言の葉収集

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いろいろ気ままに書きたいと思っています。

駆け込み寺

2007-04-08 18:13:07 | Weblog
今日の日経新聞、「中部を彩る」と書かれた記事が目に留まった。

愛知県西居院で住職をしている、広中邦充さんのことだった。
以前、テレビでも観た事がある人だ。3人のこどもたちと、素敵な笑顔で写っている。

不登校や虐待など、家庭では解決困難な悩みを抱える子どもが全国から集まり、共同生活をしている。
子ども達の食費などはすべて寺が負担し、講演や説教で集まる謝礼や檀家からの差し入れで賄っていると言う。

広中さんの原点は高校時代にある。自身ケンカに明け暮れて、退学も危ぶまれたその時、助けてくれたのが当時の若い教師だった。
職員室で土下座をして、「私がどうにかします」とかばい、その後「おれについて来い」と1ヶ月教師の家に住み込んだ。
生徒と真剣に向き合うその姿が、弘中さんの心に深く刻まれた。

人との出会いがその人を救い、またその人が、その後出会う人を救っている。
出会いの大切さ、ありがたさを改めて教えられた気がする。
もしあの時、その教師がいなければ、現在の弘中さんはいないだろう。
子どもをグループから抜けさせるため、暴走族や暴力団の組長に直談判した経験もあるというその姿には頭が下がる。

記事は、「子どもを見つめる目は慈愛に満ちていた」と結んでいる。