毎日がちょっとぼうけん

日本に戻り、晴耕雨読の日々を綴ります

「留学生の日本での生活」2014年9月19日(金)No.991

2014-09-19 23:19:55 | がんばれ留学生

江西財経大学日本語学科で日々学んでいる学生から、

「ずっと以前から、今年、日本(岡山の提携大学)に留学しようと思ってきたが、

今になって、多くの時間とお金をかけて行く甲斐があるのだろうか、と踏ん切りがつかない」

とメールが来た。

留学のためには何十万円もお金がかかり、

家族は親戚から借金をしてお金を準備してくれる家庭が多い。

気楽に決心できない事情があることはよく分かる。

 

今年3月末に岡山商科大学に留学した学生たちは

今、どう過ごし、何を考えているのだろうか。

8月に送ってくれた王聡ゆさんの日記を読んでみる。

彼女は、文にあるようにアルバイトと大学の勉強を両立させながら、

大学院進学の準備をしている。

毎日が楽しいという訳では決してない雰囲気が漂う文だ。

家族の絆が強い中国の子どもたちにとって、

故郷を遠く離れることは、日本人が想像するよりずっと孤独で辛いはずだ。

それでも、少し先の自分の人生を自分自身の力で切り開こうとベストを尽くしている。

 

―――――――――――――王聡ゆ

今日は八月二日です。

旧暦では七月七日、つまり、中国の七夕です。

日本ではすべての祝日は新暦で行われています。

 今日は岡山市の人々にとって重要な日です。

なぜならば、今日は一年一度の花火大会が開かれる日からです。

あいにく、台風が北上したせいで、雨が降ってきました。

そして、今日はバイトがあります。

雨の日には、いつも左手で傘を差しながら、右手で自転車のハンドルを握って、バイトに行きます。

今日もそうでした。規則によると、これは禁止されています。

交通事故にあう恐れがあり、危ないからです。でも、仕方がないのです。

以前はレインコートを着てバイトに行きました。

でも、結局何も役に立たなくて、バイト先に到着するまでに、もうびしょびしょになってしまいました。

だから、私は少しずつ傘を差して自転車に乗る練習をしてきました。

最初はすごく怖かったです。

特に、赤信号に合ったとき、一度止めて、もう一度走り出すときは難しかったです。

 今はもう慣れました。 

  この花火大会にはおよそ岡山市の三分の一の人が見に行くそうです。

これを聞いただけで、このイベントがどれだけ盛大か想像できます。

道はとても込んでいます。

駅の近くはとりわけにぎやかです。

人混みの中で、私は自分がとても小さいと感じます。

そして、その人混みの中で自転車に乗るのは無理です。

だから時々、自転車から降りて、押していきます。

バイトに行く途中で、浴衣を着ている人たちがよく散見されます。

中には、女同士やカップル、子供を連れている夫婦もいます。

みんな話しながら歩いていて、常に笑い声が耳に入ります。

(なんだか幸せそうだな)と思います。

そんな時、(幸せと言うのは何だろう)と自分に問います。

そして、(今の私は幸せだろうか)と。私には答えられません。

毎日、勉強とアルバイトに一日の時間を費やし、くたくたに疲れて寝ます。

ロボットのように同じことを繰り返しています。

でも、これが平凡でふつうの生活なのでしょう。

 

 幸せと言えば、もう一つのことを思い出しました。

それは一昨年だったか、 中央電視台(CCTV)で、

「あなたは幸せですか(你幸福吗?)」と言う調査が行われた時のことです。

その簡単な質問の後には、

普通の中国人が今の政治、経済、自然環境などについてどう考えているかの質問も含まれています。

この素朴な質問は人々の注意を引きました。

ある出稼ぎ労働者に聞いたとき、まず、彼は

「私はただの出稼ぎ労働者なので、私に聞かないでください。」

と答えました。その記者が諦めずに、もう一度聞くと、

「私の苗字は曾です。」

と答えました。この答えでみんな大笑いしてしまいました。

中国語で『你幸福吗』(あなたは幸福ですか)の発音は「ni xingfu ma」で、

『你姓福吗』(あなたの姓は福ですか)と同じであり、聞き間違ってしまったのです。


 

 今の世の中では、みんな生活のために忙しくかけまわっていて、

幸せを追うどころではありません。

物欲に満ちたこの時代の中で、人々はお金のために働き、行動しています。

これは避けがたい現実です。

中国でも日本でも、どこでも同じです。

 

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4 コメント

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千山万水 ()
2014-09-22 17:48:59
ご投稿拝読いたしました(尊敬語+謙譲語)

エントリーナンバー1000にご到達される前に、

お祝いのコメントを申し上げさせていただきます
返信する
ありがとうございます (ブルーはーと)
2014-09-22 23:41:25
周様、
早々とお祝いのメッセージをありがとうございます。
短い文の随所に敬語が使われていて、恐縮です。
ところで、もし、違ったらごめんなさい。
私は南昌で10人近い人数の周さんに出会いました。
周さんはそのうちの一人ではありませんか?
返信する
先生へのコメント (陳ヨウ)
2014-10-19 11:13:02
田中先生
wechatで先生のブログを直接に読むのはできました!最近の文章は政治に関わるのが多いそうです。私にとって、ちょっと難しいですね。
香港のデモについて話したいことですが。香港の発展と人民の幸せこそ一番重要なものだと考えます。香港の経済活動はデモのせいで今損失をかぶっています。デモを反対する人民も増えてきますね、早くデモをやめってほしいです。
江傳帆先輩は楽観的な人かも、いつもニコニコして、日本の生活はアルバイトで疲れても楽しいって私に言います~
日本に留学する心構えはもうできてきます。 家族が私を支えているから。大学院に入る可能性がないものでもない。私、頑張ります
返信する
香港のデモ (ブルーはーと)
2014-10-28 01:16:15
陳ヨウさん
コメントありがとう。
香港のデモについて、本土の人たちは分からないことが
多いでしょうね。それは社会の土台が違うからです。
本土の人々は、「人間の幸せはお金があることだ」と考える人が多いですが、香港では、「人間はパンのみにて生きるのではない」というのが実感なのです。
それだけ、本土の生活はまだ、貧しいのです。
マルクスの社会の上部構造と下部構造についてはもちろん学びましたね。経済の基礎がしっかりしてはじめて、人々は民主主義の大切さに考えが及ぶのでしょう。「衣食足りて礼節を知る」という諺、ちょっと似ているかな。
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