カナディアンロッキーで暮らす

カナディアンロッキーで暮らす茶道とカルトナージュ愛好家の日々

2023 静かな年明け

2023-02-03 19:00:00 | 出たっきり邦人・メールマガジン
こんにちわ!
2023年、もう節分を迎えましたね。春が待ち遠しい今日この頃です。
本年も「カナディアンロッキーで暮らす」どうぞよろしくお願いします。

昨年末は3年ぶりにコロナの規制が緩んだので新年を家族揃って迎えられた方
も多かったことでしょう。
カナダは昨夏頃からどんどん規制緩和が進み、感染は広がっているにも関わらず
インフルエンザと同じような扱いとなり、マスク着用も病院内くらいで、バス
の中でさえ着用しなくても良い、全くコロナ以前と同様に戻っています。夫も私
も新年明けてすぐ5回目、変異株に対応したワクチン接種を済ませました。

タイトルを「静かな年明け」としたのは、年末年始、ご近所や親しい家族に次々
とコロナの陽性反応が出たため、集まることが出来なかったのです。みな風邪の
症状と一緒で、喉の痛み、微熱、嗅覚味覚がなくなる...で、一週間~10日後には
陰性になっていました。年配のご夫妻は感染しないように人混みも避けて気をつ
けていたにも関わらずクリスマスあたりに感染、症状は軽かったものの、臭覚が
戻らず困ったと話していました。一度も感染していない我々はもう希少価値的な
存在です。
        

日本から黒豆や数の子など買ってきたので、29日からお節を作り始めました。
最近は大根や牛蒡、里芋、蓮根といった食材は中国系マーケットで手に入るため
お煮しめも日本と同じように作ることができます。柚子はひとつ20ドルと少々
高いのですが、あの香りはやっぱりあると無いとでは大違いなので買いました。

紅白なます、お雑煮に添えて、後は果汁を絞って、皮は冷凍しました。
元旦はすましのお雑煮、2日目は京風の白味噌雑煮、3日目はもう普通にトースト
でした。お節は2人では減らないので5~6日まで食べ続けることになりました。

話は昨年に戻りますが、帰国した直後ロッキーは大寒波に襲われ、気温はー39℃ 
まで下がりました。そこまで寒くなると戸外へは出るのを躊躇してしまいました。
クリスマスにはー15℃まで上がって来て、年末年始はー5℃~0℃。こうなると
もう暖かくさえ感じました。
それ以来、ひと月以上雪も降らず気温も低い時でー10℃、太陽が出ると日中は5~
6℃まで上がったりでした。

あまりに雪が降らない日々が続いたのですが、このまま春になるって事はありえ
ないと思っていた矢先、やっぱりまた寒波がやってきました。今回はー30℃と
前回より少しマシでしたが、それでも一歩外に出ると髪の毛や眉毛まつ毛も凍り
つき顔を覆わないと大変でした。

寒すぎるとリフトに影響がでたりするのでスキー場はクローズ、ストームとかで
無い限り学校はお休みにはなりませんが、スクールバスが出ないので父兄が送迎
しなければなりませんでした。今回も徐々に気温は上がってきて、今日はやっと
日中と夕食後のウォーキングに出ることが出来ました。

クリスマス以後、雪が降らない日が続いたので湖の湖面に厚く張った氷の中にアイ
スバブルが見られると聞き、2時間ドライブしてアブラハム湖へ観に行きました。
アイスバブルとは、カナディアンロッキーのいくつかの湖で冬に見られる美しい
自然現象です。1年中湖底の植物から発生しているメタンガスが、湖面にたどり
着く前に凍り付いてできるもので、 白い無数の気泡が氷の中に閉じ込められた
様子が足元に広がり、素晴らしい景色を見せてくれていました。



1月最終の週末、やっとバンフの友人夫妻から声が掛かりポットラック「新年会」
に参加しました。シニア夫妻5組が揃い、去年の夏に戸外でBBQをして以来の集
いだったのでみんなで色々話が盛り上がりました。我々を含めて4組は昨秋日本
へ帰国していたので、全国旅行支援であちこち旅行をした事や、宿泊して良かっ
たところなど情報交換をしていたらあっという間に4時間経っていました。

今年は何も規制無しで世界中自由に旅行できるようになる事でしょう。
間もなくポルトガルや南米へ旅行に行く友人たちもいます。
行き先にもよるのかも知れませんが、横浜にいる従姉が4月下旬から5週間友人と
一緒にカナダに来たいと言うので早速航空券の手配をしました。そこで驚いたのが
航空運賃。ものすごく値上がっています。

