Don't Kill the Earth

地球環境を愛する平凡な一市民が、つれづれなるままに環境問題や日常生活のあれやこれやを綴ったブログです

意見陳述書という名の「詩」

2006年03月10日 08時11分43秒 | Weblog
 昨日は、午前中は卒業する大学院から荷物を撤去、午後から連続強盗殺人事件の法廷傍聴。当日は被害者の遺族の方の意見陳述が行われた。だが、余りの悲しさに一日憂鬱になってしまう。「どんな人間の一生も一篇の詩のようである」とトーマス・マン(写真)はいうが、バーディーは、「意見陳述書」という名の詩が存在することを始めて知った。
 被害者の一人であるK子さんは、当時23歳の航空関連会社社員。この日は午前6時半からの勤務で、出勤途中のところを腹部を刺されて死亡した。逮捕された容疑者は、「消費者金融五、六社に数百万円の借金があり、金に困っていた」と供述していた。
 K子さんは一人娘。幼いころから年に一度の家族での海外旅行を楽しみにしていた。K子さんは大学時代、講義の合間をぬってアルバイトで学費を稼ぎ、一年半、市内の航空専門学校に通った。「いつか自分が乗った航空機で家族を海外旅行に連れていきたい」。夢は客室乗務員だった。
 語学学校に通う資金をためるため、領収書をノートに張り、財布の中にはいつも千円前後しか入っていなかった。月に7万円ためていたという。そして時間を作って英語を勉強していた。この日も、ヘッドフォンを聞きながら通勤していたのである。
 法廷でお父さんは意見陳述書を朗読する。まるでK子さんの一生が、一篇の詩と化したかのようである。「娘が生まれたとき、大きくなったら一緒にデートをするのが夢でした。そして一昨年、ついに夢が叶い、娘と一緒にお台場やディズニーランドめぐりをしたのです。…K子が亡くなった、その次の年の○月×日のことを、忘れることはできません。…」
 ここでついにバーディーは涙をこらえきれず、法廷を後にしたのである。
 

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