言の葉収集

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いろいろ気ままに書きたいと思っています。

シークレットサンタ

2007-12-26 16:48:05 | Weblog
YOU TUBEでなかなかいい動画を観た。

ネタ元はテレビ番組の「アンビリーバボー」のようで、何年か前に放送されたヤツだと思う。

アメリカの貧しい青年ラリーは、勤めていた会社が倒産して、空腹で耐え切れず一文無しのままレストランに入ってしまう。
そして気がつけばあれこれと注文し、むさぼるように食べていた。
レシートを置かれハッと我に帰る。「あれっあれっ」財布を探すフリをしながら青ざめていた。

「落としましたよ」

レストランの人がラリーの足元で拾ってくれたのは20ドル紙幣だった。

「助かった」

支払いを済ませたラリーは逃げるようにレストランを後にした。
その後のラリーにまたしても苦難が待ち受ける。会社をクビになり切羽詰ったラリーは家族を守る為に銀行強盗を企てる。
銀行に入ってポケットの銃を取ろうとしたとき、カウンターで小さな女の子が差し出す20ドル紙幣を見つけた。

「落としましたよ」

数年前の20ドル紙幣とダブった。
ラリーは知っていた。あれは落ちていたのではない、彼がわざと拾ったフリをして私にくれたのだ。
「俺はなんてことをしようとしていたんだ」
20ドル紙幣が彼を、いや彼だけではなく、銀行員や客の命さえも救ったのかもしれない。

ただラリーの生活はその後も一向に楽にならなかった。
ある日立ち寄った店で元気の無い店員を見て、ラリーは20ドル紙幣を差し出した。

「メリークリスマス」

「なぜ?理由もなくいただけないわ」

「君はとても悲しそうな顔をしている。元気を出すんだ。今日は特別の日だろう」

「ありがとう」

その笑顔はラリーの心を明るくした。
そして彼は思い切った行動に出る。銀行に行きナケナシの貯金を引き出し、白いオーバーオールに赤いシャツとベレー帽の姿で、街中へ繰り出し貧しい人々にお金を配り始めたのだ。
もちろん素性は明かさずただ街の人達に20ドル紙幣を配ったのだ。人々は彼の事を「シークレットサンタ」と呼んだ。

彼が凄かったのはそれを続けたことである。
27年間で総額150万ドル(約1億8000万円)を配り続けたサンタクロース。
もちろん家族にも内緒であったが、気付いた妻は彼を応援した。

「少し生活を切り詰めないといけないわね」

家族の理解と協力の上にシークレットサンタは存在したのである。
ラリーは以前レストランで20ドルをくれた恩人をやっと探しあて、お礼を言った。

「あなたがシークレットサンタの生みの親です」

不思議なことがある。
シークレットサンタとして人々に施しをすればするほど、友人と興した会社の業績は上がっていったのである。
彼と彼の家族は裕福な生活を送っていたという。

「与えよ、さらば与えられん 」