コロナ前には1200~1500ドルだった日本カナダ往復が今回何と3700ドル!
と言われびっくり仰天でした。宿泊もどんどん値上がりしているようで、もう誰に
でも気軽にロッキーに遊びに来て!と言えない状況です。

新年早々、もうひとつ残念なニュースが飛び込んで来ました。
バンフ国立公園内の人気観光地「モレーンレイク」へは、今年から一般車両は行け
ないことになりました。旅行会社のツアーバンなどは直接湖の傍にある駐車場へ
行けますが、それ以外はハイウエイの脇に設けられた駐車場から公共の乗り物に乗
り換えて行くことになります。ハイキングに行くにも湖を観光するにもかなり不便
になるとローカルはがっかりしていますが、自然保護の為と言われればカマンしな
ければなりません。

今夏、また世界中からロッキーを訪れる人が増えれば、沈んでいた観光業界も活気
付き経済も回復してくることは喜ぶべきなのですが、ホテルの料金も軒並みコロナ
前の2倍に跳ね上がっている有様で、これから先どうなっていくのか、ちょっぴり
不安も感じています。

マカオにいる孫とも丸3年会えていないので、今年こそは会ってギュッとハグした
いのですが今秋には6年生になっているので、もう小2の可愛い坊やじゃ無くなって
いるのだろうと覚悟しています。きっともう手は繋いでくれないでしょう...
それでも、会える日を待ち望んでいます。

毎年お正月に誓う「Resolutions」今年はポレポレで行く事に。無理せずマイペース
で過ごし、元気なうちに行って見たいところへ行くようにプランしてゆきましょう!
と夫と話しています。まず手始めに「寒い時期に暖かい処へエスケープ!」を実行に
移すことにしました。

実を言えば去年のうちに密かにプランを始め、ほぼ手配が整ったところで夫に告白。
冬はスキー三昧の夫なので、ちょっと抵抗するかと思っていたら、意外とすんなり
賛同してくれて、一緒にYoutubeなど見て現地でのプランを考えてくれています  

ではまた来月!
お元気でお過ごしください。

2022年の終わりに想うこと

2022-12-30 23:00:00 | 出たっきり邦人・メールマガジン

No.225

こんにちわ!
2022年もあと一日を残すばかりとなりました。
一年を振り返れば、年明けから4月初旬まで厳しかったコロナに関する規制も
徐々に緩められ、5月の連休前にはカナダは海外からの渡航に関して72時間
前のPCR陰性証明も必要なくなり、お陰で息子と孫達が遊びに来てくれました。

以後は日本入国時の規制もどんどん緩和され、今秋の帰国ではmySOSのアプリ
に情報を入力しておけば、コロナ禍前と同じ様な順路で税関まで辿り着く事が
できました。長らく「ゼロコロナ」を掲げていた中国もここに来てやっと規制
緩和を表明。これでマカオ在住の長男家族も自由な動きが取れるようになると
思い、ホッとする今日この頃です。反面、急な規制緩和で感染者が急増して
いると言う報道が気になっています。

今年の大きな変化と言えば、4月末に父親と妹とやってきた孫のSorataと7月
初めまで2ヶ月余り一緒に暮らしたことです。彼は秋までキャンモアで英語漬け
の生活を送り、秋には帰国して大学受験に再チャレンジするつもりだったので
すが途中で大きく方針を変え、カナダの大学に進学して獣医を目指すことにした
のです。

「獣医になりたい」は高校の時からの希望でした。何が彼を衝き動かしたのか
は分かりませんが、カナダで学びたい!という大きな決断に母親は狼狽気味…
でも父親はかつて自分も海外で学びたかったという想いがあったので、息子の
決断を快く受け入れ、ついには家族みんなで応援してくれることになりました。
私たちと一緒に暮らしていたのでは英語は上達しないし、医療系の大学に進む為
にはIELTSの高ポイントが必要、という事でSorataはいまビクトリアの語学学校
へ通い、ホストファミリーの元で英語漬けの日々を送っています。

前回は日本帰国の様子を書きましたが、その続きを少しご紹介したいと思います。
11月末から一週間、JR Passを使って旅行を楽しみました。
まずは金沢へ。全国旅行応援支援キャンペーン中とあって宿泊料金が一泊5000円
x人数の軽減と飲食やお土産店で使えるクーポンが一泊ひとり3000円いただける
というので、東京、仙台と、各地でその恩恵を受けました。

今回初めて「東京スカイツリー」の450m展望デッキまで登ってきました。
浅草寺仲見世や雷門辺りを夫と2人でゆっくり散策したのは初めてで、ついでに
合羽橋の道具屋筋もウロウロ。面白過ぎて滞在予定時間をはるかに超えてしまい
ました。買いたい物は山積みでしたが、断捨離世代なのでそこをグッと我慢して
デパートで買おうと思っていた朱塗りのデザートスプーンが半額で見つかった
ので、それのみ6本購入しました。移住した時に持ち込んだ塗りのスプーンは
16年間大活躍したのですがそろそろ替え時でした。

