にゃおん雑記

日々思ったこと、感じたことを綴っています

白夜行

2009年01月02日 | 雑記
東野圭吾著『白夜行』
ジャンルはミステリだそうですが謎解きがメインではなく、人間の心の闇と純愛が描かれて暗く、重い、切ない物語でした。

物語は読者の想像力を掻き立てられる手法で進みます。そして伏線もたくさん張られています。

主人公亮司と雪穂が直接接触する場面と心情描写が全くない。本当に二人の内面は全く描かれていないんですよ。
その二人を取り巻く多くの登場人物の視点を通してのみ描かれていて、状況と行動描写のみで物語は進んでいきます。
その行動描写ですら全てが描かれていません。(二人が接触している場面ね)
でも、二人は密に連絡と取って逢ってるはずなんです。
たとえば、中学生の頃雪穂が作っていたRKとイニシャルが入った小物入れに関する描写。
友だちに「雪穂やからYKやないの?」と言われ「お母さんへのプレゼントだから。お母さんの名前レイコなの」
この時桐原亮司もRKだよね。って思って読み進めると、亮司の机の上にRKと入った小物入れが置いてある描写。
他にも、二人の密な関係を示す描写はいっぱいありました。(想像力が掻き立てられる~)
二人の関係は愛を越えた、そう、魂で繋がった純愛だったと思います。
「この人を守るためだったら犯罪も殺人も厭わない」という亮司。(共感は出来ないけど、納得はできる)
その愛に精一杯応える雪穂。(彼女の店の名前R&Yは亮司&雪穂だと思うし)
う~ん、やっぱり悲しい純愛ですねぇ。
こんな悲しい生き方しか出来なくなったのは、子供の純粋な魂を汚した身勝手な大人たちのせいなんですよ。

ラストは正に……。納得です。(未読の方のために書きませんが)

すごく良い作品でした。


この作品、2006年にTBSでドラマ化されたらしいですね。(視聴率はどうだったんだろう?)
でも、この作品は主人公二人の心が私の想像力で成り立っているので映像では見たくないですね。
映像化して欲しくない作品です。
コメント
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