

NYへ出かけたときに、京都の老舗の茶舗とお麩のお店がコラボして出店している
和食レストランを訪ね、そこで戴いた「湯葉卵うどん」が何んとも美味しくて…。
このカナダでも再現できないかと、中国製の薄い乾燥湯葉を煮込み、おだしに
とろみをつけて卵でとじてみたら、見事に同じクオリティ(と自分では思って
います)の物が出来上がり、自画自賛しながら戴きました。

最近では、生湯葉を冷凍したものも見つけて、煮物にして試したところ触感も
味も悪くなく、よく利用するようになりました。何より嬉しいのは、京都の湯葉
との値段の格差。たぶんこちらで買えるものは1/3~1/4の価格だと思います。
中国は大豆大国、だからでしょうか?

最近もっと喜んでいることは、近所の大型スーパーマーケットの中に精肉売り場
があるのですが、そこのブッチャーが、とても上手に牛でも豚でも、好みの部位
を薄切りにしてくれるようになりました。誰でもそれができるのではないので
ちゃんとブッチャーの指名をしてやってもらいますが、お肉とお肉の間に薄い
プラスティックを敷いてくれるので、後で小分けにして冷凍するときにも
便利だし、シャブシャブやすき焼きの時は、そのまま盛皿に乗せて出せば、一枚
ずつきれいにはがしながら戴けるので、鍋パーティーで好評です。

値段の事ですが、脂ののったリブアイステーキ用はすき焼きに、赤身のロース
肉(NYステーキカットと言っています)はシャブシャブに、どちらも100g
にすると400~450円で、最高級ですから、お肉に関してだけは、カナダの方が
買い求め易いですね。ただ、フィレミニオンは、こちらのも柔らかいのですが
和牛の方が甘み(旨味?)があって断然美味しいので、我が家ではカナダの
フィレ肉は人気がありません。

そんなこんなで、最近時間があるときはスーパーの中をじっくり見て歩く楽しみ
が増えました。今年は、どんな発見があるのか、期待したいと思います。

今年の抱負は、「ゴルフがもっとうまくなるように頑張る」と、近隣の日本人
の方々に、もっと「茶道」に親しんでもらえるように、何か工夫をしてみよう
という2点にしました。まずは、自分が楽しい!と思うことを他の人とも共有
できるように、健康でよい一年にしたい、と願っています。