帰国中は京都の哲学の道にほど近い友人所有のゲストハウスに滞在していたので
すが、昨年は閑散としていた観光地も、今年はどこも行列ができるほどの人出で
すっかりコロナ前の状況に戻ったようでした。今後は中国本土からも自由に来ら
れる様になるのでもっと混雑が予測され、つまり元通りになるってことですね。

カナダに帰国してすぐ感じたのは、2ヶ月間の日本滞在中に生鮮食料品がかなり
値上がっているということ。ほとんどが10~15%程度、物によってはそれ以上
の値上がりで、以前と同じ量の買い物をしても支払額がかなり違うと感じます。
さほど値上がっていないと感じるのはMACとかTimHortonなどファストフード
ですが、先日カルガリーのフードコートに行ったらどこの店も「ランチコンボ」
などは食材の高騰の影響でしょう、2~3ドル値上がっていました。

唯一値下がっていたのはガソリンでした。日本へ出掛ける頃は1L 1.89辺りまで
上がっていて、これでは2ドル越えるのでは…と思いましたが今は1.49辺りまで
下がっていました。そこへグッドニュース、先週火曜日になって、アルバータ州
政府がガソリン税を1月1にから6ヶ月間カバーするという発表がありました。
1Lあたり13セント分税金が控除されることになり、車社会のカナダ住民に
この発表は素敵なクリスマスプレゼントとなりました。

そして、今回の帰国でカナダと日本の違いで一番大きかったのはマスク着用率。
日本はマスク着用率ほぼ99%、カナダは屋内でもマスクしない人が90%。
滞在中、岸田総理が戸外や人との接触が密でない場所ではマスクはしなくても
良いと公言された後でも、まだ犬の散歩中もマスクを着けている人がいるくらい
日本人には公衆衛生観念がしっかり根付いているので、今後は感染者数が爆発的
に増えることはまず無さそうに思えます。

中国との行き来が他国と同じように従来通りできるようになったら、また感染者
が増加する心配はあるかもしれませんが、日本政府はいち早い対応を発表、香港
マカオを除く中国本土からの旅行者には入国時にPCR検査を実施するという発表
があり、この水際での検疫が効果的であることを祈り、来年は国際間の移動が
今以上に安心してできるようになることを願っています。そして、物価高騰を招い
た最大の原因であるロシアとウクライナの戦争が一日も早く平和的に解決してくれ
ルコとを切に願ってやみません。

帰国した翌日から、カナダ全土は寒冷前線に挟まれ、見る間に気温が下がって行き
最低気温がマイナス39℃にまでになりました。天気予報で実際の気温はー39℃の
下の「feel like ー51℃」の表示を見てこれは外に出ては危険!と、2日間一歩も
外に出ず過ごしました。クリスマスイブの夜はマイナス10℃、ここまで気温が上が
るとダウンジャケットを着て食後の散歩もできるようになりました。新年も気温は
落ち着いている予報で嬉しいです。

一年を振り返ると、年々その過ぎてゆくスピードが早くなっているように感じられ
るのは歳のせいでしょうか。日本滞在中にとうとう古希を迎えてしまいました。
これから先もまたどんどん加速的に時間が過ぎて行くのだろうと思うと、これから
やりたいことをあまり先延ばしにしないで、積極的に実行して行かなければ、いつ
健康上の問題で思うように動けなくなるかもしれないと、真剣に考えるようになり
ました。断捨離もどんどん進めて身の回りをスッキリさせることも来年の課題にし
なければと思います。

「出たっきり邦人・北米オセアニア編」の読者の皆さまの健康とご多幸をお祈り
しながら本年最後の投稿を終えたいと思います。
来年も、毎週金曜日、現在5名のライター一同の投稿をどうぞお楽しみに!

