西風に吹かれて

日本の西端にある基地の街から、反戦や平和の事、日々の雑感を綴ります。

チェルノブイリハート

2011-11-26 21:46:42 | 原発事故
いま、私の手元には1冊の本がある。
「チェルノブイリハート」という薄い本だ。



この本は、2003年にアカデミー賞の短編ドキュメンタリー賞を受賞した映画のガイド本だ。
11月13日に福岡舞鶴公園で行われた「さよなら原発!1万人集会」で購入した本である。
映画を観たいと思っていたが、商業ベースに乗りにくい映画は,この佐世保ではほぼ上映されない。
長崎では1週間ほど上映されていたが、時間的な余裕がなかったし、なにより長崎までの交通費を考えると躊躇するものがあった。

それで、集会場所の周囲に張られたテントの出店の中に、この本を見出したときすぐさま買ったのだった。

おめでたい私は、「チェルノブイリハート」と言う題名がチェルノブイリで被爆した人たちに思いを寄せる意味で付けられた題名なのかと思っていた。

そうではなかった。
放射能汚染のひどいベラルーシでは、事故後生まれてきた子供たちのなかに心臓に2つ、3つと穴が開いている子供がいるようになったのだ。
文字通りの「チェルノブイリハート」。これは現実だったのだ。

この映画の取材は、原発事故から16年後の2002年に行われている。

ちょうど事故当時、子供だった人たちが出産年齢に達しているときだ。
映画では、先天異常児が増加していることも話されている。

福島はどうなのだろうか?
日本はどうなのだろうか?

5年後、10年後、20年後、この映画と同じようにならないとは限らない。

想像しただけで胸がつぶれそうだ。

本の最後に、この映画の女性監督であるマリアン・デレオの言葉がある。

    私たちはみな「星々の中のひとつ」地球に
          暮らしています
   ともに「われらの偉大なる星」を讃える方法を
        みつけなくてはなりません

       このたび日本で起こった悲劇は
       いのちに影響を及ぼしています

        日本のいのちだけでなく
          私たちの地球
  「青いビーロードの上の光り輝く一粒の塵」に生きる
         すべてのいのちに

       宇宙からこの地球を見れば
      日本の海が 私たちの海であり
   日本の水や空気が 私たちの水や空気であることは
           一目瞭然です

        人間は国境を作りましたが
        地球に国境はありません

     …いのちはみんなつながっています…


原発を止めるために、つながるいのちのために、あと少しの勇気と力を出さなければ…。