●第六章 研究の方法
●第七章 事例の分析と解釈
・前世を記憶する子どもたちの1095例の62%が男性であった。
・6個の文化圏から集められた725例のうち61%が横変死であった。
・前世で非業の死を遂げている既決例の中で、死ぬ時の模様を本人が語った
事例は94%にものぼったが、自然死の場合は、わずか52%であった。
●第八章 さまざまな文化圏に見られる変異
・生まれ変わり信仰を持つ文化圏の方が、持たない文化圏よりもはるかに
多くの事例が報告されている。
・生まれ変わり信仰の他に、人情深く故人にも生者にも執着していたり、
因果律を重んじていたり、超常体験が珍しくなかったり、イメージ保持
が高かったり、時間の流れが緩やかで過去を振り返る時間が多いような
民族でも頻発している。
・生まれ変わり信仰そのものが現世から来世へと伝えられているかもしれない。
・生まれ変わる間隔が、報告される事例の発生率が高い国の方が短く、
低い国のほうが長いかもしれない。
・母系中心に成り立っているトリンギット族での同一家族内での生まれ変わり
では、母系で結び付いている事例が75%にのぼる。
・それに対して、父系社会のイボ族での同一家族内での生まれ変わりでは、母系
で結び付いている事例が74%にのぼる。
・信念ないし信仰が、死後および来世での経験を促したり抑制したりする役割
を相当に演じる可能性は、性転換事例のみに留まらず、それよりもはるかに
広い範囲に当てはまる。
●第九章 生まれ変わりという考え方によってどのような現象が説明できるか
○子ども時代の変わった行動
・乳幼児期の恐怖症
・幼児期に見られる変わった興味と遊び
・嗜癖と渇望
・気質
・早熟な性的衝動
・性的同一性の混乱
・一卵性双生児に見られる相違点
・親子関係
・一見理不尽な攻撃性
・妊娠中に見られる異常な食欲
・左利き
・母斑や先天的欠損
・個々の人間の独自性
○遺伝と環境の限界
・人間の人格を解明しようとする試みの中で、生まれ変わりという考え方を
遺伝や環境の影響に関する研究から得られた既に確立されている知識に
代わるものとしてではなく、そうした知識を補足するものとして考えている。
●第十章 前世を記憶する子供たちにまつわるその他の問題
○生まれ変わりと人口の爆発的増加
・生まれてくる人間の肉体に見合うだけの心が用意されていない・・とする
考え方は肉体と心の数が完全に一致するところから推定している。心は、
新しく創り出されるのかもしれないし、複数に分裂ないし複製されるかも
しれない。
・仮に肉体と心の数が一致しているとしても、原人が人間になったとされる
時代からの総数は800億人で、そのことからすると、現在地球上にいる
50億の人間は、平均して16回ほど生まれ変わっている計算になる。
○動物が生まれ変わる証拠はあるか
・かつて動物に生まれ変ったと主張する例もあるが、証拠が全く無い。
○全ての人間が前世の記憶を持っていないのはなぜか
・非業の死を遂げている事例が61%にのぼるのだが、こうしたことが記憶に
残りやすいと推測される。
・自然死の場合は、急死した者たち、若くして死亡した者たち、志半ばで
死亡した者たち、継続中の仕事に従事していて死亡した者たちの5群に
分類されるが、いずれも不完全な状態で一生が終わっているのがわかる。
従って、生まれ変りたいという願望が強く沸き起こったことであろうことが
推測される。
・記憶力も問題かもしれない。理由は分らないが、敬虔な態度で送った人物
も記憶に残りやすいようだ。
・家庭や国の環境によっても前世記憶の発現を左右する。
・以上の事から前世記憶が出現するための公式があるとすれば、生まれ変り信仰
の強い国に住んでいた中流階級の男性ということになる。
○生まれ変りは普遍的な体験か
・現時点では分りようがない
○前世の記憶は役立つかそれとも邪魔になるか
・前世を記憶している子どもたちの中には、本当の家族と思っている人たち
から引き離されたと感じているため、ひどい苦しみを味わっている者が多い。
・成長すると、前世記憶の経験から世俗の不幸から超越していられるという
心境になるかもしれない。死を恐れる必要のないことを説いて安心させよう
とする者もいる
○女児よりも男児に前世を記憶している者が多いのはなぜか
・横変死事例において男児の比率がはるかに高い(2対1)
・女子の事例を両親が押さえ付けて包み隠すことが多いかもしれない
・男児の生涯の方が記憶に残りやすい出来事が多いのかもしれない
○前世の記憶を持つ子どもたちは、なぜ複数の前世を記憶していないのか
・ふたつ以上の前世を記憶しているという子どもたちは少数ながら存在する。
