サーファー院長の骨休め

“ビッグマッサータハラ”のライフスタイル

葛川に親しもう会秘話

2018-06-20 | Weblog
二宮では、13年前から「エコフェスタにのみや」という環境イベントが行われている。

環境活動を推進する団体の活動報告が主な内容で、毎年ラディアンで開催され、「大磯ビーチクリーン実行委員会」として3年ほど前から参加していた。

昨年から「うみぴか」(二宮梅沢海岸ビーチクリーン)も始まり、少しずつこの実行委員会にも顔を出すようになった。

そこで、「今年のエコフェスタは、趣向を変えて体験型の催しも加えてみたら。」「小学生に川でSUPを体験してもらったらどうか?」「そうすれば、葛川に親しんでもらえるのではないか。」と提案してみた。

今迄大磯でのキッズサーフィンスクールで培ったノウハウを活かせば何とかなるという軽い発想だったが、そう簡単ではなかった。

「そんなことできるの?」と反応が返ってきた。

「うっすらとでも水があれば、できます。」と回答した。最悪フィンなしでもいいと考えていた。

その時点では、空想の世界だった。

会議は、進められて行く。

子どもにやらせるには、まず、自分がやってみなければ始まらないと、今年1月の小雪の降る中、二宮商工会館の下でSUPライドを決行した。


水深は、10cm。スケッグが底に当たる場所はあるが、できるには、できる。

ただ、護岸壁が垂直に切り立っているため、閉塞感があって、これでは、どぶでやっているのと同じ。これでは、面白くない。解放感がなく、自然の中でやっている感じではない。

それ以降、時間を見つけては、葛川を上流、下流とサーチしてまわった。

そこで見付けたのが一色清水橋だった。桜の季節には、花見イベントも行われる、川岸も整備されたいいとてもロケーションだった。
葛川を守る会さんからも「あそこなら。」とお墨付きをもらった。



次に問題となったなったのは、水質だった。

役場に行って、水質データを入手するも、BOD、CODと言われてもさっぱりわからない。

二級河川としての基準は、満たしても人体に対して安全なのかが分からなかった。

これは、もう人体実験しかない。

後輩戸丸を同行させて意を決して潜り、泳いでみた。「臭くない。」

SUPで漕いでもみた。「楽しい!」水深も30cm以上は、ある。

これなら、子ども達にも楽しんでもらえるはず。




二宮町にも協力してもらい、地元自治体にも案内を出し、参加者も募り、14人が集まった。

開催日6/3(日)の前日は、二宮、一色小の運動会が開催される。雨なら順延されるため、こちらの開催が延期になってしまう。

もう、神様に祈るしかない。

梅雨に入る直前に2日連続で好天に恵まれたのは、本当にラッキーだった。

それでも前夜は、色々なことが頭をよぎり、よく眠れなかった。





さて、本番当日は、快晴。会場に着くと、まず、水かさを確認した。程よい流れだ。

テントを設営しているとスタッフが続々と集まりだし、参加者の子ども達も集合した。


後は、怪我なく無事に終わることを願うのみだ。


岸でレクチャーをした。


二宮のイベントである今回は、なるべく、二宮出身者でスタッフを構成したかった。
二宮では、サーフィンができない。しかし、こういった形ならサーフイベントが可能になる。
うちの子どもたちにも強引に協力させ、地元在住のサーファーにも声を掛け、チームタハラを結成。スタッフを集めた。



見て!この光景を。楽しそうに漕ぐ子ども達。岸を見るとたくさんのギャラリーが集まっていた。
カメラマン:八幡宏





今回の「葛川を親しもう会」は、「生き物観察」と同時開催だった。

そのため、第1部でSUPを体験し、2部で生き物観察に参加するという子も多くいた。

昭和30年代までは、泳げるほどきれいだったこの川は、住宅が出来るにつれて、次第に汚れていった。
しかし、町の有志の方々の努力や下水道の発達によって、川は、よみがえり、生き物が生息するようになった。

川を知る高齢の方々と子ども達の交流もこの会のすばらしいところだ。




「葛川に親しもう会」は、無事に終わった。

慣れ親しんだ海と違い、今回初めて未知の領域「川」というフィールドで「冒険」させてもらった。

分からないからこそ、準備に手間がかかる。

手間が掛かったからこそ、終わった後の喜びも大きかった。





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