Happy Holidays with love to you all from Junko




日本に帰国中

2022-11-25 21:19:34 | 出たっきり邦人・メールマガジン

 No.224

こんにちわ!
現在日本に帰国中なので、今回は滞在先の京都から発信させて戴きます。

昨秋の煩雑な入国手続きに比べると、今年はほぼコロナ前と同じような手順
ですんなりと入国出来ました。
今回バンクーバーから成田は全日空を使いましたが、座席は90%くらい埋ま
っていました。ちなみに昨秋の日本行きフライトは30%ほどの乗客でガラ
ガラ状態でした。 
機内サービスも元通り、CAもマスク着用以外はCOVID前に戻っていました。

成田到着後、事前に3回ワクチン接種証明と日本滞在中の住所等の情報を入力
しておいた「mySOS」というアプリを起動させ、係の方に見せると次に進む
方向を示してくれます。通常は赤い色のアプリが情報登録が完了すると青色に
変わるので、赤ラインと青ラインに進むように振り分けられます。青ラインは
PCRテストもなし、次はもう入国審査場へ進めます。赤ラインへと進んだ人は
PCRテストを受け、結果をもらってから入国手続きとなる為、30~40分程度
入国審査場へ進むまで時間を取られている様でした。

今回の帰国では国内線乗り継ぎが普通に出来るようになっていました。昨年
は羽田からレンタカーで京都まで帰ったことを思えば余計な費用もかからず
大助かりでした。

ただ、チケットを買った夏前の時点ではまだ到着後のPCR検査が義務付けら
れていたのと、もともとは羽田発着の全日空ですが、当分の間は成田発着に
なっているため、当日の関西行きに乗り継ぎができない可能性もあるとして
成田から羽田に移動して空港近辺のホテルに一泊することにしていました。

実際はすんなり入国できたので、羽田ー伊丹のフライトには充分間に合いま
したが、慌てる事もないので予定通りゆっくりリムジンで羽田空港へ移動して
予約しておいたホテルの最上階にある大浴場に行き、帰国初日の夜をまったり
と過ごしました。

京都ではいつもの友人所有のゲストハウスを借りて、異動は主に市営バスを
利用していますが、すぐ近くにバスターミナルがあるのでそこから発車する
系統のバスは空いていて必ず座れるという利点があり、嵐山や京都駅といった
少し時間のかかる目的地へ行くときはとても便利です。

京都の秋と言えば「紅葉」。昔暮らしていた頃と街並みはずいぶん変わって
いますが、紅葉の名所は同じなので、予定のない好天の日はぶらぶら歩いて
真如堂や金戒光明寺を散策、10月下旬はまだ紅葉と青紅葉のグラデーション
は見られませんでしたが、一週間毎に訪ねるとだんだん紅葉が進み、まさし
く今がピークとなりました。

真如堂~金戒光明寺は無料で境内を散策できますが、家から哲学の道を通って
同じくらいの距離にある「永観堂」は拝観料が必要です。11月早々から夜は
ライトアップが始まるので日中も夜間もたくさんの観光客で長蛇の列ができて
います。永観堂からほんの10分歩くと「南禅寺」。ここの境内の紅葉も日々
色鮮やかになって今が最高です。

よくテレビドラマのロケに使われる「南禅寺水路閣」も薄暗くなるまで訪れる
人の切れ間がありません。写真家たちは夜明けと共に人がいない水路閣を撮り
に集まっているようです。学生の頃よく散歩していましたがその頃は人もまばら
で、あまりに静か過ぎて怖いくらいだったのに…。

帰国してすぐに驚いたこと。マスク着用率100%!車中はもちろん、外出する
とすれ違う人全員マスク着用でした。11月に入ってすぐ、岸田総理がマスク
着用緩和について会見していたようですが、その後も街ゆく人の殆んどはマスク
着用です。

帰国後すぐはついマスクを着け忘れて出掛け、途中ですれ違う人にじ~と見られて
「アッ!」と慌ててポケットから出して着用。滞在がひと月以上にもなるとやっと
マスク必着が身につき慌てることは無くなりましたがそんな中、感染者数がどん
どん増えて来ていることが気になる今日この頃です。

今回の帰国目的、夫のヘルスチェックと私のインプラント治療の続きはまだ
進行形ですが、月末から一週間、JRパスを利用して北陸~東北へ出掛けようと
計画中です。JRパスのことは以前もお話したと思いますが、10年以上海外在住
している事が条件ですが一時帰国の際、JR全線の特急列車(のぞみ、ミズホを除く)
を乗り放題できるパスです。1~3週間期間が選べて車両もグリーンとエコノミー
が選べます。いつも6泊7日でプランし昨年は九州~函館まで日本列島縦断の旅に
出掛けましたが、一泊づつだと忙しいので、今回は各地2泊づつにするプランで
進めています。旅の模様はまた次号でご紹介したいと思います。

話は逆戻りしますが、10月最終日に友人の誘いでゴルフに出掛けました。
場所は兵庫県三田市、一週間前に賞金2億円の女子ゴルフトーナメントが行われた
所で、芝が素晴らしく綺麗&キャディー付きプレイは初体験。男性のキャディーさん
で、ショットのたびに各自のクラブを何本か持って走り回ってくれるのでなんだか
申し訳ない気がしましたが、お会計時にその分はちゃんとチャージされていて納得。