・前世の記憶が、ふつうの記憶と同じく時間の経過とともに薄れ行くもの
であるのであろう。
○自殺で終わった前世を記憶している子どもたち
・2000人中、23人が自殺した人物の生涯を記憶していた。
・生まれ変りという考え方がこうした事例にも当てはまるのであれば、
永久に地獄に堕ちるなどの信仰が間違っていると立証される。
・しかしながら、自殺しても苦しみは終わらず、苦しみの生じる場所が
変わるにすぎないことを自殺願望者に気づかせてくれる。
○生まれ変りの可能性を信ずることに対する障害
・西洋では生まれ変りという考え方になじみがない。
・人間の心(および記憶)は脳の中にあり、それ以外のところに存在する
可能性はないとする思い込みや、死後の生命がどのようなものか人間には
想像もつかないはずだとする思い込みがある。
・生まれ変りがあるとすれば、人間には自らの運命の責任は自らにあるらしい
ことになるが、そうした責任を受け入れたくないとする者が多いらしい。
●第十一章 生まれ変りに関係する可能性のあるプロセスの考察
○何が生まれ変わるのか
・どの事例を考えたところで人格全体が生まれ変わったと言う事はできない。
それは前世に由来する可能性のある人格の一側面に注意を向けることしか
できないのである。
・とはいえ、バラバラな前世記憶が寄り集まったものではなく、全体がひとつの
方向性を持っていることを裏付ける証拠が見出されている。イメージ記憶、
行動的記憶、身体的痕跡という三通りの要素が不思議にも結び付いている。
・実際に生まれ変わるかもしれないのは、直前の前世の人格および、それ以前
に繰り返された過去世の人格に由来する個性なのである。
・たとえ前世の記憶が無くとも、過去世で学んだ言葉や技能は、それを学ぶ適正
として残るであろう。そのように考えると、老年になっても、何か新しい技術
を身に付けたい気持が起こる。
○なぜ特定の家族のもとに生まれ出るのか
・いくつかの部族の事例では、双方の人格がほとんどが、同一家族ないしは、
拡大家族の中に含まれる。もし生まれ変わりが同一家族内で起こるとすれば、
何らかの心霊的な力が肉体の無い人格を、次に生まれ出る家族の方へ引き
寄せたことにより、そのような結果が生じたと推測できる。
・また、ふたりの結び付きが続けば続くほど、また強ければ強いほど、その
結び付きは強まるのではないかと思われる。
・愛情や憎悪、罪業感や恩義、意志などの感情引き合う力が働くように思われる。
・それとは別に、双方が何らかの関係があった場合や、直近よりも古い別の
前世で関係があった場合、地理的な要因(死亡した場所ないしは、その近く
で生まれた例、死後運ばれた場所で生まれた例、前世の人格が死去した場所
に行っている例がある)がある場合の事例がある。
・特定の家族を自ら選ぶ場合があることをうかがわせるような夢には、
生まれ変わりたいという願望は切望すら見て取れるものもある。
○肉体のない人格は次に生まれ変わる肉体にどのような形で影響を及ぼすか
・選択可能な胎児の中から選び出すという可能性について、肉体のない人格が
母親の身体的状態に影響を与える可能性は充分にある。
・肉体のない人格は胚の発育にどのような形で影響を与えるのか・・・前世の
人格が持っていた傷痕やあざなどと一致する母斑や先天的欠損を持つ事例に
からすると、肉体のない人格は、次の生まれ変わりで結び付く胚を選び出す
以上の操作をしている可能性が示唆される。
○前世の行ないが来世に及ぼす影響
・調査した事例では、前世の行状が現世の外的状況に影響を及ぼしたことを
裏付ける証拠は見つかっていない。
・前世の行ないによる影響が来世に及ぶとすればそれは、喜びや悲しみとして
内部に生じるものなのでしょう。この点で、生まれ変わり型事例は、生まれ
変わりを繰り返す中で私たち自身が向上することに対する希望を与えてくれる。
・もしこの世が’魂を造る世’であるなら、私たちは自分自身の魂を作っている
のである。
end
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前世を記憶する子どもたち〈2〉ヨーロッパの事例から (単行本)
イアン スティーヴンソン (著), Ian Stevenson (原著), 笠原 敏雄 (翻訳)
出版社: 日本教文社
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’前世を記憶する子どもたち2’となっていますが、前著が代表的な12例の
生まれ変わり事例からの傾向や統計を説明しているのに対して、この本は、
ヨーロッパの40例の生まれ変わり事例を挙げています。
