家訓は「遊」

幸せの瞬間を見逃さない今昔事件簿

散歩の景色

2011-04-12 07:32:18 | Weblog
今でも続けている夕食後の散歩。

気がついてみれば帽子を被っていないし手袋も不必要になった。

サクラ並木の下を気分良く歩く。

最近気付いたことがある。

決まったサクラの木に2羽の黒い鳥のシルエットが。

といってもカラスだから昼間でも影絵のようだが。

寄り添っているわけではなく、それでいて離れてはいない。

考えてみりゃ鳥は羽を広げるから、その分の距離は必要か。

で、いつしかその2羽を見るのが楽しみになっていった。

まだ薄暗い時刻にカメラを持っていった。

彼らを見つけて撮ろうとした途端、彼らが気付き飛び立ってしまった。

鳥目の彼らだから暗くなってからの飛翔は酷であろう。

それからは無理やり写そうとは思わなくなった。

夜になると家の中に電灯が灯される。

すると窓を透して中の様子が見えることがある。

トイレットペーパーが2袋重ねられているのが見えた。

たぶん買占めした口であろう、このおばさん。

すれ違う人の中で怪しい動きの爺さんがいる。

いつもくわえタバコだ。

毛糸の帽子を被りレジ袋を左手に持ちラジオを鳴らしながらフラフラと歩く。

サクラの木の1本1本手で触れて歩くこともある。

仲良しおばあさんが二人今夜も元気に歩く。

片方のおばあさんは赤く点灯するリングを腕に巻いている。

これなら視認しやすい。

犬との散歩も多い。

黒いラブラドールの首にも赤い電灯が着けられていた。

「夜の散歩に黒のラブラドールじゃ見えにくいよなぁ」

可愛がられているなぁ、と思うだけで幸福感に充ちる。

「お名前は?」と聞くと

「ユズです」と答えた。

「そうか。ジョンだと思ったのに」というと苦笑いしていた。

お好み焼き屋さんの看板の上にネコが乗っている。

そこに居れば食べ物にありつけるようだ。

「常連さんだな」

医院のケヤキの木の上に巣を作り始めたのは、いつも一緒に眠るカラスの番(つがい)であろう。

45分間の散歩でも、いろいろな場面に出会い、それぞれの生活を見ることになる。

私たち(番)を見ている人もいるに違いない。