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「滝本Bログ」滝本祥生のブログです。B.LET'SのHP→http://blets.jimdo.com/

閉店するビデオ店について

2010-05-21 01:05:30 | 日記
駅前のビデオ屋さんが閉まることになった。
ビデオ屋さんに行かなくともDVDを借りる便利な方法がたくさんあるので仕方ないだろう。

顔馴染みの店員さんばかりだったので非常にさびしい……
といっても顔馴染みと思っているのはこちらだけで、
そこで働いている人々にとって私はただのお客さん。
「ビデオを借りること」以外で必要なことを話したことはない。

そのビデオ屋さんは、この街で出来た私の最初の「行きつけの場所」だった。

4年前に引っ越してきた時、最初にしたのが「レンタルビデオ店の会員になること」だった。
まだ街にも、自分の部屋にも馴染めなかった私は、
まずそのビデオ店で十年以上見続けている海外ドラマのTVシリーズを借りてきて、部屋で再生した。
それを見ている間は、知っている人と会えたような気がして安心できたからだ。

棚のDVD全部を落としてしまった時には優しく拾ってもらったし、
大雨の日には雨宿りをさせてもらったし、
ビデオ店専用のバッグが嫌いな私には、バッグに入れずDVDだけ渡してくれたし、
同じ作品を二度借りたときは
「一度借りてらっしゃいますが大丈夫ですか」と問いかけてくれたし、
お勧めのDVDには詳しい解説が書いてあった。

……改めて思い出してみるといたって普通の出来事ばかりだったけど、
まだ知り合いがいなかった私は、ただのビデオ屋を行きつけの場所だと思い、
そこの店員さんを知っている人にし、普通の出来事を優しさだと思おうとした。
そういう安心が必要だったし、
だから勝手に思い入れが強い。

そのお店が閉まる……。
でも今の私には「ビデオ屋が閉まるよ」と言える馴染みの友達がいる。
寂しいことは変わらないけど、
そう思うと少し安心した。


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