●第七章 事例の分析と解釈
・前世を記憶する子どもたちの1095例の62%が男性であった。
・6個の文化圏から集められた725例のうち61%が横変死であった。
・前世で非業の死を遂げている既決例の中で、死ぬ時の模様を本人が語った
事例は94%にものぼったが、自然死の場合は、わずか52%であった。
●第八章 さまざまな文化圏に見られる変異
・生まれ変わり信仰を持つ文化圏の方が、持たない文化圏よりもはるかに
多くの事例が報告されている。
・生まれ変わり信仰の他に、人情深く故人にも生者にも執着していたり、
因果律を重んじていたり、超常体験が珍しくなかったり、イメージ保持
が高かったり、時間の流れが緩やかで過去を振り返る時間が多いような
民族でも頻発している。
・生まれ変わり信仰そのものが現世から来世へと伝えられているかもしれない。
・生まれ変わる間隔が、報告される事例の発生率が高い国の方が短く、
低い国のほうが長いかもしれない。
・母系中心に成り立っているトリンギット族での同一家族内での生まれ変わり
では、母系で結び付いている事例が75%にのぼる。
・それに対して、父系社会のイボ族での同一家族内での生まれ変わりでは、母系
で結び付いている事例が74%にのぼる。
・信念ないし信仰が、死後および来世での経験を促したり抑制したりする役割
を相当に演じる可能性は、性転換事例のみに留まらず、それよりもはるかに
広い範囲に当てはまる。
●第九章 生まれ変わりという考え方によってどのような現象が説明できるか
○子ども時代の変わった行動
・乳幼児期の恐怖症
・幼児期に見られる変わった興味と遊び
・嗜癖と渇望
・気質
・早熟な性的衝動
・性的同一性の混乱
・一卵性双生児に見られる相違点
・親子関係
・一見理不尽な攻撃性
・妊娠中に見られる異常な食欲
・左利き
・母斑や先天的欠損
・個々の人間の独自性
○遺伝と環境の限界
・人間の人格を解明しようとする試みの中で、生まれ変わりという考え方を
遺伝や環境の影響に関する研究から得られた既に確立されている知識に
代わるものとしてではなく、そうした知識を補足するものとして考えている。
●第十章 前世を記憶する子供たちにまつわるその他の問題
○生まれ変わりと人口の爆発的増加
・生まれてくる人間の肉体に見合うだけの心が用意されていない・・とする
考え方は肉体と心の数が完全に一致するところから推定している。心は、
新しく創り出されるのかもしれないし、複数に分裂ないし複製されるかも
しれない。
・仮に肉体と心の数が一致しているとしても、原人が人間になったとされる
時代からの総数は800億人で、そのことからすると、現在地球上にいる
50億の人間は、平均して16回ほど生まれ変わっている計算になる。
○動物が生まれ変わる証拠はあるか
・かつて動物に生まれ変ったと主張する例もあるが、証拠が全く無い。
○全ての人間が前世の記憶を持っていないのはなぜか
・非業の死を遂げている事例が61%にのぼるのだが、こうしたことが記憶に
残りやすいと推測される。
・自然死の場合は、急死した者たち、若くして死亡した者たち、志半ばで
死亡した者たち、継続中の仕事に従事していて死亡した者たちの5群に
分類されるが、いずれも不完全な状態で一生が終わっているのがわかる。
従って、生まれ変りたいという願望が強く沸き起こったことであろうことが
推測される。
・記憶力も問題かもしれない。理由は分らないが、敬虔な態度で送った人物
も記憶に残りやすいようだ。
・家庭や国の環境によっても前世記憶の発現を左右する。
・以上の事から前世記憶が出現するための公式があるとすれば、生まれ変り信仰
の強い国に住んでいた中流階級の男性ということになる。
○生まれ変りは普遍的な体験か
・現時点では分りようがない
○前世の記憶は役立つかそれとも邪魔になるか
・前世を記憶している子どもたちの中には、本当の家族と思っている人たち
から引き離されたと感じているため、ひどい苦しみを味わっている者が多い。
・成長すると、前世記憶の経験から世俗の不幸から超越していられるという
心境になるかもしれない。死を恐れる必要のないことを説いて安心させよう
とする者もいる
○女児よりも男児に前世を記憶している者が多いのはなぜか
・横変死事例において男児の比率がはるかに高い(2対1)
・女子の事例を両親が押さえ付けて包み隠すことが多いかもしれない
・男児の生涯の方が記憶に残りやすい出来事が多いのかもしれない
○前世の記憶を持つ子どもたちは、なぜ複数の前世を記憶していないのか
・ふたつ以上の前世を記憶しているという子どもたちは少数ながら存在する。
