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なっちゃん農園たより

ネコじいじが、都会に住む農園主のなっちゃんに、農園たよりと館山の花だよりを送ります。
お花好きな方もコメントどうぞ。

お台所の必需品

2022年12月27日 18時06分50秒 | 日記

お台所の必需品です。

 皆様の御家庭でも、花バサミや剪定バサミをお使いかと思います。

 私の剪定バサミは20年ほど使っていました。

 先月、近所の垣根の刈り込みを頼まれて作業中に刈り込みバサミを傷めてしまいました。

 刈り込みバサミを研ぎなおしで修理中、剪定バサミもしばらく手入れしていないと思い、ついでに研いで見ました。外観に磨耗はありません。

 砥石は使う前に水に漬けてから使い、終わると修正してから収納します、1本研ぐのも2本研ぐのもあまりかわりません。

 ハサミは岡恒の200ミリです。こんなになるとは思わなかったので写真はありません。

 ネジを抜き、「切り刃」を1000番の砥石で軽く研ぐと「中心」しか当たりません。

 砥石は前回使ったときに、1200番と摺り合せているので平らなはずです。

 ハサミの構造は、両方の刃先が縁で当たるので中心線のところは「スキ」といって凹んでいると思っていました。

 ところが反対に中心が凸なのです、気を取り直して数回擦ると砥石に当たる場所が増えてきました。

 砥石の擦り傷は直ぐに刃先まで来たので、凸はいくらでもなかったようです。

 研ぎながらよく考えてみると、20年使ったので刃先側が大きく磨耗したようです。

 砥石を常に平面にしておいたので、わずかな磨耗が発見できたと思います。

 その後、表側と受け刃を研ぎました、切刃の表側は「ハマグリ」という方もいらっしゃいますが、2段に角度が付いている「2段刃」ですのでお間違いなく。

 受け刃にもスキは無く、刃付近が磨耗して中心は凸でした、これも簡単に修正できました。

 軸周りにグリスを塗って組み立てると、わずかな修正でも切れ味が向上しています。

 「剪定バサミ」には裏刃のスキは要りません、スキの無いほうが樹脂が溜まらないので使いやすく、長く切れます。刃物作る職人は剪定なんてしたことが無いようですね。

 実は、最初に書いた近所の垣根の剪定で壊した刈り込みバサミは、「ベニカナメモチ」の硬い樹脂によって刃の中心の合わせが広がり、刃先側で刃と刃が噛み合って割れてしまったものです。

 いつもはハサミの使用後は裏刃の樹脂を掃除しますが、裏刃も磨耗するので修正が必要と勉強しました。

 ネジの部分も動くところなので潤滑が必要です、分解したのでグリスですが、いつもは油を注しています。

 YouTubeでは、全て「裏刃は研ぐな」「ネジは触るな」です。

 そんなことの整備、調整もできない人が「YouTube」なんか出さないでほしいですね。

 皆様の御参考になれば幸いです。

 


