言の葉収集

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いろいろ気ままに書きたいと思っています。

歯医者復活

2009-02-06 22:10:48 | ニュース
今日の中日新聞1面より。

愛知学院大歯学部のグループが、国立長寿医療センターとの共同で、傷んだ歯髄(歯神経)を抜かずに元通りにする新たな治療法を開発したとある。
患部にMMP3という酵素を適量塗り込むと、血管が再生して歯髄がよみがえるらしい。
今までは歯髄を取り除くしかなかったが、この画期的な治療法が注目されている。これによって生涯を自分の歯で過ごせる可能性を高める発見だという。

当たり前だがこどもの頃から歯医者さんは嫌いだ。
待合室であの金属音を聞くと虫歯の痛みが消える錯覚に陥る。(虫歯はもう治ったんだよ、帰っていいよ)とココロの声が聞こえるのだが、こども心に、恐怖心がそうさせていると気づいたものだ。

診察室に入ると、先生が鬼のように見え、「どれどれ」と覗き込んだ後、「あーこれはひどいなあ」と絶望的な言葉をつぶやく。
ひどいからこそ痛むのであって、ひどいからこそ今日来たのであって、今まで来なかったのは我慢できたからに他ならない。
(ぎりぎりまでここへは来ないんですよ先生)、(皆そうなんですよ先生)、と心の中でつぶやくのは、開きっぱなしの情けない口は今や呼吸をするだけの器官となっており、言葉を発することができないからである。うそうそ、しゃべれてもそんなこと言えるわけがない。

苦い味がこぼれる1本目の麻酔注射が歯茎を突き刺す、2本目の後半はもう痛みがほとんど分からない。
(今くちびる腫れている、きっと腫れている)という錯覚を楽しむ間もなく、治療はクライマックスを迎える。
(ああ、絶対今度は早く来よう)(ああ、絶対食べたあと歯を磨こう、いや何ならもう食べない)
と、誓いながら悪夢は終わるを告げるのであった。いや正確には悪夢は中断されるのだ、夜麻酔が覚めるまで。

なんて、こどもの頃の歯医者での出来事を思い出した。

愛知学院大学さん、いろんな意味でありがとう(笑)。