   

古巣の京都に滞在していると「茶道」のお稽古の誘いも数々あり、気を引き締めて
着物を着て伺っています。若い頃に覚えたことは今も点前座に座ると自然に体が
動きますが、相伝物の「風炉」と「炉」の点前は細やかなところに違いがあり
忘れていることも多く、家元でお稽古している茶友たちに助けられながら勉強会
を通して、自分の教授者としてのステータスを保っています。

茶の湯の世界でも「ひとり濃茶」なるものが通常化しているので「一座建立」
というには程遠い孤立感があり、濃茶は3~5人分一緒に練るからこそ美味
しくいただけるのにと、ついつい愚痴を言いたくなってしまうのですが… 。

日本に来る直前、町にあるArts Centreから依頼があり職員の方々に「茶の湯」
を披露しました。来年3月初めにJapan Cultureについて紹介をしたいそうで
「茶の湯」と着物の紹介を頼まれました。若い女子職員の方に着物を着せる
ところを披露してほしいそうです。

   

若い方の帯結びはいくつかあるので、普段のお太鼓結びだけでなく、変わり
結びを滞在中に習っておくべきか考え中です。いづれにせよ、カナダは建国
150余年と、国独自の歴史とか文化のない移民の集まりの国なので、脈々と
続く日本の「道」と名のつく文化の一端を紹介する機会があることを楽しみ
に準備を進めることにしたいと思っています。

次回カナディアンロッキーからの配信は12月30日、‘22年も年の瀬です。
今年もコロナコロナで終わってしまいそうな気配ですが、来年こそは以前の
ように全員でマスクをつけないで暮らせるような普通の日々が戻りますように
願わずにはいられません。

それでは、また来月、お元気でお過ごしください。

Junko @ Canadian Rocky

 

 

 


Victoria訪問と松茸狩り

2022-10-21 20:00:00 | 出たっきり邦人・メールマガジン

No.223


カナディアンロッキーから、こんにちわ!

今年は不思議な年(秋)を迎えています。
と言うのも、例年なら9月の終わりには紅葉した葉っぱは殆ど散ってなくなって
いるはずなのに、今年はいまだ沢山葉が残っていて、まだまだ綺麗な秋の景色を
見せてくれているからです。
その上に不思議なのは、例年ならもう山々の頂上付近は根雪で覆われているはず
が、未だに雪が積もっていません。
さすがにここ数日は朝晩の気温が0℃まで下がってきてはいますが、日中はまだ
20℃になることもあり、朝晩はダウンジャケットを着て、日中は半袖で過ごす
感じです。

そんな中、2泊3日でVictoriaにいる孫のソラタに会いに行ってきました。
カルガリー~ビクトリアは直行フライトで1時間30分。飛行機は双発プロペラ
機で低く飛ぶので窓際の席からずっと地上の景色を見下ろしていました。
ロッキー山脈を越えるとバンクーバーの街が現れ、海が見えてきたと思ったら
もうビクトリア。

滞在中は素晴らしいお天気に恵まれ、ステイ先のホストファミリーの家から
ダウンタウンのハーバサイドへは歩いても30分くらいだったので、住宅街を
散歩しながら、イギリスから移住した人たちの暮らす趣のある家並みを通り
楽しんで散歩しました。

ホストファミリーのお二人とはメールのやりとりは何度もあるのですが、今回
やっと直接お会いする事ができました。
以前からいついらっしゃるの?とメールを貰っていて、2泊中は同年代のJean
とMarkとつきないお喋りを楽しみました。ソラタを本当の孫のように可愛が
ってくださっていて、たまには宿題のライティングのチェックまでして貰って
学校でも家でも学べる環境なんてなかなかありません。




他のクラスメイトは殆どがお金目当てで部屋貸しをするホストファミリーの所
にいて、英語環境でない家も多いのでうまくやっていけないという話を聞く度
自分はなんて良い家庭に住まわせてもらっているのかを実感しているようです。
2日目に彼の通う語学学校も訪ねてみました。なんと今は30%の学生が日本
からの留学生だそうで、学生たちのお世話係として日本人のスタッフが3名も
いらっしゃると聞いてびっくりでした。

日本の大学を休学して語学留学する学生が多い中、ソラタは獣医になるという
ゴールに向かっているので他の学生たちとは意気込みが違うと一人のスタッフ
の方が話してくれました。このモチベーションを保ち続けることはとても
キツイはずで、並大抵の努力では達成できないことと思いますが、陰ながら
応援しています。