お台所の必需品

2022年12月10日 11時57分47秒 | 日記

「お台所の必需品」 砥石について書いてみます。

 砥石の種類は、「天然砥石」と「人造砥石」に分かれます。

 天然砥石の仕上げ砥は、何万円から何十万円もしますので一般的ではありません。

 人造の砥石は、合成して作った研磨材料をつなぎ剤に混ぜて焼き固めたものです。

 砥石にはザラザラな「荒砥」から、滑らかな「仕上げ砥」まであり、番号で荒さを表示しています。

 お台所に砥石を1本といった場合には、1000番くらいの中砥石がよいと思います。

 1000番でしたら1000円台で求められると思います、お勧めは日本製の「キング」、「ナニワ」なら間違いありません。

 同じキングの1000番でも大きな砥石と小さな砥石など種類があります、大きな高いものを買う必要はありません。

 400番と1000番が合わさったものなども、使い方によっては良いかと思います。

 超仕上げ用キング6000番の「S-1」は¥3355もしますが、「ホーム用S-45」は少し小さいですが6000番で¥1680で求められます。

 予算と、どれだけの回数で砥石を使うか考えて決めてください。

 刃が欠けてしまった場合には、200番とか400番という荒い砥石が必要です。

 これは、大きな砥石を買うと高いので、鎌研ぎ用の小さな石が良いかと思います。

 安いですし、小さいのでお庭や菜園で使う鋏も研げます。

 1000番でも食材は切れます、しかしその上の切れ味をお望みなら3000番が良いでしょう。

 3000番では光沢が出て顔が映るようになります。

 板前さんは、もうひとつ上の6000番から8000番を使います。

 お刺身の光り方を見せるのに必要です、ほかにも包丁の表面を滑らかにして錆びにくくしたり、細菌が付きにくくするのだそうです。

 私の場合は、荒砥石400番で刃欠けを直します、これで刃の形をしっかり決めておきます。

 次は、800番の鎌砥石で荒砥石の傷を消します、その後1000番で表面を整えて、仕上げの3000番で顔が映るように磨きます。

 400番⇒1000番⇒3000番でもうまく行くと思いますが、800番を入れると1000番の作業が短く済みます。

 1000番で荒砥の傷をしっかり消しておかないと、3000番の仕上げ砥の効果がでません。

 ご家庭でも必要なら3000番があればよいと思いますし、6000番の小さいのを買えばもうこれ以上はいりません。

 刃欠けが無ければ、1000⇒3000⇒6000と研ぎあげれば、スーパーに出店している「研ぎ屋さん」とはくらべものになりません。

 3000でもかなりの仕上がりですが、6000を見てしまうとほしくなります、ご予算しだいです。

 荒砥や中砥の1000番などはすぐ減ってしまいますが、仕上げ砥石は柔らかくてもあまり減りません。

 研ぎの途中で、砥石を替えるときは、砥石と包丁は水で流して前の石の粒などが残らないようにしてください。

 荒砥を入れた水桶の中に仕上げ砥入れないでください、荒砥の粒が付着すると研いでも光らない状態になります。

 水桶の中に荒砥も仕上げ砥も一緒に入れるのは、ネットの世界だけです。

 こんな場面を見るとネットのいい加減さがわかります。

 刀の砥ぎ師は砥石を替えるときに、桶の水も替えています。

 もしも、砥石が割れてしまった場合は、後で使えるのでとっておきます。

 細長いものは剪定ばさみの受け刃が砥げますし、錆取りや小刃付けに重宝します。

 昔の砥石で白くて削れ易いものは、錆落しや剪定ばさみのヤニ取りに使えます。

 柔らかいので裏刃を擦っても傷がつきません。

 ご参考になりましたでしょうか。

 


