「お台所の必需品」 砥石について書いてみます。
砥石の種類は、「天然砥石」と「人造砥石」に分かれます。
天然砥石の仕上げ砥は、何万円から何十万円もしますので一般的ではありません。
人造の砥石は、合成して作った研磨材料をつなぎ剤に混ぜて焼き固めたものです。
砥石にはザラザラな「荒砥」から、滑らかな「仕上げ砥」まであり、番号で荒さを表示しています。
お台所に砥石を1本といった場合には、1000番くらいの中砥石がよいと思います。
1000番でしたら1000円台で求められると思います、お勧めは日本製の「キング」、「ナニワ」なら間違いありません。
同じキングの1000番でも大きな砥石と小さな砥石など種類があります、大きな高いものを買う必要はありません。
400番と1000番が合わさったものなども、使い方によっては良いかと思います。
超仕上げ用キング6000番の「S-1」は¥3355もしますが、「ホーム用S-45」は少し小さいですが6000番で¥1680で求められます。
予算と、どれだけの回数で砥石を使うか考えて決めてください。
刃が欠けてしまった場合には、200番とか400番という荒い砥石が必要です。
これは、大きな砥石を買うと高いので、鎌研ぎ用の小さな石が良いかと思います。
安いですし、小さいのでお庭や菜園で使う鋏も研げます。
1000番でも食材は切れます、しかしその上の切れ味をお望みなら3000番が良いでしょう。
3000番では光沢が出て顔が映るようになります。
板前さんは、もうひとつ上の6000番から8000番を使います。
お刺身の光り方を見せるのに必要です、ほかにも包丁の表面を滑らかにして錆びにくくしたり、細菌が付きにくくするのだそうです。
私の場合は、荒砥石400番で刃欠けを直します、これで刃の形をしっかり決めておきます。
次は、800番の鎌砥石で荒砥石の傷を消します、その後1000番で表面を整えて、仕上げの3000番で顔が映るように磨きます。
400番⇒1000番⇒3000番でもうまく行くと思いますが、800番を入れると1000番の作業が短く済みます。
1000番で荒砥の傷をしっかり消しておかないと、3000番の仕上げ砥の効果がでません。
ご家庭でも必要なら3000番があればよいと思いますし、6000番の小さいのを買えばもうこれ以上はいりません。
刃欠けが無ければ、1000⇒3000⇒6000と研ぎあげれば、スーパーに出店している「研ぎ屋さん」とはくらべものになりません。
3000でもかなりの仕上がりですが、6000を見てしまうとほしくなります、ご予算しだいです。
荒砥や中砥の1000番などはすぐ減ってしまいますが、仕上げ砥石は柔らかくてもあまり減りません。
研ぎの途中で、砥石を替えるときは、砥石と包丁は水で流して前の石の粒などが残らないようにしてください。
荒砥を入れた水桶の中に仕上げ砥入れないでください、荒砥の粒が付着すると研いでも光らない状態になります。
水桶の中に荒砥も仕上げ砥も一緒に入れるのは、ネットの世界だけです。
こんな場面を見るとネットのいい加減さがわかります。
刀の砥ぎ師は砥石を替えるときに、桶の水も替えています。
もしも、砥石が割れてしまった場合は、後で使えるのでとっておきます。
細長いものは剪定ばさみの受け刃が砥げますし、錆取りや小刃付けに重宝します。
昔の砥石で白くて削れ易いものは、錆落しや剪定ばさみのヤニ取りに使えます。
柔らかいので裏刃を擦っても傷がつきません。
ご参考になりましたでしょうか。