クリスマスやお正月にはキャンモアへ帰っておいでよねって伝えたら、サラっ
と「残ってここで勉強する」という返事が帰って来ました。
Jeanにクリスマスやお正月もソラタはビクトリアに居たいと言っていることを
伝えると「全く問題ない、自分の息子や孫も帰ってくるし、賑やかに過ごすのも
彼に取って楽しく充実した日々になるのでは」と笑って答えてくれました。

3日目の朝学校へ出かけるソラタに「今日帰るからね」って伝えたら
「そうなん」とひと言。
それを見ていたJaneが「ハグもしないで出かけるの?」と言ってくれたので
今だ!とばかり、ぎゅ~と彼を抱きしめながら頭をナデナデして
「これはお母さんの分!」「JaneとMarkに感謝しながら元気で頑張りなさい!」
「たまにはじゅんばーにも様子知らせね」って伝えました。

彼は少し頬を紅潮させながら、でもクールな顔つきで、バイクに乗って出掛け
て行きました。
今どきの日本の若者ってこんな感じなのかな?息子たちもそんなだったっけ?
とちょっぴり感傷に浸ったひとときでした。

ビクトリアから戻って間も無く、今度は我が家の恒例行事「松茸狩り」に行っ
て来ました。Nakusp(BC州)はキャンモアから500km、車で6時間以上掛
かかります。途中国道が大きな湖に遮断されるので、そこは無料のフェリーで
繋いでいます。

BC州にはフェリーも国道の一部と何箇所かそう言うところが何箇所かあります。
両岸を一艘で30分ごとに行き来する為、待ち時間を少なくするためにフェリー
乗り場へ着く時間を考えてドライブします。50台は余裕で乗せられるかなり大
きなフェリーなので安定しています。

今回は1泊2日で娘くらいの若い友人を誘って3人で出掛けました。
松茸は適度な湿度がないと出てこないと言われていますが、今年のBC州は8ー9
月にほとんど雨が降らなかったので森全体が非常にドライな状態でした。つまり
松茸は出て来にくい状況だったのです。

いつもなら水分を含んだ苔の緑が深い森の中を森林浴しながら歩き回って松茸を
探すのですが、今年はカサカサの乾いた苔の上を歩いて、2時間あまり探して
3人でたった5本、それも誰かが採り忘れたっぽい、既に傘の開いたものでした。
でも見つけただけでも嬉しくて、キッチン付きのモーテルに泊まったので、その
夜は天ぷらにしたりすき焼きにも入れて、松茸ご飯を炊いて堪能しました。
 


翌日はもう一つ南にあるちっちゃなフェリーに乗ってレイクを渡り違う森に入り
ました。そこも前日入った森と同じくドライで、松茸はなかなか見つかりません
でしたが、夫が昨年よく採れた場所を覚えていて、周辺隈無く歩き回り、各自
4、5本見つけて大喜び。帰りの時間も考えてお昼過ぎには帰途につきました。

温泉、もちろんしっかりと愉しみました。日本と違い水着を着て入るので男女
混浴です。屋外で一見は全くのプール。
でもお湯はかなり熱い源泉から引いてきているので熱い方とぬるい方に分かれて
いて、日本人だとぬるい方は風邪をひきそうなくらいですが、カナディアンには
ちょうど良いのか、皆さんずっとそこで下半身浴みたいにしながら、おしゃべり
したり、チューブを付けてぷかぷか浮いたりしてのんびりと過ごされていました。
殆どがシニア層で今回は平日だったので子連れファミリーは見かけませんでした。

ロッキー地区のコロナの感染者はずいぶん落ち着いてきています。お子さんのいる
ご近所の殆どは感染して、一段落といった感じです。未感染なのは我が家くらいで
バンフのシニアの友人たちも軒並み感染して、幸いみなさん重症化せずに終わった
ようで、3ヶ月は免疫があるのでその間はワクチン接種も必要ないと言うことです。
いっそ一度は感染してしまった方が良いのかも、と思ったこともありましたが
ひとりだけ知人で急に両脚とも動きにくくなり入院されている方がいて、原因は
まだはっきり判明していませんが、ワクチンの後遺症の可能性もある…ということ
なので、やはり甘くみてはいけませんね。

病気といえば、今日私も眼科のスペシャリストの診察を受けるためにカルガリーに
出掛けてきました。両眼とも白内障のオペを受けていますが、その以前から時々
左目だけ急に涙が流れ出てくるようになって困っていました。最初は気にもとめず
にドライアイ気味と言われていたこともあって点眼薬を使ったりしていましたが
症状は治らず、涙の出る頻度も多くなってきたのでいつも診ていただく眼科医に
相談。そこからスペシャリスト、いわゆる症状によって専門のドクターを紹介され
ました。白内障のオペを受けたドクターとはまた違う先生なのです。