・前世の記憶が、ふつうの記憶と同じく時間の経過とともに薄れ行くもの
であるのであろう。
○自殺で終わった前世を記憶している子どもたち
・2000人中、23人が自殺した人物の生涯を記憶していた。
・生まれ変りという考え方がこうした事例にも当てはまるのであれば、
永久に地獄に堕ちるなどの信仰が間違っていると立証される。
・しかしながら、自殺しても苦しみは終わらず、苦しみの生じる場所が
変わるにすぎないことを自殺願望者に気づかせてくれる。
○生まれ変りの可能性を信ずることに対する障害
・西洋では生まれ変りという考え方になじみがない。
・人間の心(および記憶)は脳の中にあり、それ以外のところに存在する
可能性はないとする思い込みや、死後の生命がどのようなものか人間には
想像もつかないはずだとする思い込みがある。
・生まれ変りがあるとすれば、人間には自らの運命の責任は自らにあるらしい
ことになるが、そうした責任を受け入れたくないとする者が多いらしい。
●第十一章 生まれ変りに関係する可能性のあるプロセスの考察
○何が生まれ変わるのか
・どの事例を考えたところで人格全体が生まれ変わったと言う事はできない。
それは前世に由来する可能性のある人格の一側面に注意を向けることしか
できないのである。
・とはいえ、バラバラな前世記憶が寄り集まったものではなく、全体がひとつの
方向性を持っていることを裏付ける証拠が見出されている。イメージ記憶、
行動的記憶、身体的痕跡という三通りの要素が不思議にも結び付いている。
・実際に生まれ変わるかもしれないのは、直前の前世の人格および、それ以前
に繰り返された過去世の人格に由来する個性なのである。
・たとえ前世の記憶が無くとも、過去世で学んだ言葉や技能は、それを学ぶ適正
として残るであろう。そのように考えると、老年になっても、何か新しい技術
を身に付けたい気持が起こる。
○なぜ特定の家族のもとに生まれ出るのか
・いくつかの部族の事例では、双方の人格がほとんどが、同一家族ないしは、
拡大家族の中に含まれる。もし生まれ変わりが同一家族内で起こるとすれば、
何らかの心霊的な力が肉体の無い人格を、次に生まれ出る家族の方へ引き
寄せたことにより、そのような結果が生じたと推測できる。
・また、ふたりの結び付きが続けば続くほど、また強ければ強いほど、その
結び付きは強まるのではないかと思われる。
・愛情や憎悪、罪業感や恩義、意志などの感情引き合う力が働くように思われる。
・それとは別に、双方が何らかの関係があった場合や、直近よりも古い別の
前世で関係があった場合、地理的な要因(死亡した場所ないしは、その近く
で生まれた例、死後運ばれた場所で生まれた例、前世の人格が死去した場所
に行っている例がある)がある場合の事例がある。
・特定の家族を自ら選ぶ場合があることをうかがわせるような夢には、
生まれ変わりたいという願望は切望すら見て取れるものもある。
○肉体のない人格は次に生まれ変わる肉体にどのような形で影響を及ぼすか
・選択可能な胎児の中から選び出すという可能性について、肉体のない人格が
母親の身体的状態に影響を与える可能性は充分にある。
・肉体のない人格は胚の発育にどのような形で影響を与えるのか・・・前世の
人格が持っていた傷痕やあざなどと一致する母斑や先天的欠損を持つ事例に
からすると、肉体のない人格は、次の生まれ変わりで結び付く胚を選び出す
以上の操作をしている可能性が示唆される。
○前世の行ないが来世に及ぼす影響
・調査した事例では、前世の行状が現世の外的状況に影響を及ぼしたことを
裏付ける証拠は見つかっていない。
・前世の行ないによる影響が来世に及ぶとすればそれは、喜びや悲しみとして
内部に生じるものなのでしょう。この点で、生まれ変わり型事例は、生まれ
変わりを繰り返す中で私たち自身が向上することに対する希望を与えてくれる。
・もしこの世が’魂を造る世’であるなら、私たちは自分自身の魂を作っている
のである。
end
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前世を記憶する子どもたち〈2〉ヨーロッパの事例から (単行本)
イアン スティーヴンソン (著), Ian Stevenson (原著), 笠原 敏雄 (翻訳)
出版社: 日本教文社
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’前世を記憶する子どもたち2’となっていますが、前著が代表的な12例の
生まれ変わり事例からの傾向や統計を説明しているのに対して、この本は、
ヨーロッパの40例の生まれ変わり事例を挙げています。