お台所の必需品

2022年11月09日 10時49分00秒 | 日記

 家庭菜園をされたり、お庭に木を植えていらっしゃる方は多いと思います。

 不肖私も隠居してからあちこちに呼ばれて庭木いじりをしています。

 庭木いじりをやっていると、槇の長い垣根は面倒になってきます。

 カナメモチの垣根は、強いヤニで刃先が噛み合ってしまいました。

 良いやり方はないかとYouTubeを見ていると、とんでもない人たちが出ていました。

 刃を広げて水をかけ、ガシガシと刃を研いでいます。

 別の人は刈り込みバサミの長い柄を足で押さえて研いでいます。

 研いだ後は「返り」も取らずにハサミを開いたり閉じたりして、「これをすると切れが良くなる」などとあきれることを言っていました。

 ブログをご覧の皆様はそんなはしませんよね、一応そんなことを真似しないように書いておきます。

 まず、刃に水は掛けません、軸に水が入ると錆が発生します、そのまま開け閉めすると錆の粒で重要な部分が摩耗してしまいます。

 板の上に置いて、水に漬けておいた砥石で研ぐことをお勧めします、軸にはいつも油を指していれば水も入りにくくなります。

 左右の刃の表裏、1面づつ研いだ後をキッチンペーパーで拭いてください。

 手も拭くように以前お書きしました、乾いているほうが万一の時切れにくいのです。

 刃の表を研いで、そのまま閉じると返りが出ていると噛みこんでしまいます。

 裁ちばさみだったらとんでもないことになってしまいます。剪定ばさみでも大事なところが傷になってしまいます。

 この部分に傷をつけると、研ぎ職人だったら「帰って良いよ、明日から来なくて良いよ」と言われてしまいます。

 剪定ばさみで有名ブランドの「岡恒」を買うと、説明書きの中で「裏刃は角度何度で何ミリ研げ」と書いてあります。

 私の知る限りで裏刃の寸法まで情報開示しているのは岡恒だけです。メーカーとしての自信と思います。

 岡恒の剪定ばさみを使っていますが、私にはメーカー以上の経験も知識もないのでこの寸法に従っています。

 「裏刃はさわるな」「軸のネジはさわるな」というのが普通です。というより知識のない素人が言っているだけなのです。

 包丁を使えば、刃が欠けてきます。植木用のはさみは無理をするので刃も摩耗しますが、軸の摩耗があって時々調整が必要です。

 ネジ式の軸は増し締めでよいのですが、リベットのカシメは大きめの金槌で締めます。

 軸方向は、軸の縁をたたいて開閉がスムースなところで止めます。

 軸の摩耗では、軸の真ん中をたたき軸をつぶして膨らませます。

 この時締めすぎたら、軸の入る短いパイプを下に敷いて軸をたたきます。カシメを緩める方向に力を入れるのです。

 長くなってしまいました、インターネットの世界は、無知な人でも他人の知識を利用して知ったかぶりができる世界です。

 インターネットでは何か投稿すると、同じような内容を少し変えて続々投稿されます。

 このブログではそれほどお客さんがいないので安心です。

 ご質問、ご不明なところがあれば「コメント」にお書きください、経験のあるものは解説いたします。


お台所の必需品

2022年10月26日 09時54分31秒 | 日記

 最近は、ほとんどのものがビニールで包装されています。

 強力なフイルム包装には刃物が必要になりますが、包丁は食品以外に使いたくないので、ナイフの出番になります。

 昔の台所では「果物ナイフ」だったのですが、今はカッターナイフがあります。

 よく切れるし、刃だけを安価に変えることもできます、封筒を開けたり、小荷物を開けたり、いろいろ使えます。

 切れなくなると折りますが、折らずに刃を研いでみませんか?

 カッターの刃は、折れにくくするために刃物鋼の中では材質が柔らいため、研ぎやすいです。

 ただし、S型の小さいのは持ちにくいです、L型の大き目のを買いましょう。

 L型であればゴミ出しの時、段ボールも切れます。

 砥石は800から1000番くらいの中仕上げを使います、そのあと仕上げを持っている方は使ってください。

 ケースから刃を取出し、刃先を向こう側にして刃を横に置きます。

 左手で刃の左から3分の1くらいを持ち、右手で右側から3分の1くらいを持ちます。

 砥石の短い辺を手前に置き、刃をべた置きします。

 手前側だけゆっくり持ち上げてゆくと鎬線を感じます、もう少し上げると刃先を感じます。

 何回か上げ下げして鎬線と刃先が感じられたら、鎬と刃先の間で角度を固定して左右に振れば研げます。

 何回かやったら、ひっくり返して反対側も同じ回数研ぎます。両刃ですから。

 鎬線がきれいに出ていれば合格です。うまく研げれば、新品より切れるようになります。

 刃は機械で二段に研いでありますので手研ぎでは多少丸くなります、切れないハマグリ刃ではありません、ご安心ください。

 カッターの刃厚は0.5ミリ、刃先から鎬線まで1.5ミリあります。

 厚さを半分にして直角三角形で考えます、0.25÷1.25=0.2です。

 Sin0.2 角度表記では12度、厚さを元に戻すと24度になります。

 両刃の三徳包丁でこの角度を出すのは難しいですが、カッターなら簡単です。

 原理は同じですので、カッターで練習して包丁も研げるようになってください。

 包丁の持ち方は研究してみてください。

 


お台所の必需品

2022年10月12日 10時22分36秒 | 日記

 日本の刃物、和包丁の基本は、日本刀にあります。

 一番わかりやすいのは「出刃包丁」でしょう。日本刀を半分に割いた形で「片刃」です。

 鋼の薄板に軟鉄を張り付けて強度をつけ、先をとがらせてあります。

 峰と刃先の間にある鎬線が特徴です。

 鎬線から刃先に向かって日本刀のように研いであるので「鎬造り」と言います。

 片側が柔らかい軟鉄なので刃が厚い割には研ぐのが楽です。

 魚を3枚におろしたり腹を開くのに便利です。

 野菜を切る「和包丁」は、出刃包丁のようにとがらせず四角形で、出刃より薄く造ってあります。

 板前さんが「桂むき」をする包丁で、これは出刃より薄い片刃です。

 「菜っ切包丁」は、鋼の薄板を四角にして刃先を研いだ形で、三徳包丁が流行る前は主流でした。

 今どきの和包丁は板前さんが使うくらいで、一般の家庭では錆びないステンレスの「三徳包丁」が主流です。

 薄いステンレス鋼で造られ、野菜のほかに肉や魚を切れるので三徳とよばれます。ほかに文化包丁ともよばれますね。

 刃先から峰の幅が広く、刃先が少しとがった形が多いです。

 刃先側は、1ミリから3ミリの幅で左右から刃をつけてあり、ほとんどが「両刃」になります。

 板厚が薄いので大根などにも切り込んでゆき、刃先角が30度程度と刃先角を大きくして切れ味が続くようにしてあります。

 これは刃先が数ミリなので30度でもよいのです、研いで行ってこの幅が多くなると切れなくなります。

 ただし30度の刃先角にするには、15度で両側を研ぐ必要が有るのです。

 切れ味を良くしようとするには、片側を10度で研がなくてはなりません。10度は研ぎにくいです。 

 そこで、片方だけを研いで片刃にすることをお勧めします。和包丁は片刃なので珍しいことではありません。

 右利きの人は右側だけを研ぎます。片側だけなので砥石に対して楽な角度で研げます。

 しかし一気に削ってしまうのはもったいないので、片方だけをだんだんと研ぎながら使ってゆけば良いのです。

 片刃の利点は、研ぎやすさだけではありません、キャベツの細切りを滑らずまっすぐ切れるようにもなります。

つづく