今日受診したのは日本語でいうと流涙症の治療の専門医ということになります。
いくつか検査を受け、涙管を調べて、なんの症状も出ていない右眼に比べると左眼
は管が狭窄していると言うことで、オペを勧められました。涙がスムーズに流れる
ように細くなった管にチューブを挿入し、3ヶ月ほどしてそのチューブを抜く、と
言うオペだそうです。いまの症状はほぼ90%解消するといわれました。日帰りで
できる簡単なオペということで、やっていただく事にしました。

こちらでは医師がオペが必要と認めた場合、費用は一切かかりません。美容のため
のシミのレーザー治療や歯科のインプラント治療などは該当しません。でも緊急な
状況以外でMRIやCTスキャンを受けようとすると半年から1年順番待ちが必要で
もっと早く受けたい場合は800ドル~1000ドルを支払えばすぐに受けられる医療
施設も存在します。う~ん、やっぱりいざとなればお金が必要なんですね。

でも、普通に待って順番が回って来た頃には症状が悪化又は癌が転移したりする
ケースもあると思えば、もしも不安に思う症状があるなら、日本に帰って受診する
方を選ぶかもしれません。しかし日本は長寿国、その上、予防医学の発達で老人の
占める人口の割合がどんどん増えてくる事になるので、カナダのように手厚過ぎる
治療は行わない方が良いのかもしれない、という思いもあります。

カナダと日本の間で暮らしている私は、以前よりも増して両国の「良いとこ取り」
をして暮らしていると思うことが多くなり、カナダに永住権があっても最後は日本
に帰ることになるのか、まだはっきりと答えが出せないでいます。
ただ夫ははっきりと、最後までカナダで暮らしたいと言っています。

それでは、また来月、お元気でお過ごしください。

Junko @ Canadian Rocky

初冠雪とHighland Games

2022-09-20 11:46:00 | 出たっきり邦人・メールマガジン



#222

カナディアンロッキーから、こんにちわ。
今夏のカナディアンロッキーは山火事の煙害もなく、澄み切ったきれいな青空が臨め
る日も多く、おかげで数年ぶりにゴルフも大変気持ちよくラウンド出来ました。
ここ数年、7月に入って間もなくから山火事の煙害が始まり、8月後半くらいまで景色
が白く霞んでぼんやりとしか見えない日が続いてがっかりさせられていました。

例年なら8月に入るとだんだん朝晩の気温が下がり始め、中旬には初冠雪が見られる
のですが、今年はなんと9月に入って、それも中秋の満月の翌々日、夜の気温が5℃
を切るくらいまで低くなり、朝起きたらスリーシスターズ山の頂上に初冠雪でした。
それと同時に、今頃になってアルバータ州南部で起こった山火事の煙が風に乗って
やってきてしまい、周囲の景色が白く霞んでしまっています。

気温が下がるとデッキに吊るしているフラワーポットのお花たちもだんだん元気をなく
し枯れはじめます。トマト、青紫蘇と茗荷の鉢植えはまだ元気ですが、夜10℃以下に
なるとデッキには置いておけず、リビングルームに入れています。今夏は「れいか」と
いうトマトの苗をカルガリーの友人からいただき、実が赤く熟してから収穫したところ
皮が薄くて甘みもあり、とても美味しくてビックリ!嬉しくなって、いつもお庭の花を
くださるお向かいの家の奥様にもお裾分しました。紫蘇の葉も天ぷらにしたり麺類の
薬味、バジルの代わりに紫蘇ジェノベーゼソースを作ってシーフードやチキンに使って
います。

ひと月前はまだ6時半スタートでイブニングゴルフも楽しめていたのに、今はもう8時
だと薄暗くなっていて、食後の散歩に出かけると時々黒クマがご近所の庭のナナカマド
の実などを食べているところに遭遇したりすることもあるので、ベアスプレーは必携。
とはいえ、未だに熊に向かってスプレーを吹きかけた事はありません。

ロッキーのクマたちはBC州のクマと違い、鮭が遡上するような川もなく栄養価の高い
魚などを食べることが出来ないため、冬眠前に少しでも木の実などを食べておこうと
いうことで、夜になって山から民家の周辺に出没しているようです。最近はエルク
(大型の鹿)の群れも時々山から降りて来て草を食んでいます。野生動物たちは雪が
降り食べ物が減る前に少しでも食べて体力をつけて極寒を乗り切る準備をしています。

