長電話

~自費出版のススメ~

タミルイーラム 解放の虎

2009-05-20 | 政治
スリランカのテロ組織、タミルイーラム 解放の虎が、敗北宣言をし、指導者達も射殺され事実上壊滅しました。少数派であるヒンズー教徒のタミル人が分離独立を目指して72年に結成したといいますから、37年に及ぶ長い歴史を持つ組織です。名前が印象的(マレーの虎 ハリマオみたいだ)なことと旗がかわいいということで気になり、ここのところ頻繁に伝えられていた記事をチェックしていました。

彼らの主張は自治権の拡大、差別の撤廃であり、スペインの「バスク祖国と自由」(ETA)同様、圧政の中で生まれ、少数民族による主張の先鋭化という形をもってテロ行為に及んでいます。

7万人ともいわれる犠牲者をだした長年の内戦にピリオドをうったのは、話し合いによる解決でもインドの介入でもなく、政府軍による制圧でした。政府側の勝利で平和が訪れた、という構図ではありますが、白色テロともいえる弾圧、民族浄化、連邦の否定や仏教至上主義をもりこんだ憲法の存続、と多数派シンハラ人(74%)の横暴もまた、断罪にあたるものです。

息の長いテロ組織(国家)など、主張の前に組織の維持が優先され、時間とともに弱体化するに決まっています。勝利した側によって悲惨な歴史が書き換えられる例をいくつも見てきた私達の興味は、仏教国であるスリランカの「戦後処理」がどういったものになるのかに移っていきます。

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