タイトルにしたHighland Games (ハイランドゲームズ)とは元々スコットランドの
ハイランド地方各地で5月から9月にかけて行われる競技会です。現在では世界のあち
こちでも開催され、日本でも行われているそうです。キャンモアでは毎年9月の第一週
の週末2日間行われていて、カナダ全土やアメリカからも参加者が集まります。私は
競技会場のボランティアスタッフとして今回で11回目の参加でした。COVIDー19の
影響で開催は2年見送られましたが、今年3年ぶりにいつも通りの盛大な規模で開催
されました。

スコットランドの伝統音楽、舞踊に関するコンテストや、民族衣装であるキルトを着用
して行う競技があるなど、単なるスポーツ競技会にとどまらず、スコットランド人が
自らの民族的帰属意識を確認する場ともなっています。
なぜキャンモアで開催されるようになったかは定かでは無いのですが、移民大国である
アメリカやカナダに、その昔スコットランドからも新天地をもとめて大勢のスコット
ランド人が移り住み、民族の文化を伝承する機会を作りだしたのでしょう。


バグパイプを中心としたマーチングバンドが数10組参加し、色とりどりの異なった
タータンチェックのキルトスカートを纏い演奏や行進の技術を競い合います。
クライマックスは最後に出場した全グループが演奏しながら入場し、優勝チームが
発表されます。日本でもハイランドゲームが開催されていることを、ネット検索して
いて知りました。スコットランドの民族衣装については以下のサイトに詳しく書かれ
ているので、ご参考にしていただけたらと思います。
http://sin-cos-group.com/sincos/scotland/kilt.htm

今回のボランティア参加で驚いたこと、参加する際の注意書の中に「マスク着用」と
いう項目はありませんでしたが、念のためポケットに忍ばせて行きました。ところが
お手伝いする現場(フードテント)に行ってみてスタッフは誰ひとりマスクを着用
していませんでした。テントは2方が解放されているので風は通るようになっていまし
たが、もっと驚いたのは、ランチを購入にくる参加者や入場料を支払って観戦に来て
いる大勢の観客たちの誰もマスクをつけていなかった事です。マスクをつけると声が
通りにくくなるので、結局3時間あまりの活動中もボランティアが終わってマーチング
バンドの演奏と行進を観ている間も、人ごみの中でマスクを付けずに過ごしました。

実はごく最近、隣家のご家族やご近所に住む友人家族が次々とコロナに感染した経緯
があったので、今回はひょっとしたら自分も…とボランティアが終わった日から1週間
できるだけ人との接触を控えて過ごしました。夫とは致し方なく近距離で会話もするし
食事も作って一緒に食べるということで、本人は私から感染するならそれはそれで一緒に
自主隔離する覚悟と言っていました。

幸い1週間たっても私は至って元気で感染は免れました。8月4日に4回目のワクチン
接種を終えていたのでかなり抗体効果が高かったのかも知れません。
今日はカルガリーに出かけCOSTCOで買い物をしましたが、そこでもほとんどマスク姿
は見かけませんでした。2年間休止されていた館内の試食ブースも復活していて、皆さん
全く抵抗なく試食品の入ったカップを受け取っていました。

日本のニュースでも新型コロナウイルスを「普通の病気」として扱うためのロードマップ
を作ることを考え始めると伝えていたことや、9月7日から海外から日本へ入国時に求め
られていたPCR検査陰性証明も撤廃され、外国人旅行者の上限を5万人にして、今後は
ビザ無しにして個人旅行も認めることが検討されているとのこと。コロナ前の日本に戻る
日も近づいてきたようですね。

ロッキーも州外やアメリカのプレートをつけた車を沢山見かけるようになリ、新学期が
始まった今もキャンプサイトは常に満杯で全く予約が取れない状態が続いています。
それどころか、有名な湖やハイキングトレイルは駐車場が満杯で遠くに用意された臨時
の駐車場からシャトルバスに乗らなければ目的地に行けないような状態です。
黄葉が終わる10月上旬にはこの混雑も緩和される事とは思いますが、2夏続いた人も車も
減って静かだったロッキーは、3年目の夏、完全復活したようです。

10月にはいったら、我が家の恒例行事「松茸狩り」に出かける予定です。BC州ではすでに
採れ始めているらしく、今年は豊作かも?と、期待しているところですが、結果はまた
次回ご報告したいと思います。

余談ですが、先日逝去されたイギリスのエリザベス女王が最期を迎えられたのはスコット
ランドのバルモラル城でしたね。最後のご公務「新首相の任命」時にタータンチェックの
スカートをお召しだったことから、きっとスコットランドを愛されていたのだろう、とか
お城にご滞在中はバグパイプの音色をよくお聴きになっていたのではないかしら、などと
思いを馳せながらご冥福をお祈りしました。

それでは、また来月、お元気でお過ごしください。

Junko @ Canadian Rocky